おはようございます、めるにあです。今朝は寒さで三回くらい目覚めて最終的にエアコンに頼りました。カムバック暖冬!ですね。そんなわけで今回は前回に引き続き構築編サイドボードについて書いていこうと思います。

 サイドボードはテンプレと呼べるものはありません。本当に千差万別です。しかし、それで終わりでは記事にならないので、とりあえず何を対策すべきなのかと、そのために何を入れるかを各カードの解説をしながら紹介していきたいと思います。


1.対策すべき仮想敵

(1)デッキへの対策

 さて、グリクシスデルバーはとりあえず何を対策すべきなのか、第一回の相性表を覚えているでしょうか。基本的にはあの中で不利以下で、かつよく使われているデッキとの相性を改善するようなサイドボーディングをすることになってきます。というわけで、最優先で見るべきデッキは以下のようになります。

・バーン
・トロン
・ヴァラクート

以上の3デッキへの対策は捨てるのでなければ必須です。特にバーンの場合サイドボーディングで不利から微々不利くらいまで大きく相性が改善でき、メイン負けてもサイド後2戦とることもできます。トロンとヴァラクートに関しては正直かなり厳しいのですが、もともとグリクシスデルバーというデッキがプレイングで相性を補いやすいデッキなのでこれらへの対策を厚めに入れておくのは必要であると個人的に思っています。

また、モダン環境における交通事故、メイン最強と呼ばれる以下の2デッキも、相性の上ではそこまで悪くないとはいえ、対策しておくのが無難です(後述しますがこれらへの対策カードはそこそこいろんなところに刺さりますしね)

・親和
・ドレッジ

 いわゆる墓地対策、ファクト対策といわれるものですね。また、感染はいいのかという話なのですが、これは上記のデッキや、以下に書く方針のサイドボーディングをしていると勝手に対策カードが入ってくるので特別考えなくてもOKです。そして基本的なデッキの対策は以上になります。続いてデッキごとでなく、戦略へのサイドボーディングを書いていきます。


(2)戦略への対策(アーキタイプへの対策)

 ここでの対策とはどういうものかというと、いわゆる「コントロール」とか、「ウィニー」とか、少し大雑把なものへの対策になってきます。で、対策すべきアーキタイプなのですが、まさに今挙げた二つとなります。
 まずコントロールに対しては基本的にそこまで不利ではありません。が、基本的にどの環境でもよく見るアーキタイプである上に、打消しを少し濃くしたりするだけでかなり相性が良くなるので対策しておいて損はないでしょう。
 また、ウィニーに関してなのですが、グリクシスデルバーというデッキは横に並べるのが苦手です。したがって、まず小型がたくさん並ぶことにより地上生物が殴れなくなり、小型の飛行持ち、特に≪苦花≫のフェアリー・ならず者・トークンや≪未練ある魂≫のスピリット・トークンなんかが並ぶとデルバーまでも止まって誰の攻撃も通らなくなります。特にトークンを挙げたのは1枚のカードから複数出てくるためです。しかしメインから対策するとすれば≪電解≫や、無理矢理≪最後の望み、リリアナ≫を入れるしかなくなり、いずれもあまりメインから使いやすいといえるカードではありません。ゆえにサイドボードからの対策が必要となります。
 他のアーキタイプに関してなのですが、例えば「コンボ」に関してはメインから打消しを持ち殴りきるスピードも遅くはないこのデッキは五分以上を取りやすいですし、ミッドレンジ(ジャンドやアブザン)に対してはそもそも有効なサイドボードがあまりありません。したがって、コントロール、およびウィニーが対策の焦点となります。


 あとは環境ごとに流行っているデッキへの対策を入れたりするのですが、キリがないのでここでは割愛させていただきます。


2.対策カード解説

 1にて対策すべきものを紹介したので、続いてその中身について解説していきます。まず対策すべき仮想敵をまとめます。

・バーン
・トロン
・ヴァラクート
・親和
・ドレッジ
・ウィニー
・コントロール

 それぞれについて順番に有効なサイドカードを解説していきます。複数に対して有効なカードについては、仮想敵ごとに役割や意識することが違う場合のみ追記し、そうでなければ二回目以降は名前のみ書いていきます。また、メインボードの時と違い採用枚数は「採用するとしたら」を前提にしています。

(1)対バーン
 バーンは、ざっくりいえば大量のインスタントソーサリー火力と少しのクリーチャーで相手の顔面のみを狙うデッキです。したがって、火力呪文の打消しとライフゲイン、それらを駆使しながら逆に相手の顔面を先に削りきるか、相手がトップ勝負になるまで消耗させるのがグリクシスデルバーの戦い方になります。ゆえに以下のようなカードが有効になってきます。

≪集団的蛮行≫採用枚数:2~3枚
 無色1+黒1マナで、「クリーチャー一体に-2/-2修正」「2点ドレイン」「インスタントソーサリー限定のピーピングハンデス(手札を見て破壊)」のいずれかから一つを選べ、増呪という能力により唱える際に手札を1枚捨てるごとに選ぶモードを増やせる(同じモードを複数回は選べない)ソーサリーです。バーンキラーといっていい最終兵器であり、これを引ければバーン戦は相当楽になります。というのも、すべてのモードが相手に突き刺さるのです。修正により数少ない相手のクリーチャーを除去し、ハンデスで火力を抜き取り、ドレインによりライフを回復する。これを2枚もしくは1枚+瞬唱を引こうものならそのゲームはもらったようなものです。さらにそこそこ汎用性が高いのもあってほぼ固定で2~3枚採用されます。

≪ゲトの裏切り者、カリタス≫採用枚数:1~2枚
 無色2マナ+黒2マナで3/4の、絆魂(このクリーチャーがダメージを与えるたびその分ライフを回復する)をもったクリーチャーです。他に相手のクリーチャーが死亡するときに追放し、自軍に2/2ゾンビを生成する能力と、それを生贄とすることで自身に+1/+1カウンターを乗せる能力を持っています。かなり重いのが難点ですが、一度出てしまえばバーンはこれを除去するのに二枚の火力を必要とし、顔面に飛ばすべき火力を失うどころかその片方を打ち消されようものなら大損です。かといって残しておけば絆魂によりガンガン回復され自軍のクリーチャーはどんどん相手のゾンビに変えられ、≪カリタス≫に食われて絆魂の回復量が増えていく、とバーンにとっては悪夢のようなカードです。汎用性がいまいちなので多くは採用されないのですが、バーンは多いようなら文句なしで2枚採用していいだけのスペックを持っています。ちなみにグリクシスデルバーも出されると泣きます(≪致命的な一押し≫によりいくらかマシにはなりましたが)

≪払拭≫採用枚数:1~2枚
 青1マナでインスタントであればなんでも確定で打ち消すインスタントです。相手の火力呪文はインスタントが多いのでこれも採用です。≪ボロスの魔除け≫の4点火力にあてられるのが理想ですね。コントロールに対してインできるのもナイスで、ほとんど固定枠です。が、やはり打ち消せる範囲は狭いので枚数は多くの場合1枚です。

≪対抗突風≫採用枚数1~2枚
 能力はメインボード回参照でお願いします。こちらは払拭と違いソーサリーも打ち消せ、相手のライフも削れるのが優秀ですが、青黒の2マナ計なので少し重いです。が、こちらは汎用性も払拭より高いので2枚採用されることも多いです。

≪コジレックの審問≫採用枚数2~3枚
 黒1マナで3マナ以下の土地でないカードをピーピングハンデスできるソーサリーです。メインボードからだと構築を考えないとあまり有効でないハンデスですが、サイドボードとしては採用されることもままあります。対バーンにおいては相手の火力1枚と交換できるので悪くないサイドだと思います。≪思考囲い≫に関しては、4マナ以上のカードはバーンにほぼ採用されない上にライフを支払ってしまうので入りません。そもそもがライフに余裕のあるデッキではないので採用したくないというのもあります。

(2)対トロン
 3種類そろえると莫大な無色マナが出るようになり、それによりデカブツをたたきつけて勝つのがトロンです。正直に言うとトロンとの相性は最悪です。3~4ターンでウルザ土地がそろってしまった場合そこから連打される≪解放されたもの、カーン≫≪精霊龍、ウギン≫≪絶え間ない飢餓、ウラモグ≫≪忘却石≫でこちらの盤面はボロボロになります。よってメインで勝つのはほぼ不可能といっていいでしょう。可能性があるとすればこちらが2ターン以内に高打点を出せる盤面を用意し、相手がウルザトロン成立に5ターンほどかかり、かつ打消しを1~2枚用意できている場合くらいです。詳しくはマッチアップを解説する回で説明します。
 さて、肝心の対策カードなのですが、以下の2点を意識することになります。

・ウルザトロン成立の妨害
・出てくるデカブツの妨害

ということで次のようなカードが対策となります。

≪血染めの月≫採用枚数:2枚

無色2マナ+赤1マナですべての基本でない土地を山に変えるエンチャントです。普段であれば自分にとっても天敵なのですが、こと対土地コンボにおいては相手のほうが圧倒的に被害が大きくなるためサイドインされます。1枚で特殊土地をすべて封殺できるのが魅力です。ただし使う際は先にフェッチランドから≪島≫と≪沼≫を持ってきておくのを忘れないようにしましょう。

≪大爆発の魔導士≫採用枚数:2~3枚
 無色1+赤もしくは黒の好きな組み合わせ2マナで2/2に加え、生贄にすることで基本出ない土地を破壊することのできるクリーチャーです。基本的に≪外科的摘出≫と組み合わせての採用となり、≪大爆発の魔導士≫で破壊したウルザ土地を≪外科的摘出≫で軒並み追放することでトロンを一生そろわないようにできます。これらを最速で行えればかなり勝ちに近づきます。
 他の土地破壊、特によくつかわれる≪溶鉄の雨≫と比較したときのメリットは、
・クリーチャーであるためアタック・ブロックできること
・インスタントタイミングで能力を起動できること
・(青単トロン以外ではあまり意味はないですが)否認など非クリーチャー打消しにひっかからないこと
・≪コラガンの命令≫で回収できること
・色拘束が緩いこと(≪溶鉄の雨≫は無色1+赤2マナ)
です。ですがこと対トロンにおいて二枚の差はあまりありません。たしかに≪溶鉄の雨≫は≪瞬唱の魔導士≫で使いまわせるのは大きなメリットですが、それをするには5マナ必要で、そこまで引き延ばせているのであればおそらく殴りきれるでしょう。≪コラガンの命令≫で回収して別のターンに使うという手段が取れる分≪大爆発の魔導士≫のほうが優れているとすらいえるかもしれません。2点与えられるという点も一回アタックできれば同じですし、そもそもトロン戦において一回きりの2点はそこまで重要ではありません。ゆえにほかのデッキ(バントエルドラージなど)でサイドインするときにブロッカーやアタッカーになれる≪大爆発の魔導士≫のほうが優秀だと思っています。

≪溶鉄の雨≫採用枚数:2~3枚
 上で説明したため省略しますが、≪大爆発の魔導士≫と比較した際の最大のメリットは「とにかく安い」ことです。数十倍以上の差があります。なので組んだばかりであればとりあえずこちらを買っておくのがよいと思います。

≪外科的摘出≫採用枚数:2~3枚
 黒1マナもしくはファイレクシアマナ(ライフ2点で支払える)で、いずれかの墓地からカードを1枚選び、それをその墓地のオーナーの手札、山札、墓地から任意の数追放できるインスタントです。対トロンにおいては≪大爆発の魔導士≫で記述したとおりの働きをします。そのほか墓地に落ちたデカブツを追放するのもよいでしょう(特にほぼ必ず4枚採用される≪解放された者、カーン≫はねらい目です)。小技として、土地破壊を持っていなくても≪思考掃き≫を相手にあててウルザ土地を墓地に落として追放する、ということもできます(基本的には≪思考掃き≫は自分に撃った方がよいですが)。ファイレクシアゆえに≪瞬唱の魔導士≫で土地からマナを出さずに使いまわせるのも覚えておきましょう。

≪塵への崩壊≫採用枚数:2~3枚
 無色3+赤1マナで≪大爆発の魔導士≫+≪外科的摘出≫を撃てるソーサリーです。これだけ書くと強そうですが、計4マナは致命的に重いです。最速トロンに対して先攻ですら間に合いません。ゆえにあまり採用されることはありませんが、≪大爆発の魔導士≫だけでなく≪外科的摘出≫も高いため、組んだばかりであれば入れないよりはよいと思います(≪大爆発≫+≪摘出≫ワンセット5000円くらいに対し≪塵への崩壊≫は80円程度)。

 土地破壊を用いる際の注意点ですが、相手に≪森≫がある場合は特に、特殊土地を封じた後でも順調に土地を伸ばされて≪忘却石≫を置かれて起動されて時間を稼がれ、≪カーン≫や≪ウギン≫を出されてしまうこともあるので、速やかにライフを削りきるのを目指しましょう。


≪軽蔑的な一撃≫採用枚数:2~3枚
 無色1+青1マナで、点数で見たマナコストが4以上の呪文を確定で打ち消すインスタントです。対トロンにおいてはデカブツすべてに刺さるので最も強いインスタントといえるでしょう。このほかヴァラクートやコントロールに対してもサイドインできるので最近はほぼ必ず2~3枚採用されます。
 対トロンで使うときの注意として、このカードはクリーチャーも打ち消せます。よって、ほかに非クリーチャー打消しを持っている場合PW(≪カーン≫、≪ウギン≫)に対しては撃たないようにしましょう。≪ウラモグ≫が着地して泣きます。

≪対抗突風≫採用枚数:1~2枚 
 基本的は説明はバーンの項を参照してください。対トロンにおいてもPWや≪忘却石≫を確定で打ち消せるので強力で、相手がトロン探しに四苦八苦しているならトロンサーチ呪文(≪探検の地図≫や≪森の占術≫、≪古きものの活性≫)にあてても十分な仕事をします。

≪儀礼的拒否≫採用枚数:2~3枚
 青1マナで無色呪文を確定で打ち消せるインスタント。カラデシュで追加された優秀な打消しです。≪致命的な一押し≫といいカラデシュ!すごい!本当にs(ry
 デッキがほぼ無色な対トロンにおいてはかなり万能な打消しとなります。欠色をもつ≪世界を壊すもの≫を打ち消せるのも忘れないように。初手では握れば握るだけ得なので3枚採用も枠があれば普通にありえます。親和に対してサイドインできるのもグッドです。

≪否認≫採用枚数:1~2枚
 無色1+青1マナの、ライフを奪えない≪対抗突風≫です。色拘束が緩いのと、≪対抗突風≫より断然安いのでたまに採用されます。

≪疑念の影≫採用枚数:1~2枚
 青黒好きな組み合わせ2マナで、このターンの山札からのあらゆるサーチを禁じる1ドロー付きインスタントです。≪探検の地図≫や≪森の占術≫など土地サーチを封じることができます。≪ウギンの聖域≫による後続サーチを封じることもできて地味に便利ですが、少しピーキーな性能のため採用されているのを見るのは稀です。1ドローはとても偉く、先置きされた≪地図≫を無効化できるのですが、たいていの場合1枚のサーチを封じるだけなので打ち消しと変わらない場合が多かったりするためです。


その他アーティファクト破壊が採用されることもあります。これに関しては親和の項で併せて説明したいと思います。

 (3)対ヴァラクート
 山が5つ以上ある際に、山を置くたびに≪稲妻≫と同じ効果が誘発するようになる土地、≪溶鉄の先鋒、ヴァラクート≫を用いて、素早く土地加速をして相手を焼き切るのがヴァラクートというデッキです。対トロンの場合と同様に土地コンボはかなり苦手です。メインの段階で≪呪文嵌め≫や≪呪文貫き≫、≪差戻し≫を採用している場合土地加速をはじいて時間を稼いで殴りきることも可能ではありますが基本的には非常に不利です。
 対策も対トロンとほぼ同じで、相手の特殊土地を削ったり(ただしうまい人は≪ヴァラクート≫を先にはおいてくれないのでこれを直接割るのは至難の業です。)、デカブツ(≪風景の変容≫、≪原始のタイタン≪裂け目の突破≫)や土地加速をはじいて時間を稼ぎ、先に削りきるのが優先となります。要するに「土地を伸ばさせない」ことが重要です。したがって、対策カードは以下のようになります。

≪大爆発の魔導士≫
 出してパパっと適当な特殊土地割って、終わりっ!3ターン目にこれを出すために1~2ターン目にはクリーチャーを出しておきましょう。

≪溶鉄の雨≫
 上に同じ。

≪外科的摘出≫
 対トロンと違って一番追放したいものがなかなか落ちてくれません。よって入れない場合もあります。≪思考掃き≫でのラッキーを狙うのは対トロンよりは少し有効となります。

≪血染めの月≫
上記2枚と違ってこれだけは≪ヴァラクート≫を封殺できます。しかし最近は土地加速から≪殺戮の暴君≫を出されて死ぬので土地加速妨害は忘れずに。

≪軽蔑的な一撃≫
先ほども書いた≪裂け目の突破≫≪原始のタイタン≫≪風景の変容≫は通したらかなりの割合で負けです。絶対に弾いてください。また≪約束の刻≫や≪ムウォンヴ―リーの酸苔≫にもあたります。

≪対抗突風≫
軽蔑的な一撃との違いは≪原始のタイタン≫に当たらない代わりにライフを削りつつ軽量土地加速呪文にもあてられるところです。どんどん打ち消しましょう。

≪疑念の影≫
土地サーチの塊みたいなデッキなので対トロンより有効となります。ただ打ち消しでよいというのも変わりません。

(4)対親和
 0マナや1マナ小型アーティファクト、アーティファクトクリーチャーを並べて≪鋼の監視者≫≪エーテリウムの達人≫≪電結の荒廃者≫≪頭蓋囲い≫などでクリーチャーを巨大化、速やかに殴りきるというある意味モダンで最も素直なデッキです。シンプルゆえに強力で対処しづらいのですが、細かい除去や打消し、≪コラガンの命令≫を有するグリクシスデルバーは≪刻まれた勇者≫をはじけなかった場合を除き実はそこまで相性が悪くありません。したがって専用のサイドカードは1~2枚のアーティファクト破壊カードのみとなり、あとはアーティファクトクリーチャーが軒並み小型なため対ウィニーと兼用のカードをサイドインすることになります。対ウィニー兼用カードについては対ウィニーの項で詳しくは記述し、この項では名前のみ記します。

≪破壊放題≫採用枚数:1~2枚
 赤1マナでアーティファクトを1枚破壊するというシンプルなソーサリーです。特殊なのは複製という唱える際に決められたコストを任意の回数支払うことで同じ呪文のコピーをスタックに乗せる能力を持ちます。≪破壊放題≫の複製コストは赤1マナです。よって赤マナの分だけアーティファクトを破壊することができます。コピーの作るという性質上打ち消されにくいのがメリットで、一方赤マナを大量に出せない場合は破壊できる枚数も減ってしまいます。しかしそもそも大量のマナが出ないグリクシスデルバーではあまり差がありません。
 対トロンでは序盤のマナフィルターや≪探検の地図≫、中盤以降の≪ワームとぐろエンジン≫を破壊できるなどその軽さが活かせます。

≪粉砕の嵐≫採用枚数:1~2枚
無色2マナ+赤2マナですべてのアーティファクトを破壊し、再生させないという効果を持つソーサリーです。コストが重く小回りが利かないのが難点ですが、≪溶接の壺≫による再生を許さず、≪破壊放題≫に比べると色拘束が緩いのが魅力です。
 対トロンでは重すぎて話になりません。

≪汚損波≫採用枚数:1~2枚
 赤1マナで自分のコントロールしないアーティファクト1枚を破壊するか、超過コスト無色4マナ+赤1マナを支払うことですべての自分のコントロールしないアーティファクトを破壊するかを選べるソーサリーです。≪粉砕の嵐≫に比べて小回りが利きますが、超過コストは≪粉砕の嵐≫よりも無色1重く、再生も許す分器用貧乏です。最大のメリットは安いことです。
 対トロン戦を優先に考えた場合、全破壊モードで親和も見つつ元のコストの軽さから序盤を妨害できるという点で優秀と考えることもできます。

≪力ずく≫採用枚数:1~2枚
 赤1マナ+無色XマナでX枚のアーティファクトを破壊するソーサリーです。これは≪破壊放題≫に似ているのですが、比較すると破壊したい枚数+1マナ必要な分単純なマナの必要量は1多く、代わりに色拘束は非常に緩いです。≪破壊放題≫とどちらかがいいかは意見が分かれるところですが、フェッチランドからの土地の持ってきかた次第で赤マナの数は調整できる分≪破壊放題≫のほうが少しだけ上だと個人的に思っています。
 対トロン戦においては後攻初手で先手1ターン目におかれた≪探検の地図≫を破壊できない分≪破壊放題≫や≪汚損波≫に劣ります。

≪鞭打つ触手≫採用枚数:1枚
 対ウィニーサイドは対ウィニーの項で説明するといいましたが、このカードのみ少し特殊なので解説します。
 無色1+黒2マナで全体に-2/-2修正を加えます。マイナス修正ゆえに再生を許さないのも特徴ですが、それだけでは3点与え死亡したら追放する≪神々の憤怒≫のほうがよいです。このカードの特筆すべきポイントは欠色能力です。これはこれを持つ呪文を無色として扱うという能力なのですが、これによりプロテクション:有色の呪文(プロテクションは:の後にかかれた条件を満たす呪文からアタック・ブロックされず、ダメージを与えられず、対象にならず、エンチャントされず、装備できないという能力です)をすり抜けられるので≪刻まれた勇者≫を除去できるという点です。そのため親和が多いと予想される場合サイドとして使われることがあります。

≪イゼットの静電術師≫
≪神々の憤怒≫
≪仕組まれた爆薬≫

≪儀礼的拒否≫
 対トロンで説明したのと同じです。

≪コラガンの命令≫採用枚数:1~2枚
 メインからさらに追加用としてサイドに入れられる場合があります。親和にはほぼすべてのモードが有効なので当然サイドインされます。あとは詳しくはメインボードの回を参照してください。

(5)対ドレッジ
 ドレッジというのはドローの代わりにそれを持つ呪文を墓地から回収し、決まった分のカードをデッキトップから墓地に落とすという能力です。これを用いてどんどん墓地を肥やし、墓地から落ちた時に誘発する能力や何らかの条件で何度も墓地から蘇る大量のクリーチャーで殴ったり、墓地を大量に追放することで大量ダメージを与えられる≪燃焼≫で焼き切ったりするデッキです。よって最も有効な対策は墓地の追放となります。しかしグリクシスデルバーは自身も墓地を利用するデッキであるため、相手の墓地のみを追放できるカードが用いられます。また手札を入れ替える呪文、いわゆるルーティングを多用するデッキであるため、それを打ち消せるカードも有効となります。グリクシスデルバーはメインから打消しをそれなりに採用し、殴るスピードも遅くないため墓地へのカードの落ち方次第ではルーティングをはじき切り先に殴り勝つこともできるため、専用サイドは少なめです。また、≪秘蔵の縫合体≫を除き場に出るクリーチャーのほとんどがウィニーのため対ウィニーサイドが入れられる場合もありますが、再展開のスピードの差から≪イゼットの静電術師≫≪神々の憤怒≫を除きあまり有用であるとは言いづらいです。

≪虚無の呪文爆弾≫採用枚数:1~2枚
 無色1マナで、タップして生贄にささげることで対象のプレイヤーの墓地をすべて追放するアーティファクトです。加えて墓地に落ちた時に黒1マナを支払うことことで1ドローもできるため腐りにくく優秀です。マナがなくとも墓地追放はできるため、ドローを惜しんで使いどころを間違えないようにしましょう。追放できるのは一回だけのため、墓地を貯めなおされてしまうのが欠点です。

≪虚空の力戦≫採用枚数:3枚
 無色2+黒2マナで対戦相手の墓地にカードが落ちる際それを追放するようにできるエンチャントです。ただしゲーム開始時に手札にある場合コストを支払わずに唱えることができます。先ほど専用サイドは少なめといったのにもかかわらず3枚なのはこのためです。コストを支払わずにドレッジを完全封殺できるのは大変優秀ですが、複数引くと本当に邪魔です。ドレッジのように墓地さえ封じてしまえばほぼ怖いものがないデッキの場合は最強といっても過言ではありませんが、単純に墓地対策としてみた場合デッキに引きたくないカードをあまり入れたくないグリクシスデルバーでは≪虚無の呪文爆弾≫とは一長一短です。

≪外科的摘出≫
 1枚しか追放できないので特別有効というわけではありませんが、≪恐血鬼≫や≪秘蔵の縫合体≫のように簡単によみがえる厄介なクリーチャーを一気に追放できるのが魅力です。

≪対抗突風≫
 ルーティング呪文、もしくは≪燃焼≫をはじきましょう。

≪イゼットの静電術師≫採用枚数:1枚
 詳しい能力は対ウィニーの項で解説しますが、≪恐血鬼≫を封殺できたり≪ナルコメーバ≫や≪傲慢な新生子≫を破壊できることから有効です。

≪神々の憤怒≫採用枚数:1~2枚
 こちらも詳しい能力は対ウィニーの項で解説しますが、死亡したクリーチャーを追放する能力から、墓地からの復活を阻止できるため有効です。≪イゼットの静電術師≫と違い自陣も巻き込むため使うタイミングには注意しましょう。


(6)対コントロール
 実は対コントロール用のカードはここまでに主なものはほぼ出尽くしてます。つまり追加の打消しです。コントロールとの対戦の要点はいかに致命的な除去をはじき(特に≪至高の評決≫を除く全体除去)、いかに大事な呪文への打消しをはじき、いかに相手の脅威をはじくか、ということになってきます。サイドボーディングというよりプレイングがより大事になってくるマッチアップです。とはいえそれではこの項の意味がなくなってしまうので解説していきます。

≪払拭≫
 対コントロール最終兵器です。採用枚数の2倍の回数(≪瞬唱の魔導士≫をカウント)だけ、青1マナですべての打消しに勝つことができます。よっていかにこのカードをうまく使うかが重要になってきます。絶対に通したい呪文を通すため、もしくは絶対に通したくない呪文を通さないために使ってください。

≪対抗突風≫
 打消しに加えてフィニッシャーとなるPWをはじくこともでき、ライフも削ることのできるこのカードは当然有効です。払拭と比べて重く色拘束が強いので使うタイミングには注意してください。

≪軽蔑的な一撃≫
 ≪謎めいた命令≫や、重めのPW、その他フィニッシャーとなる重量級クリーチャーを確定で打ち消すことができるのでとても有効です。場合によっては≪払拭≫と同じかそれ以上に重要であるといえるでしょう。

≪イゼットの静電術師≫
 青絡みのコントロールの場合たいてい採用される≪瞬唱の魔導士≫や≪ヴェンディリオン三人衆≫、グリクシスコントロールの≪若き紅蓮術師≫などを封殺できるためそこそこ有効です。

(7)対ウィニー
 いよいよ最後の項となります。対ウィニーに関しては全体除去や継続的に除去をできるカードが有効なサイドボードとなります。よって以下のようなカードが採用されます。

≪イゼットの静電術師≫採用枚数:1枚
 無色1マナ+赤青それぞれ1マナで、0/3、瞬速を持つクリーチャーです。重要なのがその能力で、タップすることで対象のクリーチャーとその同盟クリーチャーすべてに対して1点ダメージを与えます。この能力と瞬速により、相手のアタックに合わせて唱え、パワー2以下をブロックしつつタフネス1のクリーチャーを破壊する、ということができます。さらにタフネス3や4のクリーチャーに対して能力を使うことで、それぞれ≪コラガンの命令≫と≪稲妻≫の射程圏内にすることができたりほかのクリーチャーでチャンプブロック(一方的に倒されるとわかっていてブロックすること)し、このクリーチャーを瞬速で出してとどめを刺す、なんてこともできる非常に器用なカードです。使うとわかりますがものすごく強いです。イゼットは最高だってはっきりわかn(ry
 ≪未練ある魂≫もこれ1枚ですっきり!親和の細かいアーティファクトクリーチャーや並んだエルフ、ヘイトベアーズやデスタクの≪スレイベンの守護者、サリア≫をはじめとした厄介なクリーチャーも破壊し、≪極楽鳥≫や≪貴族の教主≫も即全滅!イゼット!すごい!本当にすごi(ry。
 対コントロールや同型において自分の≪瞬唱の魔導士≫を巻き込んでしまったりするのはご愛敬。

≪神々の憤怒≫採用枚数:1~2枚
無色1+赤2マナで全体に3点ダメージと、そのターン巻き込まれたクリーチャーが死亡するなら代わりに追放するという能力をもつソーサリーです。色拘束は重いものの追放効果はとても優秀で、再生を禁じたり、死亡時の能力、特に頑強や不死といった蘇る能力を持ったクリーチャーを封殺したりできます。ただし自軍も探査クリーチャー以外はすべて巻き込まれて死亡するという点には注意してください。

≪鞭打つ触手≫採用枚数:1~2枚
 親和の項で説明したため詳細は省きます。マイナス修正と欠色により様々な耐性を持つクリーチャーを除去できるのが強みで、その代わり≪神々の憤怒≫より範囲が狭いのが欠点です。

≪仕組まれた爆薬≫採用枚数:1~2枚
 無色Xマナで、烈日というコスト支払い時に払ったマナの色の数だけカウンターが乗って場に出る能力を持ち、無色2マナ払い生贄にささげることで乗っているカウンターと同じコストを持つパーマネントをすべて破壊するアーティファクトです。破壊範囲を調節できること、インスタントタイミングで起爆できること、0マナでおくことでトークンを2マナで一掃できること、パーマネント破壊なのでエンチャントやアーティファクト、さらにはPWまでも破壊することができるのが魅力です。グリクシスデルバーにはアーティファクト回収手段がないため≪思考掃き≫などで一度墓地に落ちると使えなくなるのが難点ですが、≪未練ある魂≫≪ワームとぐろエンジン≫などの厄介なトークンや、エンチャント、特に致命的となる≪安らかなる眠り≫、また≪ヴェールのリリアナ≫をはじめとする厄介な3マナPWを除去できるのは強力です。さらに、ヘイトベアーズや5色人間、エルフ、マーフォークなど、クリーチャーのコスト域が固まったデッキに対しても有効です。
 注意点として、これを唱える際は多色土地から出すマナの色をしっかり宣言しましょう。

≪最後の望み、リリアナ≫採用枚数:1~2枚
 無色1+黒2マナで、+1能力で最大1体の対象を選び-2/-1修正、-2能力で自分のデッキトップから2枚墓地に落としたうえで自分の墓地の任意のクリーチャー一体を回収、-7能力で「自ターン終了時に場の2/2ゾンビトークンの数+2体の2/2ゾンビトークンを生成する」能力を持つ紋章を得るという3つの能力を持ったPWです。基本的に+能力を連打してクリーチャーを除去、ないしは弱体化させつつ忠誠度をため、-7能力、通称奥義によって紋章を得ることで大量のゾンビを生成しフィニッシャーとする、というのが使用法となります。
 ウィニーを毎ターン1体除去しつつ勝ち手段にもなる、というのが非常に強力で、デッキによってはこれを全力で守って奥義をうつことを勝利条件としてゲームを進めていくこともあります。ですが、やはりそのコストと色拘束からメインに採用するのは難しいためサイドからの採用となります。このカードが有効にサイドインできるのは基本的に相手のリソース獲得手段は多くないがクリーチャーの殴り合いでは間に合わず、守りに徹した方がよい場合が多くなります(同盟者や5c人間、ヘイトベアーズなど)。白黒トークンやアブザンに対しても≪未練ある魂≫対策で入れるのですが、1ターンに一体しか除去できないためたいていは時間稼ぎにしかならず数で攻められあえなく破壊される場合が多いです。しかし、刺さるデッキに対しては本当に1枚で勝てる良カードです。



 さて、以上でサイドボードの説明はすべてとなります。また思ったより多くなってしまったため自分のレシピの解説は先送りです(いつになるやら)。このカードも有効だよ、こんなのは入らないのという質問があればどんどんコメントや、Twitterのめるにあ(@melnia_coj_mtg)までリプください。見落としている場合や気づいていないことも多々あります(ポンコツ)。
 来週は少し忙しいため次回の更新は少し遅れてしまうと思いますが、次はマッチアップごとの解説を、今回できなかったところやしなかったアーキタイプを重点的にしていきたいと思います。
ではまた次回、おやすみなさい・・・

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