どうも、第五期東海王ことめるにあです。・・・本当かよ。いまだにちょっと信じられない感じがします。mtgを初めて早二年、まさかこんな栄冠に輝ける日が来るとは・・・。はじめる事を勧めてくれた友人、色々とアドバイスをくださった方々には感謝しかないです。
 さて、そんなわけで自分を優勝に導いてくれたデッキ、URドレイクの紹介をしたいと思います。本人が感覚でプレイしておりその言語化も兼ねているので文章が雑になるのはご容赦を。あと理系だからねうん(適当)


1.リスト

https://www.mtggoldfish.com/deck/1484429#paper

 すみません、上手いことリストをコピーできなかった(そして手打ちが面倒だった)ので、金魚のURLでご容赦を。晴れる屋でリストが出たらまた編集しようと思います。
 名称としてはUR drakeと名付けていますが、アーキタイプとしてはブルームーン辺りになると思います。しかし、コントロールというよりはミッドレンジよりの構築となっています。コンセプトは、「適度に相手をいなしてお手軽なバケモノで叩き潰そう」です。よって≪謎めいた命令≫を削ってまでフィニッシャーである≪弾けるドレイク≫の枚数を優先し、追加のバケモノとして≪氷の中の存在≫を採用しました。

 さて、概要はこのくらいで、1枚ずつ少し詳細な解説を入れていきます。ちょくちょく不採用にしたカードとその理由も書いていきたいと思います。


(1)メインボード

土地(22):22という枚数はフラッドとスクリューの境界線あたりの数です。自分はフラッドが本当に嫌なので22にしました。

・基本土地:島6,山1

 一般的なリストでは≪島≫7が多いですが、≪さまよう噴気孔≫を採用したため6となっています。

・フェッチランド:赤青4,青黒2,青白2
 一般的なものと同様です、一応≪真髄の針≫を警戒して種類を散らしてあります。≪霧深き雨林≫がないのは・・・お財布の問題です()

・ショックランド:赤青2
 一般的なものと同様です。土地からのダメージを減らすため2枚です。ショックインはあまりしません。

・M10ランド:赤青3
 一般的なものと同様です。山も島もないことはほぼ無いので基本アンタップインできます。

・さまよう噴気孔1
 このデッキの隠れたイケメンカードです。強制タップインは少しつらいですが、このデッキは基本構えるのは2マナあれば可能なので2Tで置くことにならなければ基本的に問題ないです。
 中盤以降マナフラッドになったときの殴り役、終盤の押し込み要員、急場でのブロッカーなどなどとても器用です。動かすのに実質5マナかかるものの4/1 or 1/4というスタッツ故これを除去するスマートな動きは≪致命的な一押し≫しかなく、≪流刑への道≫やら≪暗殺者の戦利品≫やらを切ってくれるのであれば≪弾けるドレイク≫への対処札が一枚減ったということなので万々歳です。4点という打点は相手からしても無視できませんしね。

・僻地の灯台1
 最近採用が減っていることもあると噂の赤青御用達土地です。個人的にはこれが不採用なのはありえません。赤青最強のマナフラ対策といっても過言ではないです。不要な土地を捨てる、ドレイクのパワーを増やすなど本当に便利。無色なせいでドレイクが出なかったりすることもありますがそこはご愛敬。コントロールなので少し出すターンが遅れても大きな問題はないです。


クリーチャー(10)

・瞬唱の魔導士3
 コントロールには不可欠のこのクリーチャーですが、このデッキには3枚のみの投入です。もちろん初期は4で回していたのですが、まあ墓地が足りない!なんせ≪論理の結び目≫に≪収穫の火≫まで入っていますから。さらに、このカードの強みは2/1のクリーチャーがついていることなわけですが、このデッキは相手を殴ることに関しては2~3ターンで終わらせられる2種類のバケモノが入っていますから、そこまで重要とはなりえません。したがって3枚のみの採用となりました。こちらを2枚にして≪任務説明≫1枚と差し替えてもいいとすら思っています。

・氷の中の存在/目覚めた恐怖3
 中野くんこと、バケモノその1です。実はこのデッキの主役なんじゃないか説もあります() 東海王も何度これで勝負が決まったか・・・最近の青赤コントロールにほぼ必ず採用されているだけのことはあります。
 このデッキへの採用理由としては、≪思考掃き≫でドレイクが墓地に落ちてしまうリスクへのケア、序盤の壁、横並びデッキへのアンチカード、ブン回り要員という感じです。2T中野くん1号、3T中野くん2号&1コススペル、4T≪稲妻≫2発&2コス以下のスペル、と動くと4Tキルです。そうそうあるわけでもないですが、妨害の少ない相手には狙っていきたい動きです。 
 また、0/4というスタッツの除去のしづらさから、これを相手が苦労して除去したところにドレイクを叩きつけるという動きが強力です。3枚に抑えているのは枠がないからと、ドレイクを4枚採用したいからなので、お好みでドレイクを3枚、こちらを4枚にしてもよいと思います。
 氷カウンターが1の時に相手の生物に除去を打つとスカされて悲しい気持ちになるので気を付けましょう。あと最後の氷カウンターどける誘発にスタックして除去、特に火力はもう一枚スペル唱えればもう一度変身が誘発するので変身させて全バウンスを誘発させてから受けることができます。


・弾けるドレイク4
 デッキ名、主役、赤青でやろうと思った理由です。キャントリップがまあー偉い!追放領域を参照するのはもっとえらい!正直バグです。大抵の場合はパワー5~6くらいで出てきますが、少し経つと10程度まではたやすく育ちます。飛行なのでそう簡単には止められません。もし除去されてもこちらは既にアドを取り返しています。とっとと次のフィニッシャーを出すだけです。出してターンが帰ってきてしまえば打消しで少し妨害をかけて2~3回殴れればもうゲームエンドです。色拘束は少し厳しいですが本当に素晴らしいカードです。もうイゼット団にジェイスは必要ないのです。ていうか意外と書くことないなこのカーd

スペル(28)

・血清の幻視4
 定番カードです。あまり説明する子もないですが、しいて言うならこのデッキはドレイクや謎めいた命令のために色拘束が少し厳しいです。よって序盤はしっかり土地を持ってきましょう。青青赤赤が出るならそれ以降は下に送ってしまって構いません。

・思考掃き4
 墓地を大量に食うデッキには必須のカードです。カード単体としては選択のほうが明らかに強いですが、ドレイクの性質や≪論理の結び目≫および≪収穫の火≫といった墓地を食うカードの存在により、採用せざるを得ません。
 基本的には雑に使ってしまってよいです。相手が占術で上にカードを積んだときは叩き落してもよいですね。

・稲妻4
 言うまでもない赤代表カード。このデッキでは主に除去、ドレイクや中野くんでトドメをさす際のみ顔面に打ちます。

・呪文嵌め1
 最強クラスの打消し(と個人的に思っている)1枚。ただし打ち消せる先は限定されています。BG系に突き刺さりますので多い場合は2枚にしてよいでしょう。というか東海王決定戦始まる30分前まで自分も1枚か2枚か迷っていました。

・差し戻し4
 スーパー便利カード。時間稼ぎをしたり打ち消されそうな自分のスペルを戻したりそうでなくても自分のスペルを戻して中野くんの氷を減らしたり。あとドローついてるので土地を引っ張ってくる安定剤になってたりもします。打消し先に制限がないのって本当に偉いですよね。
 相手が色拘束きついカードを使ってきた場合には唱えなおしができないこともままあるので相手の土地はよく見ておきましょう。月を置いた後ならなおさら。

・論理の結び目2
 平成のカンスぺ(mtgは平成定期)。墓地だけでなくマナでもコストを払えるのは忘れがちだけど大事。他に構えときたいものがなければブラフはあまりせずにできるだけマナで支払います。墓地のご利用は計画的に。

・収穫の火2
 赤青の数少ない大型除去。でもわりとX=1でうったりもします。こちらはマナではXを変えられないので注意。対象のタフネスが増える可能性があるときはケチらずXを少し大きめにしましょう。あとX=0で中野くんに打って氷を減らすオシャレテクも割とよくやります。

・削剥1
 個人的にはあまり好きではありません。だって3点しかとばない癖に生物も茶色もないと腐るんだもん。でも追加除去兼メインのファクト対策として入れざるを得ないので1枚のみ採用。ホロウワンはやめて。≪収穫の火≫で何とか頑張ってください。

・電解2
 赤青の好みでるシリーズの一員。昨日もそれでブルームーン界隈で大規模な論争が起きました()。個人的には2枚ほしいと思います。理由としては、このデッキは≪神々の憤怒≫をメインに採用していないのもあって小粒にわらわらされるのが本当に嫌なのでその対策兼、キャントリによるデッキ回し兼、最後の押し込みとしての追加火力と非常に器用だからです。そろそろフルアートfoilがほしいかなあなんて思ったり思わなかったり。

・血染めの月2
 赤青をやる理由の一端。トロンやヴァラクートはもちろん、3色以上のデッキには大抵刺さります。これだけゲームが決まることもあるのでメインから採用。このデッキはわりと勝ち筋が太いのでこれが効かない相手でもそこまで痛くないですしね。自分の≪噴気孔≫および≪灯台≫も死ぬのと、青2はできるだけ確保したうえで張りたいというのは覚えておきましょう。≪謎めいた命令≫に関しては最悪島3枚目引くまで腐ってもよいです。どうせ相手は自分より色でなくて苦しんでるし。その間にどっちかのバケモノで殴り殺せばいいんですよ()

・謎めいた命令
 打消し代表。キングオブ器用なカード。カウンタードローが基本で、タップドローでドレイクや中野くんの攻撃を通したり、バウンス+何かで≪突然の衰微≫などの打消し不可除去への対処なんかもできますね。ただしドレイクのところでも書きましたが4マナなので採用は2枚のみ。ここに関しては中野くんとドレイクの枚数の時と違ってドレイク3、≪謎めいた命令≫3にするのはあまりオススメできません。このデッキはあくまで殴り勝つのが目的なので、エンドカードを削ってサポートを増やすのは本末転倒だからです。あと月も相まって色拘束も厳しい。どうしても3にしたいのであれば≪電解≫辺りを減らしましょう。



(2)サイドボード

・儀礼的拒否1
 トロン・親和・エルドラージ対策。ことそれらにおいては他の追随を許さない最強打消しです。しかしあて先は限られているので1枚のみ。トロンやエルドラージは≪月≫がありますし、親和は多めにつまれたピン除去が刺さりますからね。

・払拭2
 青対決定番のサイド要員。他にもインスタント8枚以上見えるなーって思ったら1枚は入れてもいいと思います。1マナで打てるのは正義。

・仕組まれた爆薬1
 全除去枠。人間やスピリットが仮想敵なので烈日2がメインです。烈日1で≪霊気の薬瓶≫も割れます。≪スレイベンの守護者、サリア≫などによって支払いコストを増やされた時も、例えば支払いコストX=1を宣言し、追加コスト含め2色で支払うことで烈日2で置けることは本当に大事なので覚えておきましょう。

・神々の憤怒2
 全除去枠2兼墓地対策の一つ。こちらは人間やスピリットに加えドレッジやホロウワンなど墓地利用系も仮想敵です。リアニや死亡誘発を防ぎます。破壊不能には効果ないらしいので覚えておきましょう(東海王中にジャッジに聞いた)

・渋面の溶岩使い1
 小型生物殺戮マシーン兼コントロールなどにおける追加火力要員。毎ターン2点飛ばせるの本当につっよい。メイン採用も検討してます。でも墓地くっちゃうので1枚。

・削剥1
 ファクト対策兼追加除去。サイドとしてはこのカード好きです。でも2枚は入れる枠がないのもあってしぶしぶメインと1枚ずつの採用。

・血染めの月1
 トロンや他特殊土地大量採用系には置けたらこのデッキはほぼ勝ちなので追加要員として入れてあります。

・イゼットの静電術師1
 赤青超定番サイド。人間やスピリットにはもちろん、マナクリを採用してるようなデッキなどにも刺さります。というかタフ1が8体以上見えるなら入れます。

・ピア・ナラ―とキラン・ナラー2
 通称夫婦。対BG系最終兵器。他全除去薄そうなミッドレンジ以下のデッキに対しては大抵強いです。1枚で3体出てきますしね。そのくせ飛行機械先に除去しようとするとじゃあって言って投げつけてくる鬼畜。本体が除去られても飛んでる2体がチクチクダメージを入れ続けるのが本当に偉い。ドレイクと変えることは少なく、大抵は中野くんとチェンジです。相手がコントロールならスペルとチェンジとなります。このデッキ相手に全除去ってあまりサイドインしようとは思わないでしょうしね。見た目の10倍は強いので一度使ってみてください。自分も最初は舐めてました()

・大祖始の遺産2
 墓地対策。BG系を強めに見ての採用です。いやだって身内にBG系が多すぎなんでs
 自分の墓地が飛んでもドレイクには何ら影響がないのは本当に偉いです。ドレイク最高!

・外科的摘出1
 墓地対策2。≪大祖始の遺産≫3枚目にしてもいいと思います。≪瞬唱の魔導士≫が入っているのもあって1枚だけ採用しました。ドレッジからキーカードを引っこ抜いてやりましょう。


(3)不採用になったカード

・尖塔断の運河
 序盤無条件でアンタップインしてくれる偉い子です。ただこのデッキでは≪さまよう噴気孔≫を採用しているため基本土地が減り、≪硫黄の滝≫がアンタップインしづらくなることを懸念して不採用、というか基本土地と交代です。≪硫黄の滝≫自身と交代すればいいじゃんというのは諸説ですが、ドレイクを出しながら打消しを構えられるようになる6枚目がタップインしたらキレます。

・ヴェンディリオン三人衆
 優秀なアタッカー兼ハンデスのようなことまでしてくれる優良クリーチャーです。ただし稲妻で落ちます。よって軽量火力が効かない脅威を≪流刑への道≫のような確定除去がなくなるまでたたきつけるというコンセプトと矛盾するので不採用。

・精神を刻むもの、ジェイス
 おかねがありません。だれかください。・・・は置いといてこれ以上の4マナ域の採用は無理です。サイドに1枚くらいならなくはなさそうといった印象。メインに散らすのはやったことないのでわかりませんがあまり強くはなさそう。出しても守れないです。

・マナ漏出
 序盤は非常に優秀ですが、後半基本はただの紙(もちろん有効に使える場面もありますが)。このデッキはゲームレンジを広めに見ているのもあって不採用です。

・焙り焼き
 飛行が焼けません。飛行が焼けないとドレイクが殴れません。あとソーサリー。

・噴出の稲妻
 キッカーの5でこのデッキがどこに打つかというとおそらく生物です。なら≪収穫の火≫でよいと自分は思います。≪ショック≫として小型も焼けるのでもし入れるなら≪電解≫1枚とチェンジです。この辺は好みです。


 大体こんな感じでしょうか。他になんでこれ採用してないのという疑問などあればコメントや、Twitterのアカウントへ質問してもらえればうれしいです。自分がそのカードの存在を忘れてたor知らなかった可能性もかなりあります()


2.使い方

(1)キープ基準

 このデッキのキープ基準はかなり雑です。ドローもフィニッシャー自体も多く入れてあるので大抵何とかなります。したがって意識するのは以下の2点です

・フィニッシャーはあるか、あるならばそれをサポートするもの(中野くんなら軽量スペル、ドレイクなら土地確保のためのドロー)はあるか

・相手の動きを多少なりとも妨害できるか(打消しや火力)

 以上です。どちらも満たしてなければマリガンです。片方でも満たしてれば割といけます。土地の枚数は先攻基準で1枚なら1コスドロー最低2枚かつ片方は≪幻視≫、2枚なら≪差し戻し≫含むドローが1枚以上、3枚以上なら基本キープです。後攻の場合はハンデスがありそうかつドロー2枚以下なら1枚キープはやめましょう。死にます(経験談)

 いろいろ書きましたが動けそうなら基本キープです。マリガンはやるべき時はやらないと死にますが気軽にやると一応コントロールなのでアウトです。


(2)プレイング

手順のようなものは特にないので自分が何となく意識していたことだけ。

・僻地の灯台がある場合を除き4T目には赤赤青青をそろえる

・中野くんは割と気軽に投げていい。とりあえず設置くらいの感覚

・ドレイクは1~2ターン後に自分の死が見えなければ積極的に投げる。相手にクリーチャーがいてもこっちのキルターンが上回っていれば勝ち。

・中野くんの氷溶かしてる間にできれば≪瞬唱の魔導士≫を置いとく。奴は基本スペルの水増しなので殴るより使いまわしたい。

・相手エンドに3マナあれば≪電解≫はとりあえず打つ

・中野くんのために軽量ドローを打たずに持っておくのはあまりしない。どうせ後続引く。

・≪噴気孔≫は大体土地7枚くらい並んだら殴り始める。ただし土地5枚でもお互い場が空で手札もあまりないなら構えるよりは起動して殴る。

・土地二枚立たせるときは青青で立たせる

・≪収穫の火≫は惜しまずX=2とかでも打つ、相手の盤面はできるだけきれいにしときたい


 こんな感じですね。今後思いついたら追記します。思ったより何も考えてなくて悲しくなっt


(3)サイドイン・アウト

 最後にサイドに関して。マッチアップごとに書くとまた(グリデルの記事参照)大変なことになるのでざっくりと箇条書きで2つほど。

・全般のアウトに関して
 大体≪思考掃き≫が抜けます。また細かいスペル主体の相手なら≪差し戻し≫が抜けます。あとは相手次第(生物が少ないから除去抜くとか)。 こちらが対応する側に回りそうならドレイクを1枚減らしたりします。ただ基本的にはこちらも生物で殴らないと勝てないので生物はあまり減らしません。サイド生物と入れ替えるときのみアウトです。生物を抜く具体例としては対BGで致命的な一押しがあるから中野くん抜いて夫婦イン、などです。


・≪月≫の増減
 基本割と減らします。あとは相手の土地の置き方次第です。警戒されているようなら1枚減らす、されてないなら全残しです。ブルームーン界隈では有名なことですが≪月≫はあまり信用できません。よってあまり頼りにしないようにしましょう。サイドカードのほうが有効な場合は本当に多くあります。ブルームーン界隈ってなんだよってのは禁句。


 

 簡単ですが解説としては以上になります。UR drakeは基本こそ青赤コントロールなもののまだまだ組まれ始めたばかりで未成熟なアーキタイプですので、これを読んで興味を持ち、色々な方が使って研究してもらえると自分はとてもうれしいです。また時間があれば、MOで自分が使っている廉価版のUR drakeも紹介したいと思うのでよければ読んでください。

 自分はしばらくちょくちょく晴れる屋名古屋店に出没する予定なので、その際はよろしくお願いします。では、また!


追記1:《思考掃き》について
このカード、URドレイクにおいてはパンプアップカードと捉えられがちです。たしかに自分も上でドレイクの性質のため入るとも書いたので全て間違いではありません。しかし、《巨大化》のようなコンバットトリックでは決してありません。あれはドローを進めながらドレイクのサイズが上がったらいいな、というカードであって、あくまで主な目的は《収穫の火》および《論理の結び目》の餌稼ぎです。なので例えドレイクが場にいたとしても、基本的に打つのは相手エンドor自分第1メインです。

 どうも、めるにあです。(文章量が)長いこと書いてきたグリデル解説、もとい土地16デルバー解説も今回で本当に最終回です、全部読んでくださった方いましたら本当に感謝の限りです。最近は諸事情であまり外出できないのでMOで廉価版赤青デルバーを回してるんですが、プッシュ終止がほしくて仕方ない場面の多いこと・・・!やはりグリデルはいいですね(ダイマ)

 そんなわけで土地16デルバーデッキガイド最終回、マッチアップ解説後半です。今回解説するデッキは以下の10個です。

⑪ヴァラクート(タイタンシフト、タイタンブリーチ)
⑫ドルイドコンボ搭載アブザンカンパニー
⑬マルドゥパイロマンサー
⑭≪ウルヴェンワルド横断≫入りジャンドシャドウ
⑮BGミッドレンジ(アブザン、ジャンド)
⑯ランタンコントロール
⑰呪禁オーラ
⑱ホロウワン
⑲青赤コントロール(マッドキャップ・ムーン、ブリーチエムラ)
⑳グリクシスコントロール

 ①~⑩までは前回の記事で解説しているので、未読の方はぜひ読んでください。



⑪ヴァラクート
Ⅰ.相性
ヴァラクートは≪風景の変容≫のみのタイプ、≪裂け目の突破≫を搭載するタイプなど種類はいくつかありますが、いずれにしても打消しや除去が刺さりづらいいわゆる土地コンボの仲間です。≪溶鉄の先鋒、ヴァラクート≫の誘発効果は打ち消せませんし、効果を誘発させまいと土地をサーチする手段の何割かは打ち消せてたとしても、毎ターンの土地セットや、残りの数割は防げません。そして防げずに≪溶鉄の先鋒、ヴァラクート≫が火を噴き始めるとこちらの戦線はあっという間に壊滅します。ついでにメインからの全体除去も少ないながら搭載されています。したがって不利です。
 しかし、同じ土地コンボのトロンほど早くなく、≪溶鉄の先鋒、ヴァラクート≫が火を噴き始めるまでは無防備なため、打消しとクロックがうまくはまるとメインをとれることもあるので絶望的というほどではありません。
 また、土地16デルバーには搭載していませんが、ヴァラクートには2マナの≪桜族の長老≫や≪遥か見≫、≪探検≫などが入っているため、≪呪文嵌め≫があると相性を緩和することができます。

Ⅱ.見分け方
怪しい:≪燃え殻の林間地≫、≪山≫
ほぼ確定:≪明日への探索≫待機、≪桜族の長老≫、≪遥か見≫

Ⅲ.立ち回り方
 メインは、ヴァラクートとわかったら最低限の打消しのみ構えてとにかく攻撃に全力を尽くしましょう。相手の引きが悪ければ攻め切れます。相手の土地が5枚以上になったら≪裂け目の突破≫からの≪原始のタイタン≫、もしくは≪原始のタイタン≫素出しを警戒して常に打消しか、最悪でも≪終止≫は構えておきましょう。ちなみに相手が最も早く立ち回った場合1T≪明日への探索≫待機、2Tマナ加速のいずれか、3T≪明日への探索≫待機明けで5マナがそろってしまいます。できれば土地加速1枚打ち消す=1ターン猶予を稼ぐ、ということになるのでこのうちのどれかは打ち消したいです。

Ⅳ.サイドインアウト

 アウト:≪稲妻≫4、≪致命的な一押し≫3、≪航路の作成≫1
  イン:≪大爆発の魔導士≫3、≪外科的摘出≫2、≪軽蔑的な一撃≫2、≪払拭≫1

 本体以外に打ちたいところのない≪稲妻≫、対象が実質0の≪致命的な一押し≫、打ってる余裕のない≪航路の作成≫が抜け、土地対策の≪大爆発の魔導士≫、セットの≪外科的摘出≫、相手の決め手段となる大型や、後述するサイド後からのライフゲイン生物への対策の≪軽蔑的な一撃≫、≪裂け目の突破≫やこちらの生物を狙う≪稲妻≫への対策として≪払拭≫が入ります。
 ヴァラクートはサイド後も相手にとって致命的となるカードがあまりなく、むしろ≪強情なベイロス≫や≪スラーグ牙≫などのライフゲイン付きブロッカーや≪神々の憤怒≫などの追加除去が入るので相性はあまり改善されません。≪溶鉄の先鋒、ヴァラクート≫が追放してしまえればかなり楽になるのですが、上手い人はそもそも誘発条件が整うまで場に出してくれないのです。もしヴァラクートが先においてきた場合、おかなければならないほど土地が足りないか、デッキに慣れていない人ですので、チャンスです。この場合は相手の土地加速をひたすらはじき、≪大爆発の魔導士≫≪外科的摘出≫のコンボを決めてしまえばほぼ勝てます。そうでない場合は、≪大爆発の魔導士≫でひたすら土地を壊して時間を稼いでいる間に、メインと同様素早く攻め切ってしまいましょう。中盤まで長引いた場合は≪コラガンの命令≫で本体に2点とばしながら≪大爆発の魔導士≫を回収して自分の死期を延ばしながら〆ます。


⑫ドルイドコンボ搭載型アブザンカンパニー
Ⅰ.相性
 低マナの強生物を出しながら≪献身のドルイド≫≪療治の侍臣≫コンボを狙うこのデッキは、≪未練ある魂≫や除去が入っていることが少ない分アブザンカラーの中でもかなり対処がしやすいです。こちらは除去が豊富なので、放置するとまずい生物(コンボパーツや≪漁る軟泥≫、マナクリーチャーなど)を適宜除去し、≪集合した中隊≫≪召喚の調べ≫を打消しながらのんびり攻撃していれば大体勝てます。このマッチアップでの≪コラガンの命令≫はほぼ確実に盤面アドと手札アドを稼ぐので鬼のように強いです。≪瞬唱の魔導士≫で使いまわしてやりましょう。
 一応警戒しなければならないのは1Tマナクリ、2Tフェッチランドからの≪改革派の結集者≫、そして≪集合した中隊≫やらの連打などの高速ルートです。この場合間に合わないことがあり得るので、マナクリは確実に破壊しましょう。

Ⅱ.見分け方
 怪しい:≪極楽鳥≫≪貴族の教主≫≪漁る軟泥≫
ほぼ確実:≪献身のドルイド≫≪療治の侍臣≫

Ⅲ.立ち回り方

 ほぼ相性の欄で述べた通りとなります。除去をマナクリーチャーやコンボパーツに当てながら半コントロールのようにゆっくりと対応すればOKです。焦って攻める必要はないので、探査クリーチャーは相手が全滅するまでは壁扱いで、デルバーのみで殴る、という動き方で問題ありません。

Ⅳ.サイドインアウト

 アウト:≪思考掃き≫4、
  イン:≪最後の望み、リリアナ≫1≪払拭≫1、≪外科的摘出≫1、≪イゼットの静電術師≫1

 急いで攻める必要がないため≪思考掃き≫4枚を抜きます。そして、小型対策兼フィニッシャーとなる≪最後の望み、リリアナ≫、同じく小型対策の≪イゼットの静電術師≫、≪集合した中隊≫≪召喚の調べ≫、またサイドから入るであろう≪流刑への道≫対策として≪払拭≫、コンボパーツを追放する≪外科的摘出≫が入ります。
 サイド後は相手の除去が増えますが、こちらの除去もまた強烈なものが増えるので依然有利です。また、うまくドルイドコンボの片方が追放してしまえればあとはもう弱体化したアブザンでしかないので相当楽になります。ただし無理に狙う必要はないので条件がそろえば、くらいの気持ちでOKです。

⑬マルドゥパイロマンサー
Ⅰ.相性
 この間知り合いの方にマルドゥパイロマンサーで相手をお願いし、対マルドゥパイロマンサーを体験したのですが、かなり不利です。トロンほど絶望的ではないですが、体感3:7くらいの相性だと思います。
 原因としては、こちらが苦手とするハンデス(キャントリ、打消し、多いとは言えない生物が叩き落される)が大量に入っている、同じく苦手とする≪未練ある魂≫の存在、≪信仰無き物あさり≫も含めたフラッシュバックや≪騒乱の歓楽者≫によるドローによるリソース確保の違い、といったことがあげられます。さらにはメインからの≪集団的蛮行≫、≪血染めの月≫も絶妙に突き刺さります。とにかく、正面からあたって真っ向勝負で負けてしまう以上、かなりどうしようもない、と言わざるを得ないと思います。

Ⅱ.見分け方
 怪しい:≪黒割れの崖≫、≪血の墓所≫、≪信仰無き物あさり≫(≪未練ある魂≫を捨てたなら確定)、≪沼≫からの
 ≪思考囲い≫≪コジレックの審問≫
ほぼ確定:≪黒割れの崖≫≪血の墓所≫からの≪思考囲い≫≪コジレックの審問≫、赤と黒の土地からの≪若き紅蓮術師≫

Ⅲ.立ち回り方
 ほぼ間違いなく初手でハンデスが飛んできます。この後も定期的にハンデスが飛んでくるため、手札はほぼバレているものとして立ち回らなくてはなりません(≪渦巻く知識≫をください)。とにかく探査生物を出すことが最優先です。これだけは、マルドゥパイロマンサーは≪流刑への道≫がないため相手の対処手段は≪終止≫もしくは≪戦慄堀り≫の2~3枚に限られます。出したら、他の生物も余裕があれば展開しますが基本的には探査生物を守りながら攻めます。相手の≪若き紅蓮術師≫は見たら即除去してください。探査生物が止まってしまいます。飛行持ちのデルバーも≪未練ある魂≫で簡単に止められて≪稲妻≫≪致命的な一押し≫で除去されてしまうため頼りになりません。
 また、≪騒乱の歓楽者≫に着地されてしまうと、基本的には3/4なのですがほぼ毎ターン平均2枚はインスタント・ソーサリーを唱えられてしまうため5/6で殴りかかってくることが多く、対策が限られてしまう上にライフもかなり早く攻められてしまうため打ち消せないとかなり不利となります(ハンデスとセットなことが多いので難しいですが)。着地されてしまった場合は≪終止≫、≪稲妻≫+ブロックor追加の火力で早めに処理しましょう。2体同時に並ばれるとほぼ負けです。

Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪思考掃き≫4、≪秘密を掘り下げる者≫2
  イン:≪虚無の呪文爆弾≫1、≪外科的摘出≫2、≪最後の望み、リリアナ≫1、≪払拭≫1、≪イゼットの静電術師≫1、≪仕組まれた爆薬≫1

 リソース勝負になるので≪思考掃き≫すべて、相手の除去すべてに弱いので≪秘密を掘り下げる者≫2枚を抜きます。代わりに墓地対策3枚、小型対策の≪最後の望み、リリアナ≫、≪イゼットの静電術師≫、トークン対策の≪仕組まれた爆薬≫を入れます。≪騒乱の歓楽者≫が4枚入っていることを加味して、デルバーもう1枚抜いて≪軽蔑的な一撃≫を入れるのもよいかもしれません。
 サイド後は相手も墓地対策を積み、探査生物が出しづらくなるため相性は大きく変わりません。以前対戦した時はレシピの調整で≪最後の望み、リリアナ≫が入っていなかったのですが、≪戦慄堀り≫さえ対処できればかなり長く残れる可能性があるのでこれが突破口となる可能性はあります。神ジェイスやちあみんの解禁で相対的に弱体化し、減るかもしれないらしい、というのが救いでしょうか(代わりにトロンが増えるので依然環境は厳しいのですが)

⑭≪ウルヴェンワルド横断≫入りジャンドシャドウ

Ⅰ.相性
 基本的にはグリクシスシャドウと同様ですが、≪瞬唱の魔導士≫がない分リソース量的には対処しやすいので、相性的には微不利です。デッキ名の≪ウルヴェンワルド横断≫によりドローの質は高いですが、グリデル、特に土地16デルバーに関してはドローの質の勝負はあまり問題になりません。ただし、代わりに≪タルモゴイフ≫がはいっているので≪致命的な一押し≫の重要度が大きく上がり、これを引ける枚数がかなり勝敗を左右します。また、≪突然の衰微≫により小型生物が破壊されやすい反面、探査生物の除去は≪四肢切断≫か≪ヴェールのリリアナ≫の2~3枚と少なくなっています。

Ⅱ.見分け方
 怪しい:≪血の墓所≫≪草むした墓≫ショックインからの除去、ハンデス、≪残忍な剥ぎ取り≫
ほぼ確定:≪血の墓所≫≪草むした墓≫ショックイン(&≪ミシュラのガラクタ≫or≪通りの悪霊≫サイクリング)、≪ウルヴェンワルド横断≫

Ⅲ.立ち回り方
 おおまかな構造はグリクシスシャドウに似ているのですが、最大の差は≪死の影≫の他の生物が≪タルモゴイフ≫であることです。これにより2ターン目から攻めてくることが多くなります。リソースの確保は得意でないデッキなので除去と打消しをドロー操作で集め、探査生物、特にカードアドバンテージの稼げる≪黄金牙、タシグル≫の着地を目指しましょう。
 また、ジャンドとはいっても青をタッチし≪頑固な否認≫を3枚以上積んでいることが多いので、除去や打消しを打つときは注意します。≪ヴェールのリリアナ≫≪最後の望み、リリアナ≫が定着してしまうと少し厳しくなります。除去としては使いづらいであろう≪稲妻≫を惜しみなく打ち込んで素早く除去したいです。

Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪思考掃き≫4 
  イン:≪払拭≫1、≪仕組まれた爆薬≫1、≪虚無の呪文爆弾≫1、≪外科的摘出≫1

 リソース勝負になることと、≪タルモゴイフ≫の成長を助けてしまうため≪思考掃き≫を抜きます。代わりに、除去や≪頑固な否認≫対策の≪払拭≫、追加の除去兼PW対策の≪仕組まれた爆薬≫、墓地対策が2枚となります。≪外科的摘出≫が1枚なのは、≪タルモゴイフ≫は1枚追放しても効き目が薄く、≪瞬唱の魔導士≫もあって1枚程度なためです。基本的には≪タルモゴイフ≫や≪死の影≫を追放し、相手の勝ち筋を減らすことを狙います。
 サイド後はこちらが入れられるものが少ない反面、相手もこちらに突き刺さるものが≪コジレックの帰還≫≪光輝の炎≫≪集団的蛮行≫と対処しやすいものなので相性は五分になるくらいです。メイン、サイドともに一手一手が重要なマッチアップとなります。

⑮BGミッドレンジ(ジャンド、アブザン)
Ⅰ.相性
 ともにクリーチャーが強く、かつリソース勝負になるマッチアップです。主にこちらが対処に回ることになったり、アブザンは≪未練ある魂≫を備えるなど、総合的に微不利となるマッチアップです。ジャンドは少し前はそこまで厳しくはなかったのですが、最近、先ほども名前をだしたちあみんこと≪血編み髪のエルフ≫が解禁され、厳しくなりました。あのカードはかなりおかしいです。なんで本体うちけしても続唱は止まらないんでしょうか・・・

Ⅱ.見分け方
・ジャンド
 怪しい:≪血の墓所≫≪草むした墓≫からのハンデス、≪タルモゴイフ≫、≪残忍な剥ぎ取り≫、≪闇の腹心≫、≪漁る軟泥≫
ほぼ確定:≪怒り狂う山峡≫

・アブザン
 怪しい:≪草むした墓≫≪神無き祭殿≫からのハンデス、≪タルモゴイフ≫、≪残忍な剥ぎ取り≫、≪闇の腹心≫、≪漁る軟泥≫
ほぼ確定:≪樹上の村≫

Ⅲ.立ち回り方
 基本的には殴り合いのリソース勝負になります。アブザン、ジャンドともに除去と強力なクリーチャーを複数備えたデッキなのでこちらが同対処するかなのですが、共通の要点の他にアブザン、ジャンドそれぞれの要点も解説します。

・共通
共通の除去として≪突然の衰微≫、≪大渦の脈動≫があります。≪突然の衰微≫は打消し不可能なので消費させるしかないですが、≪大渦の脈動≫は打ち消せる上に重く、また≪若き紅蓮術師≫のトークンを唯一一掃できるカードなので確実に打ち消しましょう。また、ともにハンデスが多いです。ハンドはバレた状態での立ち回りになることが多いのは意識します。さらに≪ヴェールのリリアナ≫を3~4枚搭載しており、ハンデスと合わせて手札が0になることもままあります。≪黄金牙、タシグル≫の能力や≪航路の作成≫で失った手札を稼ぐよう意識してリソース優位に立ちたいです。

・アブザン
 アブザンとのゲームはこちらが≪未練ある魂≫をどう処理するかが焦点になると思います。こちらのメインには小型の複数除去はないので、変身したデルバーでのブロックか、こちらがデルバーや探査生物や≪若き紅蓮術師≫のトークンで攻め、ブロッカーとして消費させることが有効な対処法となります。
 また、除去に≪流刑への道≫があり、追放されてしまうため、これらをデルバーや≪若き紅蓮術師≫に当てさせることで探査生物を守れるようにします。

・ジャンド
 ジャンドとのゲームは、≪血編み髪のエルフ≫のリソース稼ぎを止められない以上、とにかく相手にリソースを稼がせないことが焦点となってきます。おもな脅威となる≪タルモゴイフ≫の除去は優先ですが、≪闇の腹心≫も、ライフに余裕があったり≪タルモゴイフ≫を≪若き紅蓮術師≫のトークンを並べるなど止める手段が別にあるときは≪タルモゴイフ≫より優先して除去します。
 また、除去としてアブザンと違い≪終止≫≪戦慄堀り≫が入ってきますが、これは破壊である以上≪コラガンの命令≫で回収することができるので並べるときに強く意識する必要はありません。


Ⅳ.サイドインアウト

・アブザン
アウト:≪思考掃き≫4、≪秘密を掘り下げる者≫2、≪若き紅蓮術師≫1
 イン:≪仕組まれた爆薬≫1、≪イゼットの静電術師≫1、≪最後の望み、リリアナ≫1、≪虚無の呪文爆弾≫1、≪外科的摘出≫2、≪払拭≫1

 リソース勝負になるので≪思考掃き≫をすべて、破壊されやすいことからデルバーを2枚、枠空けに≪若き紅蓮術師≫を1枚抜きます。代わりに、小型対策3枚、墓地対策3枚、インスタント除去2種への対策に≪払拭≫を追加します。
 ≪外科的摘出≫は主には≪流刑への道≫の追放を目指します。これができると、デルバーが一方的に攻撃できることに加えて、≪最後の望み、リリアナ≫の奥義による勝利を狙うこともできます。≪最後の望み、リリアナ≫は相手を弱体化させて奥義で勝利を狙うのが基本的な使い方になりますが、≪未練ある魂≫を足止めすることもできます(数が多いので破壊しきる前にどけられてしまいますが)。
 サイド後は相手も≪集団的蛮行≫や≪安らかなる眠り≫などこちらに効きやすいカードを積んできますが、こちらも有効なカードが積めるので、相性としては五分~微不利となります。

・ジャンド
 アウト:≪思考掃き≫4、≪秘密を掘り下げる者≫2
  イン:≪仕組まれた爆薬≫1、≪払拭≫1、≪集団的蛮行≫2、≪虚無の呪文爆弾≫1、≪イゼットの静電術師≫1

 抜くカードと理由はアブザンと同様です。入れるカードとしては、X=2を指定することでほぼすべての生物ににらみを利かせられる≪仕組まれた爆薬≫、除去や、≪コラガンの命令≫対策の≪払拭≫、除去能力のあてどころが多く、ハンデス能力もききやすい≪集団的蛮行≫、墓地対策の≪虚無の呪文爆弾≫、≪闇の腹心≫を封じることができるほか火力除去のための調整にもなる≪イゼットの静電術師≫を入れます。≪外科的摘出≫が入っていないのは≪ウルヴェンワルド横断≫型シャドウでの理由と同様です。≪コラガンの命令≫クリーチャー回収モードに対して打つことはできますが、≪コラガンの命令≫は打ち消せなかった時点でアドバンテージをとられるため、効果が薄いと判断しました。また、≪最後の望み、リリアナ≫は≪血編み髪のエルフ≫に速攻がついていることや、≪稲妻≫≪コラガンの命令≫≪戦慄堀り≫と対処されやすいため入れません。
 サイド後あちらはこちらに厳しいカードは≪虚無の呪文爆弾≫≪集団的蛮行≫≪神々の憤怒≫ですが、いずれも致命的というほどではなく、こちらが不要牌が抜けて立ち回りやすくなるため、相性は五分くらいになります(相変わらず≪血編み髪のエルフ≫は厳しいですが)

⑯ランタンコントロール
Ⅰ.相性
 実はランタンコントロールとマッチしたことがないため経験では話せないのですが、構築上、およびランタンコントロールの有名な某東北の方の発言からまとめると有利です(人任せ)
 ランタンコントロールは相手の攻撃を≪罠の橋≫でとめ、トップを操作し続けて不要牌ばかり引かせコントロールするというデッキなのですが、こちらはドローカードが非常に多いためロックされにくい、変身しないデルバーや≪若き紅蓮術師≫のトークンが手札0枚でないと止まらない、打消しを擁する、あげく≪コラガンの命令≫が瞬唱の魔導士で合計4回打てるなど除去は腐るものの有効牌が非常に多いことが有利となる原因だと思います。

Ⅱ.見分け方
 怪しい:≪植物の聖域≫、≪闇滑りの岸≫、≪空僻地≫、≪産業の塔≫、≪涙の川≫、≪アカデミーの廃墟≫、≪オパールのモックス≫、≪ミシュラのガラクタ≫、ハンデス(≪産業の塔≫、≪空僻地≫とセットで唱えられたら確定)

ほぼ確定:≪洞察のランタン≫、≪発明博覧会≫、≪写本裁断機≫、≪グール呼びの鈴≫、≪伏魔殿のピュクシス≫、怪しいの土地からの≪古きものの活性≫

Ⅲ.立ち回り
 1ターン目の動きでデッキを識別しやすいです。ランタンコントロールであることを確認したら、土地の3枚目までの確保と探査生物用の墓地の確保を除いてはできるだけキャントリップを温存しながら罠の橋が出るまでにある程度削りましょう。さらに、罠の橋が早めに出てきそうなら打消しを構え、デルバーは変身させない方がよいです。
 ロックを完成させられてしまったら、相手のミル(山札を削るカード)が少ないうちに相手のミルの起動後などの隙をついて≪コラガンの命令≫を探します。手札に加えることができた後は唱えるための土地を残しつつ、場を整えて、≪発明品の唸り≫をケアするための打消しを構えながら罠の橋を割ってライフを削り切ります。
 そのほかのポイントとして≪稲妻≫は罠の橋がおかれたあともライフを削れるカードになりますが、≪魔女封じの宝珠≫が出てしまうと完全な役立たずになるので早めに打ってしまいたいのと、≪思考掃き≫は相手の有効牌をはじきながらトップのカードを引けるため非常に有効である、ということは覚えておきましょう。厄介な≪アカデミーの廃墟≫による回収を遅延できるのは重要です。

Ⅳ.サイドインアウト

 アウト:≪稲妻≫4、≪致命的な一押し≫3、≪終止≫2、≪マナ漏出≫1
  イン:≪仕組まれた爆薬≫1、≪破壊放題≫1、≪軽蔑的な一撃≫2、≪払拭≫1、≪外科的摘出≫2、≪大爆発の魔導士≫2、≪虚無の呪文爆弾≫1

 ライフを減らす以外の仕事がなく、≪神聖の力戦≫≪魔女封じの宝珠≫で完全に要らない子になる≪稲妻≫と、ほぼ意味のないクリーチャー除去をすべて抜きます(相手のサイドから≪ボーラスの工作員、テゼレット≫が入る場合のみ仕事をしますが、考慮に入れるだけ無駄です)。また、中盤以降仕事をしにくくなる≪マナ漏出≫も、枠空けのため1枚減らします。代わりに入るのはアーティファクト破壊用の≪仕組まれた爆薬≫≪破壊放題≫と、≪発明品の唸り≫とサイドから入るであろう≪ボーラスの工作員、テゼレット≫への対策として≪軽蔑的な一撃≫、追加の≪発明品の唸り≫対策として≪払拭≫、≪アカデミーの廃墟≫、≪写本裁断機≫による回収の妨害と≪罠の橋≫などの根絶用に≪外科的摘出≫、≪アカデミーの廃墟≫≪発明博覧会≫への対策、およびそれらを破壊で来ていても≪発明品の唸り≫用の青トリプル妨害もできるので≪大爆発の魔導士≫、追加の墓地回収対策兼キャントリップとして≪虚無の呪文爆弾≫をいれます。
 サイド後は相手も有効牌は増えるものの、こちらの不要牌がすべて有効牌に変わるのでメインよりも楽になります。例えば罠の橋を≪外科的摘出≫してしまえれば相手はただの無防備なデッキですし、破壊されたものを回収しようにもその対策も5枚増えます。≪ボーラスの工作員、テゼレット≫のみ≪稲妻≫を抜いている分対処しづらくなるため、打消せるようにはしておきましょう。入っても2枚程度なので対処は難しくないはずです。≪精神を刻む者、ジェイス≫、いわゆる神ジェイスに関しても同様です。いずれにしても≪罠の橋≫さえ破壊できてしまえば大きな問題にはなりません。


⑰呪禁オーラ
Ⅰ.相性
 メインに呪禁を触る手段はありません。もちろんグリクシスなのでエンチャントも触れません。閉廷!解散!・・・わりと本当にそんな感じです。奇跡的に初手で呪禁生物が出ず、奇跡的にこちらが殴りきるまで1体も通さずに済めば勝てるかもしれません。≪夜明けの宝冠≫が出てしまった瞬間ゲーム終了です。最初の記事で呪禁オーラを不利のところに書きましたが、トロンよりはマシ、程度です。

Ⅱ.見分け方
 怪しい:緑白の土地、およびそれがらみのフェッチランド
ほぼ確定:≪林間隠れの斥候≫≪ぬめるボーグル≫≪コーの精霊の踊り手≫

Ⅲ.立ち回り方
 おそらく呪禁オーラを見分けられるのは呪禁生物が唱えられてから、運が良ければ≪コーの精霊の踊り手≫が出てからです。それぞれについて書いていきます。
①呪禁生物が先に出た
もしそれが打ち消せるタイミングであれば当然打ち消します。もし着地してしまったら、後続のオーラの中で致命的となる≪夜明けの宝冠≫≪天上の鎧≫≪怨恨≫を全力で打ち消します。これらはすべて呪禁生物の火力を爆発的に上げます。特に≪夜明けの宝冠≫が付こうものなら+3/+3修正先制攻撃警戒絆魂付与、と手が付けられない化け物になります。これら以外もできれば打ち消したいですが、常にこれらに備え打消しを構えなければなりません。こちらの勝ち筋は、呪禁生物が化け物に育つ前に相手のライフを削りきることのみです。打消しを構える以外は全力で展開、攻撃しましょう。

②≪コーの精霊の踊り手≫が先に出た
 呪禁オーラで唯一呪禁を持たず、除去できるクリーチャーです。わざわざ先にこれを出したということはおそらく相手は呪禁生物を持っていません。しかしこのクリーチャーがいる間にオーラ呪文が唱えられるとドローをされてしまうので、早急に除去しましょう。この時は呪禁生物用の打消しを構えるほかは全力で除去を探し、除去し終わったら①と同様素早くクリーチャーを並べ、呪禁生物が出る前にライフを削り切ります。

Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪終止≫2、≪致命的な一押し≫1
  イン:≪外科的摘出≫2、≪仕組まれた爆薬≫1

 除去が通じるのは≪コーの精霊の踊り手≫のみなので≪稲妻≫4と≪致命的な一押し≫2枚があれば十分です。よって残りの除去を抜きます。代わりに呪禁生物追放用の≪外科的摘出≫、唯一呪禁生物、およびオーラをを破壊できる≪仕組まれた爆薬≫をいれます。
 サイド後はとにかく相手の墓地に呪禁生物を≪思考掃き≫や≪仕組まれた爆薬≫で落とし、≪外科的摘出≫で追放することを目指します。その関係上≪安らかなる眠り≫が致命的です。なんとか打ち消してください。よって、こちらはメインでのプランも頭に入れながら基本的には打消しとドローのみを最優先に行って、呪禁生物がいなくなったら全力で攻め落とす、というプランをとることになります。


⑱ホロウワン

Ⅰ.相性
 このデッキも1度もまだ当たったことがないので想像になりますが、≪虚ろなもの≫や≪炎跡のフェニックス≫、≪恐血鬼≫への対処が難しいほか、土地が少ないことから≪燃え立つ調査≫で土地が落とされると非常に厳しいので不利だと思われます。というかこのデッキに対して有利なデッキって何でしょうか



Ⅱ.見分け方
 怪しい:≪信仰無き物あさり≫、≪恐血鬼≫、≪通りの悪霊≫、≪黒割れの崖≫
ほぼ確定:≪炎刃の達人≫、≪虚ろなもの≫、≪炎跡のフェニックス≫、≪燃え立つ調査≫、≪ゴブリンの知識≫

Ⅲ.立ち回り方

 まずサイコロに念を込めます。そしてあいての手札をランダムに落とす際土地と≪虚ろなもの≫と探査生物を叩き落します。おわり。・・・。
 真面目に話すと、ランダム要素はどうしようもありません。なので、ルーティング呪文を最優先に、≪虚ろなもの≫や探査生物を打ち消しつつ、こちらが先に生物を並べて殴りきるしかありません。

Ⅳ.サイドインアウト

 アウト:≪思考掃き≫4、≪血清の幻視≫2、≪コラガンの命令≫2、≪航路の作成≫1
  イン:≪虚無の呪文爆弾≫1、≪軽蔑的な一撃≫2、≪外科的摘出≫2、≪集団的蛮行≫2、≪イゼットの静電術師≫1、≪破壊放題≫1

 ≪燃え立つ調査≫でこちらの墓地が肥えたりデッキトップが壊されたりするので、≪思考掃き≫をすべて、≪血清の幻視≫を2枚抜きます。かなり土地確保が不安定になりますが、マリガンで確保してください。追加で抜くのは打つ暇のなさそうな≪航路の作成≫、≪コラガンの命令≫です。代わりに入るのは墓地対策3枚と、≪虚ろなもの≫および探査生物対策の≪軽蔑的な一撃≫、全モードが有効な≪集団的蛮行≫、≪恐血鬼≫の封殺や≪虚ろなもの≫を稲妻圏内に落とす≪イゼットの静電術師≫、初手の≪虚ろなもの≫に唯一対抗できる≪破壊放題≫です。
 サイド後は序盤はとにかく除去や打消しやブロックで耐え、墓地対策を引いてください。それで相手の勢いを止められたらライフを削りにかかります。≪秘密を掘り下げる者≫はこのマッチアップにおいてブロックされないクリーチャーになります。また、≪若き紅蓮術師≫は≪炎跡のフェニックス≫以外に対しての足止めになります。探査生物は主にブロッカーです。とにかく相手がぶん回らないのを祈りましょう。

⑲青赤コントロール(青赤パイロ、マッドキャップ・ムーン、ブリーチエムラ、キキジキ・ムーン)

Ⅰ.相性
 青赤コントロールは現在、大きく分けて二種類あります。コンボ搭載型(マッドキャップ・ムーン、ブリーチエムラ、キキジキ・ムーン)と、非搭載型(青赤パイロ)です。まず、コンボ搭載型に関しては、大抵の場合コンボを通す以外に太い勝ち筋、および探査生物への対処がありません。あるとして≪焙り焼き≫や≪収穫の火≫が計2~3枚です。したがって、他生物で削りながら探査生物を通し、コンボを通さないようにしつつ殴りきれば勝ち、となります。楽なマッチアップではないですが、特に厳しいということもないので五分~微有利といったところです。
 対して非搭載型の青赤パイロは、≪氷の中の存在≫≪若き紅蓮術師≫という2種のクリーチャーを柱に堅実に殴りきるというクロックパーミッション寄りの構築になっています。2種類のクリーチャーはどちらも単体で勝負を決めてしまうだけのパワーを持ち、なおかつ軽いため打消しを構えながら出すのも容易です。≪祖先の幻視≫でのアドバンテージ稼ぎも強力なため、長期戦は望ましくありません。とはいえあちらは除去以外にデルバーへの対処がないのと、≪氷の中の存在≫さえ変身させなければ探査生物のサイズで押し切ることができ、こちらは除去も多いため、序盤がちがちに構えてこない分コンボ搭載型よりも有利に進めやすく、相性としては微有利です。
 
Ⅱ.見分け方

 怪しい:≪蒸気孔≫≪尖塔断の運河≫≪島≫
ほぼ確定:≪硫黄の滝≫、ほか、2~3ターン目に青赤以外の土地がない

型の見分け方

≪若き紅蓮術師≫≪氷の中の存在≫の有無


Ⅲ.立ち回り方

①コンボ搭載型
 基本的に中盤以降までは相手はほぼこちらの妨害とドロー以外は動きません。なので、相手の妨害を打消しでいなしながら生物で相手のライフを削りましょう。≪血染めの月≫がメインから採用されている場合があるのでこれだけは通してはいけません。また、打消しは≪差し戻し≫が2~4枚、≪謎めいた命令≫が3~4枚がほぼ確定で、あとは≪呪文嵌め≫が1~2枚、≪マナ漏出≫が1~2枚、≪論理の結び目≫が1枚で合計8~9枚程度であることが多いです。
 中盤以降はそれぞれ型ごとに、マッドキャップ・ムーンなら≪向こう見ずな実験≫、キキジキ・ムーンならこちらのエンドに≪詐欺師の総督≫もしくは≪やっかい児≫で返しに≪鏡割りのキキジキ≫、ブリーチエムラなら≪裂け目の突破≫を隙を見て打ってきます。いずれも通したらほぼ負けか、かなり不利になります。
 いずれもアクションが大きく、打消しはよく構えられて2枚程度です。こちらもそれに対抗できるだけの打消しを用意しておきましょう。また、マッドキャップ・ムーンの≪白金の帝像≫に関しては≪コラガンの命令≫で破壊でき、キキジキ・ムーンの≪詐欺師の総督≫≪やっかい児≫は出てすぐに除去したり、≪鏡割りのキキジキ≫の1回目のタップ能力の誘発に合わせて除去してしまうことで防ぐことができます。≪引き裂かれし永劫、エムラクール≫は・・・デルバーで1回程度ならブロックできます()
 こちらのハンドに干渉する手段が≪ヴェンディリオン三人衆≫のみで、コンボ搭載型には1~2枚程度の採用なので相手がコンボを放てるようになるまで余裕はあります。攻めながらしっかり整えておきましょう。もちろん攻め切ってしまうのが1番早いですが。


②コンボ非搭載型
 
 こちらは即死コンボが搭載されていない分早めから対処しなければならない脅威がでてきます。とはいえ≪致命的な一押し≫≪終止≫で対応でき、相手には墓地回収もないため除去しきるのも難しくはないです。最近は≪精神を刻むもの、ジェイス≫が搭載されていることもありますが、本体が4マナと重いため通さずに済むか、通してもそのターン相手はフルタップに近いはずなので破壊するのは難しくないです。
 全体の動きとしては序盤相手のクリーチャーをさばきながらこちらの生物、可能なら探査生物を通し、中盤以降アドバンテージ差で押し返される前に攻め切りましょう。

Ⅳ.サイドインアウト

①コンボ搭載型

ⅰ.キキジキ・ムーン
 アウト:≪思考掃き≫3、≪致命的な一押し≫3
  イン:≪払拭≫1、≪軽蔑的な一撃≫2、≪外科的摘出≫2、≪イゼットの静電術師≫1
 長期戦になりやすい対コントロールでは使いづらい≪思考掃き≫と、効きづらい除去の一部である≪致命的な一押し≫を抜きます。コンボへの打消し以外の対処として≪終止≫≪稲妻≫は残します。代わりに追加の打消しとして≪払拭≫≪軽蔑的な一撃≫、墓地に落ちたコンボパーツを追放し封殺するための≪外科的摘出≫、≪瞬唱の魔導士≫および≪やっかい児≫破壊、≪詐欺師の総督≫を≪稲妻≫圏内におとす≪イゼットの静電術師≫をいれます。

ⅱ.マッドキャップ・ムーン
 アウト:≪稲妻≫4、≪致命的な一押し≫3、≪思考掃き≫1
  イン:≪破壊放題≫1、≪払拭≫1、≪軽蔑的な一撃≫2、≪外科的摘出≫2、≪集団的蛮行≫2

 かぶっている内容はキキジキ・ムーンと同じ理由なので省略します。≪稲妻≫がすべて抜けているのは≪白金の帝像≫を落とせないため、キャントリップのほうが有用であるからです。≪破壊放題≫は≪白金の帝像≫への対策、≪集団的蛮行≫はコンボパーツがソーサリーであることから入っています。

ⅲ.ブリーチエムラ
 アウト:≪稲妻≫4、≪致命的な一押し≫3
  イン:≪払拭≫1、≪軽蔑的な一撃≫2、≪外科的摘出≫2、≪集団的蛮行≫2

 理由はほぼマッドキャップ・ムーンと同様なので省略します。≪引き裂かれし永劫、エムラクール≫は墓地に落ちた際にすべての墓地のカードとともにデッキに帰ってしまいますが、≪裂け目の突破≫を追放できればいいことにかわりはないので≪外科的摘出≫は変わらず採用しています。

 総じて、サイド後はコンボへのより優秀な解答を不要牌を抜いて入れられるため、相性は微有利~有利となります。


②コンボ非採用型(青赤パイロ)

 アウト:≪思考掃き≫4、≪稲妻≫1
  イン:≪仕組まれた爆薬≫1、≪払拭≫1、≪軽蔑的な一撃≫1、≪イゼットの静電術師≫1

青赤パイロに関しては、すべての除去が有効であるため、≪思考掃き≫と、≪稲妻≫を1枚のみ抜き、追加の除去として≪仕組まれた爆薬≫、≪イゼットの静電術師≫、追加の打消しとして≪払拭≫、≪軽蔑的な一撃≫を入れます。
このマッチアップに関しては、こちらがより解答を増やせるのに対し相手はサイドからも探査生物への追加の解答は≪軽蔑的な一撃≫が1~2枚のみになるので、相性としては微有利~有利となります。


⑳グリクシスコントロール

Ⅰ.相性
 何の因果か最後のマッチアップは同じグリクシス、グリクシスコントロールとなりました。そのグリクシスコントロールとの相性ですが、少し前の型か最近の型かで大きく変わります。少し前の型はいわゆる≪デルバー抜きグリクシスデルバー≫でした。よってこの場合互いに探査生物の解答が少なく地上が膠着するため、飛行を持つデルバーを有するグリデルが微有利となります。有利とまでならないのはデルバーへの解答をグリクシスコントロールが多く有しているためです。
 対して、神ジェイス解禁後は新たな型としてクリーチャーを≪ヴリンの神童、ジェイス≫と≪瞬唱の魔導士≫の魔導士のみとした型が出てきていて、そちらの型の場合こちらの除去こそ腐りやすいものの、地上を止めるクリーチャーはおらず、相変わらず探査生物への解答は少ないです。また、アドバンテージを稼ぐ力は大きいものの、それは元の型とも大きくは変わらず、加わった神ジェイスも青赤コントロールの項で述べた通り対処しやすいため、相性としては微有利~有利です。

Ⅱ.見分け方

怪しい:≪湿った墓≫≪蒸気孔≫
ほぼ確定:≪忍び寄るタール坑≫+赤がらみ土地、≪ヴリンの神童、ジェイス≫
、グリクシスカラーの土地+≪アズカンタの探索≫

Ⅲ.立ち回り方

①元の型(デルバーなしグリクシスデルバー)

このマッチアップはデルバーをより長く生かし、殴れるかが重要となります。初手に出す以外は、できれば除去を≪若き紅蓮術師≫などに打たせてから出したいです。また、地上を膠着させるために探査生物も着地させなければなりません。よって打消しをこの2つのために使い、場を整えたらあとは基本的な動きと同様にライフを削り切ります。

②最近の型(神ジェイス搭載型)

クリーチャーがほぼおらず、相手は除去と打消しで場を保とうとします。≪ヴリンの神童、ジェイス≫の変身のみ厄介なので変身する前に除去し、あとは生物を着地させて殴りましょう。単体除去に強い≪若き紅蓮術師≫はこのマッチアップにおいて重要になります。≪精神を刻む者、ジェイス≫は着地されると面倒ですが、打消しは除去や打消しに対して打ちたいので盤面に余裕がありそうなら通してしまっても構いません。ただしクリーチャーや火力で即除去しましょう。どの能力を使われても除去にはそう困らないはずです。


Ⅳ.サイドインアウト

①元の型
アウト:≪思考掃き≫4、≪致命的な一押し≫3、≪稲妻≫1
 イン:≪払拭≫1、≪軽蔑的な一撃≫2、≪虚無の呪文爆弾≫1、≪外科的摘出≫2、≪イゼットの静電術師≫1、≪最後の望み、リリアナ≫1

 コントロール戦で不要な≪思考掃き≫と除去を計4枚抜きます。代わりに追加の打消し3枚、墓地対策3枚、≪若き紅蓮術師≫≪瞬唱の魔導士≫対策の≪イゼットの静電術師≫、地上の膠着を解いたり小型を除去しながらフィニッシャーも担える≪最後の望み、リリアナ≫を入れます。
 サイド後は相手の追加の除去でデルバーが弱くなる分、こちらも探査生物への対策などが追加でき、似たような追加内容になったとしてもあちらが全体除去を強く使える(こちらに小型が多い)分こちらは≪軽蔑的な一撃≫を強く使える(≪謎めいた命令≫の分対象が多い)ため、相性としては変わらず微有利です。
 また、≪外科的摘出≫を探査生物に当てたほうが非常に有利となるので、狙っていきたい分こちらも注意する必要があります。また、≪最後の望み、リリアナ≫に関して、≪忍び寄るタール坑≫をブロックできないので出している間は打ち消されることも含めて除去を構えておきましょう。幸い入っている除去ならどれでも落とせます。


②新しい型
 アウト:≪思考掃き≫4≪終止≫2≪致命的な一押し≫3
  イン:≪虚無の呪文爆弾≫1、≪払拭≫1、≪軽蔑的な一撃≫2、≪外科的摘出≫2、≪大爆発の魔導士≫3

 元の型よりクリーチャーがさらに少ないため、神ジェイスへの火力にもなる≪稲妻≫を除いて除去を抜きます。代わりに元の型と同じものに加えて≪忍び寄るタール坑≫と≪水没遺跡、アズカンタ≫の対策として≪大爆発の魔導士≫を入れます。
 相手のサイドから入る≪イゼットの静電術師≫や≪神々の憤怒≫、≪滅び≫は少し厳しいですが、元の型と比べて、より不要牌を有効牌に変えられ、≪軽蔑的な一撃≫はさらに強く使えるため、相性としてはさらによくなって有利寄りの微有利~有利になります。
 ≪外科的摘出≫に関しては、今度は互いに探査生物と神ジェイスを取り合う形になります。こちらの探査生物の方が墓地に落ちるのは早いため、場合によっては相手の≪外科的摘出≫に対応して≪外科的摘出≫をうち、自分で墓地の探査生物を追放することもあるのを覚えておきましょう。この場合山札を探して見つからなかった、とすれば全追放を免れることができます。





 さて、とんでもない長さになったマッチアップ解説、およびグリクシスデルバー:モダン解説も以上となります。ここまですべて読んでくださった方には本当に感謝です。これらの記事が土地16デルバー、もしくはグリクシスデルバーを使うきっかけになれば幸いです。
 今後書く記事のことは特に考えていませんが、また気が向いたら何か書くと思いますので、ぜひ読んでください。ではまた、次の記事で!

 どうも、めるにあです。今回は宣言通り今週中に書きますよ!なんかギリギリな気はしますがきっと気のせいです。セールやってて買ったアプリのMHP2Gが面白くて一日つぶれたなんてことは決してありません。いやあ、フルフルって厄介ですね()

 そんなわけで三回にわたって書いてきた土地16デルバーデッキガイドの最終回となる後編はマッチアップごとの相性、1~2T目での見分け方、立ち回り方、サイドインアウトです。モダン環境で最近活躍している主なデッキとのマッチアップ関して解説していきます。(※見分け方はあくまで参考です)ラインナップとしては、

①5c人間
②親和
③バーン
④トロン(緑、緑黒)
⑤グリクシスシャドウ
⑥エルドラージトロン
⑦ジェスカイコントロール(ジェスカイトラフト含む)
⑧青赤けちストーム
⑨白青コントロール
⑩ドレッジ
⑪ヴァラクート(タイタンシフト、タイタンブリーチ)
⑫ドルイドコンボ搭載アブザンカンパニー
⑬マルドゥパイロマンサー
⑭≪ウルヴェンワルド横断≫入りジャンドシャドウ
⑮BGミッドレンジ(アブザン、ジャンド)
⑯ランタンコントロール
⑰呪禁オーラ
⑱ホロウワン
⑲青赤コントロール(マッドキャップ・ムーン、ブリーチエムラ)
⑳グリクシスコントロール

 デッキ選出はPT『イクサランの相克』のメタゲームブレイクダウンを参照にしました。この他にも様々なデッキがありますが、それはまた機会があれば別の記事で書こうと思います。ってかメタゲームだけで20個あるとかモダン魔境過ぎ


 

①5c人間
Ⅰ.相性
 良いとは言えませんがそこまで悪くもないです。≪魂の洞窟≫≪霊気の薬瓶≫によって打消しが腐りやすいのが難点ですが、細かい除去をたくさん有するこちらは、相手のこちらの動きを妨害する生物を次々に除去しコントロールのように立ち回ることでメインから勝ち星をとっていくこともできます。

Ⅱ.見分け方
 怪しい:≪魂の洞窟≫指定人間、≪霊気の薬瓶≫
ほぼ確定:≪古代の聖塔≫、≪手つかずの領土≫指定人間、≪教区の勇者≫

Ⅲ.立ち回り方
 メインは見分けることができたら全力で除去を引きにかかりましょう。最も注意すべきは≪スレイベンの守護者、サリア≫です。軽いドロー呪文がことごとく唱えづらくなりもたもたしている間に崩せない場を作られます。あっという間に成長する≪教区の勇者≫も脅威ですが、どんなに成長しようと≪致命的な一押し≫で倒せるのでそこまで気にする必要はありません。除去を使う優先順位ですが、≪サリアの副官≫が≪霊気の薬瓶≫でインスタントタイミングで出てくることを考慮し、【稲妻】>【致命的な一押し】>【終止】のように使ってください。
 また、打消しは≪魂の洞窟≫がすでに使われているなど、使えるタイミングがあれば早めに使ってください。後半はほぼ燃えるゴミです。≪対抗突風≫に関しては複数枚目の≪霊気の薬瓶≫にしか当たりません。しかし後半ゲームが長引くと相手が手札で余らせてもしょうがないと出してきて当たることもままあります。
 こちらのクリーチャーに関してですが、基本的にほぼブロッカーです。先手でデルバーを出し、そのまま変身できた場合は攻勢に出てもよいかもしれません。≪カマキリの乗り手≫をブロック・相打ちできるのはデルバーだけなのは覚えておきましょう。探査生物はこのマッチアップでは優秀なブロッカーとなります。≪教区の勇者≫以外なかなか乗り越えられることはないでしょう。≪サリアの副官≫連打は早めに除去で対応してください。≪瞬唱の魔導士≫は除去フラッシュバックマシン、≪若き紅蓮術師≫はチャンプブロッカー製造マシンです。幸いトランプルはないので≪若き紅蓮術師≫は早めに置ければ相手の攻勢をかなり抑えられるでしょう。
 最後に攻めるタイミングですが、デルバー以外は基本こちらのクロックのほうが早いと判断した場合のみです。5c人間は息が切れるとトップはそう強くないので耐えましょう。

Ⅳ.サイドインアウト

アウト:≪マナ漏出≫3、≪対抗突風≫2
 イン:≪集団的蛮行≫2、≪仕組まれた爆薬≫1、≪イゼットの静電術師≫1、≪最後の望み、リリアナ≫1

 使いづらい打消しを抜いて除去全力インです。≪力ずく≫に関しては≪霊気の薬瓶≫を破壊できれば余裕ができるのは確かですが、それよりも盤面の脅威が優先ですし、≪コラガンの命令≫で十分です。≪最後の望み、リリアナ≫は盤面に余裕の無いときは出しづらいですが、ひとたび着地すれば次々に除去を行えるうえに奥義がフィニッシャーにもなるので採用です。また≪仕組まれた爆薬≫は基本的にX=2でおきます。相手はアーティファクト破壊は無いので置ける隙ができたらすぐに置き、以後土地2枚は基本的に常に立たせておきましょう。
 サイド後はできるだけ除去多めにマリガンして下さい。動きはメインと変わりませんが、使いづらい打消しがすべて除去になっている分楽になります。
 相手側がサイドから入れてくるもので厄介なのは≪イゼットの静電術師≫です。こちらの≪静電術師≫は全力で守り、相手の≪静電術師≫は最速で破壊しましょう。

②親和
Ⅰ.相性
 グリクシスコントロールほどではないですが、有利です。≪コラガンの命令≫がぶっ刺さります。その他除去すべてが突き刺さります。徹底的に除去、打消しして時間を稼ぎ、≪瞬唱の魔導士≫で≪コラガンの命令≫をフラッシュバックすれば大体勝ちです。アーティファクト主体ですがほぼアーティファクト・クリーチャーなので≪対抗突風≫は案外刺さりません。≪頭蓋囲い≫あたりに打ちましょう。

Ⅱ.見分け方
 1ターンで相手の手札が半分以下になったら大体親和です(投げやり)
真面目に言うと、一部パーツがランタンコントロールと被ります。よって、
 怪しい:≪産業の塔≫、≪オパールのモックス≫、≪ダークスティールの城塞≫
ほぼ確定:≪メムナイト≫、≪羽ばたき飛行機械≫、≪~蛾の生息地≫2種、≪信号の邪魔者≫

Ⅲ.立ち回り方
 ≪電結の荒廃者≫≪鋼の監視者≫≪エーテリウムの達人≫≪墨蛾の生息地≫(クリーチャー化時)をクリーチャー除去で、≪頭蓋囲い≫をアーティファクト除去で破壊します。打消しもこれらに対して打ちましょう。あっという間に息が切れ、息が切れたら終わりのデッキなので攻めるのはそのあとでOKです。≪刻まれた勇者≫だけは着地してしまうと手におえないので注意しましょう。

Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪若き紅蓮術師≫2、≪航路の作成≫1
  イン:≪破壊放題≫1≪仕組まれた爆薬≫1≪イゼットの静電術師≫1

 打っている暇のない≪航路の作成≫と1マナで置くことができず、サイド後から入ってくるであろう≪ギラプールの霊気格子≫にめっぽう弱い≪若き紅蓮術師≫が抜けます。入るのはアーティファクト対策の≪力ずく≫に加えて追加の除去として≪仕組まれた爆薬≫≪イゼットの静電術師≫が入ります。メインで使い道の少なかった≪対抗突風≫ですが、サイド後は相手に非クリーチャー呪文が増えるためサイドアウトはしません。
 サイド後注意しなければならないのは触れられない≪ギラプールの霊気格子≫と、≪呪文貫き≫が入ることです。≪霊気格子≫はなんとか打消し、また青マナが相手に立っているときは常に≪呪文貫き≫を警戒しましょう。また、こちらは≪仕組まれた爆薬≫が入ったことにより≪刻まれた勇者≫への対処が可能になります。置くタイミングには注意しましょう。細かいことですが、もし相手が≪血染めの月≫を置いてきた場合、アーティファクト破壊で≪ダークスティールの城塞≫を破壊できます。覚えておきましょう(自分も最近知りました)。


③バーン
Ⅰ.相性
 ライフゲインの無いグリデルは基本バーンは不利です。メインはあきらめましょう。クリーチャーが少し多いナヤバーンの場合は除去でもう少しダメージを抑えられるので相性はマシになります。

Ⅱ.見分け方
 怪しい:≪稲妻≫
ほぼ確定:≪ゴブリンの先達≫、≪裂け目の稲妻≫、≪溶岩の撃ち込み≫

Ⅲ.立ち回り方
 メインは非常につらいです。クリーチャーを見たらすぐに除去する、火力はできるだけ打ち消す、クリーチャーですが≪大歓楽の幻霊≫は確実に打ち消す、などが立ち回りになります。なんとかライフが火力1枚圏内(4、≪ボロスの魔除け≫は諦め)になる前に相手の手札、場を空にしましょう。

Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪若き紅蓮術師≫3、≪終止≫2
  イン:≪集団的蛮行≫2、≪外科的摘出≫2、≪払拭≫1

 出してる余裕のない≪若き紅蓮術師≫、クリーチャーが少ないため効き目の薄い≪終止≫が抜けます。≪致命的な一押し≫は軽いため残します。
 代わりに入るのは対バーン最終兵器≪集団的蛮行≫、火力打消し≪払拭≫、火力が4枚積みのパターンが多いため相手の山から引っこ抜け、運が良ければハンデスにもなる≪外科的摘出≫です。≪外科的摘出≫は当然ですが黒マナから打ちます。≪集団的蛮行≫が引けるかどうかは勝ち負けにほぼつながってくるため1ダブマリくらいまでは許容範囲です。これを≪瞬唱の魔導士≫と合わせて2回も打てれば買ったも同然でしょう。相手のサイドカードは基本的にどうでもいいです。≪安らかなる眠り≫≪大祖始の遺産≫は少し面倒ですが、火力よりマシです。

④トロン
Ⅰ.相性
 天敵です。当たったらとりあえず相手プレイヤーにダイレクトアタックを・・・は冗談として、メインは絶望的です。相手がダブマリしてトロンが5ターンくらいそろわずにこちらが2ターン目≪黄金牙、タシグル≫から打消し構えながらぶん殴りとかできればやっと勝てるかな、くらいです。しかしサイド後はことこのデッキに関しては五分五分くらいにまではましになります。なんとかサイド後2本とりましょう。

Ⅱ.見分け方
  怪しい:≪ウルザ≫土地、≪探検の地図≫
 ほぼ確定:≪彩色の星≫、≪彩色の宝球≫
Ⅲ.立ち回り方
 メインは以下のことを心掛けて動きます。できなかったらほぼ負けです。
・先攻をとる
・1~2ターン目にクロックを置く(できればデルバーともう一体)
・次ターンにトロン完成しそうな場合は打消しを必ず構える
 また、相手が初手森セットをする場合チャンスです。≪古きものの活性≫≪森の占術≫を打ち消せれば数ターントロンが完成しない可能性を生めます。

Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪致命的な一押し≫3、≪終止≫2、≪コラガンの命令≫2、≪思考掃き≫1
  イン:≪大爆発の魔導士≫3、≪外科的摘出≫2、≪軽蔑的な一撃≫2、≪破壊放題≫1

 効き目の無い除去は真っ先に抜けます。ダメージを稼げてアーティファクトも破壊できる≪コラガンの命令≫は悪くないのですが、3ターン目に破壊してはあまり間に合わないのと、回収したクリーチャーが動けるか怪しいこと、3マナの≪大爆発の魔導士≫をサイドインすることから抜きます。≪思考掃き≫は枠空けです。
 ≪大爆発の魔導士≫は引けなければまず勝負にならないので3枚、マリガンではワンマリまでになんとか初手にある、もしくは2ターン以内に探せそうなハンドにしましょう。目標は≪大爆発の魔導士≫+≪外科的摘出≫による≪ウルザ≫土地追放です。これさえ叶えばこのデッキであれば普通にマナを伸ばされる前にライフを削りきれます。≪軽蔑的な一撃≫はほぼ万能打ち消し、≪破壊放題≫は≪探検の地図≫を1ターン目に置かれても、後手でも起動前に破壊できます。マリガンで無理に持ってくる必要はありません。
 サイド後はクロックは1体で、残りは全力で≪大爆発の魔導士≫≪外科的摘出≫を探すことに費やしましょう。ドロー呪文を大量に搭載しているこのデッキなら3積みのカードはかなりの割合で見つかります。土地を3枚まで伸ばすのも忘れずに。

⑤グリクシスシャドウ
Ⅰ.相性
 グリデルと少し似たデッキですが、微不利~不利といった具合です。相手のクロックの太さに除去が間に合いづらいことが多いのと、≪頑固な否認≫が強力なためです。相手のプレイングに強さが左右されるデッキなので、隙を逃さないようにしましょう。


Ⅱ.見分け方
・フェッチ&ショックインを何を唱えるでもなくしてくる
 怪しい:≪通りの悪霊≫
ほぼ確定:≪死の影≫、≪頑固な否認≫

Ⅲ.立ち回り方
 相手はガンガン自らライフを削ってきます。火力は倒しきれる圏内以外は相手が得するだけなのでできるだけ温存しておきましょう。除去、および打消しをなんとか探査生物や≪死の影≫に当て相手のクロックを減らしましょう。すべてのクリーチャーが飛行を持たないため≪若き紅蓮術師≫は有効です。パワー4以上のクリーチャーが場にいる場合は≪頑固な否認≫≪ティムールの激闘≫を警戒します。
 ハンデスがガンガン飛んできて有効牌が次々に落とされます。ドロー呪文で有効牌を相手のエンドに引っ張り、その後の自ターンですぐ使う、という動きを心掛け、ドローの無駄打ちは避けます。
 こちらの攻撃は序盤は≪死の影≫がおけるかどうかを頭に入れながら、中盤以降は1~2ターンで仕留められるくらいを目安にしましょう。デルバーは除去されやすいですがブロックされないため大事にしたいです。

Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪秘密を掘り下げる者≫2、≪思考掃き≫4
  イン:≪軽蔑的な一撃≫1、≪外科的摘出≫2、≪虚無の呪文爆弾≫1、≪仕組まれた爆薬≫1、≪払拭≫1

 非常に除去されやすいデルバーを2枚、相手がハンデスガン積みなこともあって墓地が増えやすいため≪思考掃き≫を4枚すべて抜きます。代わりに≪死の影≫をまとめてふきとばせる≪仕組まれた爆薬≫、墓地対策の3枚、探査生物4枚を見越した≪軽蔑的な一撃≫1枚、≪頑固な否認≫や除去対策の≪払拭≫1枚、といった感じになります。
 サイド後も大きく相性が変わるマッチアップではないため、動きはほぼ変わりません。≪外科的摘出≫を≪死の影≫と探査生物どちらかにあてることができればかなりゲームは楽になるでしょう。≪虚無の呪文爆弾≫は探査能力のコスト支払いにスタックできないため相手の墓地がある程度たまっていたらすぐに起動してしまいましょう。消耗戦になるためドロー効果はかならず使います。また、≪仕組まれた爆薬≫はX=3でおくことで厄介な≪最後の望み、リリアナ≫≪ヴェールのリリアナ≫を落とせます。除去合戦で場が空になりがちなのでそこそこ使うテクニックです。

⑥エルドラージトロン
Ⅰ.相性
 最悪of最悪。≪ウルザ≫土地のほかに≪エルドラージの寺院≫という2マナ土地があり、≪魂の洞窟≫で打消しも効きづらいため普通のトロンより悪いです。≪現実を砕くもの≫は文字通りこちらの勝利を砕いてきます。1:9くらいで負けです。

Ⅱ.見分け方
  怪しい:≪ウルザ≫土地、≪探検の地図≫
 ほぼ確定:≪エルドラージの寺院≫、≪魂の洞窟≫指定エルドラージ

Ⅲ.立ち回り方
 基本的には対トロンと同じです。違いとしては、
・≪虚空の杯≫X=1で大量の呪文が死ぬ
・≪エルドラージの寺院≫2連発からの≪難題の予見者≫で死ぬのでフェッチランド+≪致命的な一押し≫を構えておく
・≪終止≫は≪現実を砕くもの≫のために温存
が主なところです。あとは④に似たことが多いのですが、普通のトロンを相手にするよりも、1枚でゲームが終わることが少ない代わりに、サイズが越えられなく能力も厄介なクリーチャーが多いのでより絶望的です。
Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪対抗突風≫2、≪マナ漏出≫3、≪思考掃き≫3
  イン:≪大爆発の魔導士≫3、≪軽蔑的な一撃≫2、≪外科的摘出≫2、≪破壊放題≫1

 ≪魂の洞窟≫の存在と、サイドからの≪軽蔑的な一撃≫の投入を考えて元からの打消しはすべて抜きます。≪思考掃き≫は枠空けです。≪コラガンの命令≫は≪虚空の杯≫のことや、エルドラージトロンはクリーチャー主体のため抜きません。
 入れるものに関しては理由はほぼ④と同じです。≪破壊放題≫は≪探検の地図≫よりも≪虚空の杯≫を狙いましょう。本体は消えますが複製能力によるコピーは残ります。
 エルドラージトロンに関しては経験値が少ないため断言はできないのですが、サイド後もそこまで相性が改善しません。土地を狙って追放することに変わりはないのですが、狙うべき土地が≪エルドラージの寺院≫の分増えているのと、≪魂の洞窟≫により打消しによる時間稼ぎがかなりしづらいためです。こちらが≪ウルザ≫土地、もしくは≪エルドラージの寺院≫を壊そうとしている間に≪難題の予見者≫≪現実を砕くもの≫が着地し、ゲームがめちゃくちゃになって終わります。

⑦ジェスカイコントロール
Ⅰ.相性
 型によって相性が変わります。一般的にクロックパーミッションはコントロールに有利と言われますが、土地16デルバーに関しては打消しよりも除去を多くとってあるため有利とはなりません。また、メインで≪聖トラフトの霊≫への対処はなく、サイドにも≪仕組まれた爆薬≫のみです。
 よって、クリーチャーが≪瞬唱の魔導士≫と≪奔流の機械巨人≫のみの型には五分、≪瞬唱の魔導士≫と≪呪文捕らえ≫を採用する型には五分~微有利、≪聖トラフトの霊≫を採用する型には微不利よりの微不利~不利です。最近は≪瞬唱の魔導士≫と≪奔流の機械巨人≫のみの型、もしくは≪聖トラフトの霊≫採用型、いわゆるトリコトラフトのどちらかであることが多いようです。

Ⅱ.見分け方
 怪しい:≪天界の列柱≫、赤青もしくは青白の土地
ほぼ確定:赤青白の組み合わせの土地

Ⅲ.立ち回り方
 メインは≪聖トラフトの霊≫採用型かそうでないかで少し変わります。採用型の場合≪至高の評決≫がメインに入っている可能性が低いので、クリーチャーを並べて、相手の≪聖トラフトの霊≫を打消し、クロックパーミッションらしく素早く攻め切ります。非採用型の場合≪至高の評決≫を警戒しなければならないため、クリーチャーを二体程度常に場に並べて、打消しで除去をはじきながらライフを削りきりましょう。
 また、対コントロールのマッチアップ全体に言えることですが≪対抗突風≫が非常に強いです。≪瞬唱の魔導士≫で積極的にフラッシュバックしましょう。
 さらに、≪コラガンの命令≫が通るかそうでないかも重要です。相手に打消しがないと確信するか相手がフルタップでない限りは打消しとともに打つか、先に別の呪文を打って囮にしましょう。モードはディスカード&クリーチャー回収がおすすめです。アド差でコントロールは吐きます。
 相手の攻め手段は主に≪天界の列柱≫と数少ないクリーチャー群です。≪先駆ける者、ナヒリ≫で≪引き裂かれし永劫、エムラクール≫を投げるいわゆるナヒリシュートの型もありますが、最近はあまり主流ではありません。これらは、ブロックするしかない≪聖トラフトの霊≫とコストの大きい≪奔流の機械巨人≫を除いて≪致命的な一押し≫で対応できます。よって、中盤以降は≪選択≫や≪血清の幻視≫で、1~2枚程度は確保しておきましょう。
 このデッキ特有の対コントロールを兼ねるカードとして≪航路の作成≫があります。確実にアドバンテージを稼いでくれるため、コントロールとのマッチアップではできるだけフラッシュバックも含めて2回打ちたいです。

Ⅳ.サイドインアウト
 ≪瞬唱の魔導士≫+≪奔流の機械巨人≫型
 アウト:≪終止≫2、≪致命的な一押し≫1、≪思考掃き≫4
  イン:≪軽蔑的な一撃≫2、≪払拭≫1、≪イゼットの静電術師≫1、≪集団的蛮行≫2、≪虚無の呪文爆弾≫1

 除去と、長期戦になりやすいことから不要な≪思考掃き≫を減らします。≪天界の列柱≫を警戒し、≪致命的な一押し≫2枚は残してあります。代わりにあてどころが多く確定カウンターである≪軽蔑的な一撃≫、≪払拭≫、≪瞬唱の魔導士≫にあてたり≪天界の列柱≫のタフネスを3にすることで≪稲妻≫圏内にする≪イゼットの静電術師≫、カウンターを抜く、もしくは釣るハンデスとして≪集団的蛮行≫、≪瞬唱の魔導士≫≪奔流の機械巨人≫≪論理の結び目≫へのカウンターとして≪虚無の呪文爆弾≫をいれます。
 この型の場合サイド後は不要牌が減って有効牌に変わるため戦いやすくなるはずです。長期戦を意識し、アドバンテージを稼ぎつつ立ち回りましょう。

 トリコトラフト
 アウト:≪終止≫2、≪致命的な一押し≫1、≪思考掃き≫2
  イン:≪軽蔑的な一撃≫1、≪イゼットの静電術師≫1、≪払拭≫1、≪仕組まれた爆薬≫1、≪虚無の呪文爆弾≫1

 トリコトラフトに関しては除去が当たるクリーチャーが≪呪文捕らえ≫の分多いため除去を1枚残します。また、クリーチャーが単純に約7~8枚純粋なジェスカイコントロールよりも多く、またそのどれも除去できないためため≪集団的蛮行≫は入れません。≪軽蔑的な一撃≫も、トリコトラフトは4マナ以上の呪文は多くないため1枚にとどめられています。≪仕組まれた爆薬≫が入れてあるのは唯一≪聖トラフトの霊≫を除去できるカードであるのと、それを除いても≪呪文捕らえ≫もあるため3マナのパーマネントが多いためです。

≪軽蔑的な一撃≫に関して、両方の型に言えることですが≪論理≫の結び目X=2以上に対して唱えることができるのは覚えておきましょう。

⑧青赤けちストーム
Ⅰ.相性
 このデッキは打ち消さなければならないカードが多く、さらにスピードも速く最速3ターン程度で決められてしまいます。さらに≪差し戻し≫があることからコンボが非常に止めづらいため相性は微不利です。しかし、勘所がわかっていれば決して絶望的な相性ではありません。

Ⅱ.見分け方
 怪しい:≪血清の幻視≫≪選択≫
ほぼ確定:≪手練≫、≪遵法長、バラル≫、≪ゴブリンの電術師≫、≪シヴの浅瀬≫

Ⅲ.立ち回り
 とにかくコンボを妨害します。≪遵法長、バラル≫、≪ゴブリンの電術師≫は見たらすぐに除去してください。ただしできるだけ打消しは使ってはいけません。コンボ始動のマナ加速や、≪けちな贈り物≫を止められなくなるためです。
 相手の手札調整はすべてスルーして1~2ターン目はクリーチャーを並べ、≪魔力変≫、≪発熱の儀式≫、≪捨て身の儀式≫に打消しを当て、コンボを決められる前に削り切りましょう。グリデルが最も警戒しなければならないのは≪巣穴からの総出≫です。これをストームたとえ3~4の時でも唱えられるとこちらの生物の動きが鈍り、グダらされている間にコンボを決められるか、ゴブリントークンに殴りきられます。
 中盤以降は打消しは2回構えられるよう4つ土地をたたせておきたいです。1回だけだと≪差し戻し≫で返されてそのままコンボを決められてしまうためです。
 メインに除去はほぼないため、相手の動きに対応しながら打点を挙げられる≪若き紅蓮術師≫が非常に有効です。

Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪コラガンの命令≫2、≪秘密を掘り下げる者≫4、≪終止≫1、≪航路の作成≫1
  イン:≪仕組まれた爆薬≫1、≪払拭≫1、≪軽蔑的な一撃≫1、≪集団的蛮行≫2、≪虚無の呪文爆弾≫1、≪外科的摘出≫2

 抜くのは圧倒的に重く役に立たない≪コラガンの命令≫、相手のサイドから入るであろう≪稲妻≫に焼かれるデルバー、クリーチャーは相手の8枚のみであるから≪終止≫を1枚、打つ余裕のない≪航路の作成≫となります。代わりに入るのはゴブリントークン、もしくはコスト軽減クリーチャーを吹き飛ばす≪仕組まれた爆薬≫、軽い打消し≪払拭≫、≪けちな贈り物≫≪炎の中の過去≫に対応できる≪軽蔑的な一撃≫1枚、ハンデス、また≪ゴブリンの電術師≫除去として≪集団的蛮行≫、墓地対策3枚となります。
 このマッチアップでは≪外科的摘出≫が手札にある場合≪思考掃き≫を相手に打つことがそこそこ有効となります。運よく≪ぶどう弾≫、≪巣穴からの総出≫を落とせればそのまま相手の勝ち手段を一つ減らせ、2枚とも追放できればイコール勝利であるからです。
 サイド後は有効牌を多く入れられるためゲームは少し楽になります。ただし、相手のサイドからはいる≪血染めの月≫はあちらが2色であることも加わってこのマッチアップでは突き刺さります。初手にはできるだけ≪マナ漏出≫もしくは≪対抗突風≫を握って、置かせないようにしましょう。

⑨白青コントロール
Ⅰ.相性
 白青コントロールは、全体除去に加えて≪広がりゆく海≫、≪廃墟の地≫といった土地対策を備え、フィニッシャーがPWであることから除去も効きづらくコントロールの中でも最も厳しいといえます。したがって相性は不利よりの微不利となります。

Ⅱ.見分け方
 怪しい:≪天界の列柱≫、青白土地、≪廃墟の地≫、≪幽霊街≫
ほぼ確定:≪熟慮≫、≪広がりゆく海≫

Ⅲ.立ち回り方
 基本的にはジェスカイコントロールの≪瞬唱の魔導士≫+≪奔流の機械巨人≫型と同様になります。大きな違いは、
・土地を封じられるためフェッチランドからは必ずショックランドを持ってくる
・PWが定着すると一気に負けに近づくため、通さない、もしくはすぐさまクリーチャーと火力でどける
・全体除去がジェスカイの最大2倍(4枚)入るため常に手札にクリーチャーが残るようにする
・≪拘留の宝球≫を警戒し、同名クリーチャーは並べないようにする(ジェスカイに入る場合もある)
です。また、打消しも多いため、できるだけこちらのクリーチャーを通すために使いましょう。PWの対処手段がない場合はそちらを打ち消すのを優先します。

Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪終止≫2、≪致命的な一押し≫1、≪思考掃き≫4
  イン:≪払拭≫1、≪軽蔑的な一撃≫2、≪集団的蛮行≫2、≪イゼットの静電術師≫1、≪仕組まれた爆薬≫1、

 効きづらい除去3枚、長期戦では不要な≪思考掃き≫をすべて抜き、追加の打消しを3枚、ハンデスの≪集団的蛮行≫、ジェスカイコントロールの時と同様の理由で≪イゼットの静電術師≫、PW、エンチャントへの対抗策として≪仕組まれた爆薬≫を入れます。
 サイド後はこちらが不要牌を有効牌に変えられる一方相手はそこまでもともと不要牌がないため基本的には有利になりやすいです。≪安らかなる眠り≫が探査生物にはつらいですが、相手のリソースを順当に減らせれば後半打消し1~2枚構えながら出せるので致命的というほどではありません。

⑩ドレッジ
Ⅰ.相性
 メインは相手の周り次第といったところが強いです。うまくルーティング呪文をはじいて動きを鈍らせて、こちらがデルバー+探査生物のようにぶん回ることができれば勝ちを拾える場合もあります。サイド後からは墓地対策を何枚引けるかにかかってきます。本当に引き次第なので、メインをとられやすいことも考えて相性は微不利となります。

Ⅱ.見分け方
 なんかぼちにいっぱいかーどをおとしはじめたらどれっじ(小学生並みの説明)
 真面目に言うと
 怪しい:≪信仰無き者あさり≫(≪血の墓所≫、≪山≫以外の土地から唱えられたらドレッジ確定)
ほぼ確定:≪傲慢な新生子≫、≪安堵の再会≫、≪ダクムーアの回収場≫

Ⅲ.立ち回り方
 相手はひたすら墓地を肥やそうとしてきます。よってできるだけ墓地肥やしを妨害したいです。特に妨害したいのは追加コストで先に捨てる≪安堵の再会≫。先に捨てられているので確実に2枚は肥やされてしまいますが、そのあと3連続で発掘される方が嫌です。
 また、場に出てきた≪秘蔵の縫合体≫、≪恐血鬼≫らの不死身生物は、ブロックしてくる≪秘蔵の縫合体≫はできるだけ除去しますが、緩すぎる条件で戻ってきて≪秘蔵の縫合体≫を誘発する≪恐血鬼≫は放置でも構いません。こちらの勝つ条件は相手を鈍らせてその隙に殴りきることなのでそれを最優先に動きましょう。
 発掘能力を持つ生物ですが、接死能力を持つ≪匂い草のインプ≫が非常に厄介です。相手の墓地にほかに発掘能力を持つカードがない場合以外は除去しましょう。ただし、火力に関してはクリーチャーよりも相手本体に打つ方がよいです。

Ⅳ.サイドインアウト
 アウト:≪コラガンの命令≫2、≪終止≫2
  イン:≪イゼットの静電術師≫1、≪虚無の呪文爆弾≫1、≪外科的摘出≫2

 重くて打ってる余裕のない≪コラガンの命令≫と、少し重く、大抵≪致命的な一押し≫で片付くことから≪終止≫を抜き、≪恐血鬼≫、≪ナルコメーバ≫を封殺できる≪イゼットの静電術師≫と墓地対策3枚をいれます。
 サイド後はとにかく墓地対策を引くことが重要です。トリマリしてでも引きに行ってください。後手でも1ターン目に≪外科的摘出≫、2ターン目に≪瞬唱の魔導士≫でそれをフラッシュバックすれば大体勝ちです。


 さて、今回で最終回にしようと思っていましたが、思いのほか長くなってしまい、1ページには書ききることができなさそうです(汗) よって、後編をさらに前編と後編に分けることにします(?)。後編の後編(なにそれ)は来週中には書きあげたいと思っていますので、よかったらまた読んでください。
 ここまでの長文にお付き合いいただきありがとうございました、ではまた、次回!






 どうも、めるにあです。前回すぐ書くといってから一か月ほどが経ちました・・・違うんです、全部試験というやつが悪いんです。通らないと単位が出ないなんておかしい・・・!(あらかじめ勉強しとけよ定期)

その一か月にPTイクサランの相克でホロウワンやマルパイが活躍したり、神ジェイスやちあみんが解禁されたりしましたがそれはまた別記事で補足しようと思います(ホロウワンやマルパイは対戦経験不足、神ジェイス、ちあみんは存在するフォーマットで遊んだことがないので知識不足)。


 さて、そんなわけでレシピの記事からかなり経ってしまいましたが、土地16デルバー(土地16デルバーの同志が見つかったので正確には土地16グリデルかな)の解説、中編を始めていこうと思います。また長くなると思われますが、時間があればお付き合いください。



(1)キープ基準
 このデッキはデッキ名通り土地が少ないです。したがって土地は基本的には1枚でキープすることになります。土地は2枚は絶対、早めに3枚、最終的に4~5枚を目指して探していきます。また、クリーチャーはデルバーか≪若き紅蓮術師≫があればベスト、探査クリーチャーでもよし、≪瞬唱の魔導士≫はカウントに入れません(基本的には少なくとも3マナに伸びるまで出せないため)。ただし、クリーチャーに関してはドローで探して、少し後に出すのでも構わないので無かったとしてもマリガンをする理由にはなりません。マリガンをするのは基本的に、

⊡メイン
・1ターン目に動けない(ドローやデルバーが0)
・2ターン目の動きがない(ここは除去や打消しも動きとしてカウント)
・土地が多い(4枚以上)

⊡サイド後
メインの理由をベースとして
・サイドカードがなく、かつアクセスするためのドローカードがない(ただし1ターン目デルバー、2ターン目マナリークや2ターン目に≪黄金牙、タシグル≫を出せるような場合は別)

といった場合になります。1、2番目は構成上どんどん動いて墓地を肥やしたりマウントをとるため。3番目は以降の土地引きが許容できなくなるためです。4番目はこのデッキは特定のカードに素早くアクセスできるよう組んでいるため、それを活かすためです。

 と、マリガンをする基準を上げましたが、このデッキは基本的にキープはしやすいです。ほとんどのマリガン理由は【青マナが1つも出ないから】になります。こればかりは構築上避けられないので・・・しかしその確率は約14%とそこまで高いものでもありませんし、たとえ1マリガンしたとしてもそのあとのドローの不要牌は少ないためリソース勝負でも負けづらいです。(ちなみに1マリガンしても青マナが一つも引けない確率は2.6%まで下がります)

 例えばですが、≪選択≫1、≪思考掃き≫2、≪稲妻≫1土地3でもキープです。必要牌は通常ドローとドロー呪文で探せばOKです。また、≪血清の幻視≫がある場合さらにキープ基準は緩くなり、3番目の理由を満たしかつ残りの手札が除去のみか探査クリーチャーのみなどでもない限りはキープします。とにかくキープしやすいデッキですので、キープ基準に関しては以上となります。


※追記
1人回ししていて気がついた例外をいくつか。
例外1 《若き紅蓮術士》2 土地2枚以上 打ち消しor《稲妻》複数枚
これは1つめのマリガン基準に触れていますが、2ターン目に出した《若き紅蓮術士》が仮にすぐ除去されても次がすぐに出せ、なおかつ一回守れば確実に能力誘発が狙えるので例外的にキープです。

例外2 土地4 《瞬唱の魔道士》《血清の幻視》or《選択》 デルバーor《若き紅蓮術士》or《マナ漏出》
かなり特別な例です。これは3つめのマリガン基準に触れていますが、《血清の幻視》《選択》によって次の土地を引いてしまう確率を大幅にさげ、それを瞬唱の魔道士によって使いまわし、さらにドローの質を上げることができます。加えて2ターン目もほぼ相手の行動にかかわらず何かしらの行動ができるのでキープです。

(2)基本的なプレイング

 このデッキはクロックパーミッション。つまりクロックとなるクリーチャーを置き、相手を妨害しながら殴りきるのが目的となります。よって、おおまかには

・序盤
相手の最悪の脅威のみはじきつつクロックを置く

・中盤
こちらのリソースを切らさないように保ち、相手の動きを序盤より強く妨害しつつし相手のライフを削る

・終盤
可能なら相手のリソースを枯らし、≪稲妻≫+≪瞬唱の魔導士≫パックなどを用いてライフを削りきる


 といった動きとなります。ここからはそれぞれの少し細かい解説を加えていきます。なお、以下の動きはすべてメイン戦を想定したものとなります。


⊡序盤(1~3ターン)
・強いカード
≪血清の幻視≫、≪秘密を掘り下げる者≫、≪致命的な一押し≫、≪黄金牙、タシグル≫+≪思考掃き≫、≪マナ漏出≫

・意識すること(書いてある順番=優先順位)
①ドロー呪文で必要牌を探す。
 必要牌は、マッチアップごとの差異を除いて【3枚目までの土地】>【クリーチャー】>【打消し】>【除去】の順となります。ただし、手札に探査クリーチャーがあるときのみ【土地】と【クリーチャー】の間に【1コストドロー呪文(特に思考掃き)】が入ります。基本的にはこの優先順位に従って足りないものを探します。

②相手のぶん回りを阻止する。
 このデッキに搭載されている打消しは≪マナ漏出≫3枚、≪対抗突風≫2枚の計5枚。クリーチャーの脅威に対してはここに除去も加わりますが、後半≪瞬唱の魔導士≫で使いまわせることを除けば打消しは多くありません。よって1、2ターン目に相手のデッキを見抜き、的確な部分を打ち消すことが重要になります。この辺りはまた次回、マッチアップごとの解説で記述していこうと思います。

③クロックを置く
 このデッキで最初からクロックとしておくべきクリーチャーはデルバー、≪若き紅蓮術師≫、探査クリーチャーの三種です。このうちより良いのはデルバーです。1マナで置けて、妨害を構えながら高い確率で3/2飛行として確実にライフを削ってくれます。≪若き紅蓮術師≫に関しては序盤に置く場合ほぼ確実に即処理されます。したがってできれば土地が3つ以上あるときにおいて、すぐにドロー呪文を打つなり、≪致命的な一押し≫や≪稲妻≫などを構えて能力を1回は誘発できるようにしたいです。しかし、置いてターンが帰ってくればそこからは鬼のように強いクリーチャーなので次ターンから打ち消しを構えられるのであれば出してしまって構いません。最後に探査クリーチャーですが、これは【出せるなら出す】カードです。2ターン目に置ければ圧倒的優位、3ターン目でも非常に強力です。もし初手のクリーチャーが探査クリーチャーのみの場合1~3ターン目はひたすら墓地を肥やすことに費やします。なお、同時に手札にある場合の優先順位は【デルバー】>【探査クリーチャー】>【若き紅蓮術師】となります。
 ≪瞬唱の魔導士≫に関して、これは相手のターン終了時におけるのがメリットですが、基本的に能力を使用してアドバンテージを取るのに使いたいため、≪航路の作製≫を打ちたい場合のみ能力を使わずに置きます。

④土地を置く
 土地は色をそろえることを優先します。土地二枚で青青赤黒がでる(赤青+青黒)のが理想です。3つ目の土地は≪血の墓所≫がベストで、それ以降はライフや使いたいカードの色と相談です。基本土地は≪血染めの月≫があることがわかっている場合を除いてフェッチランドから持ってくることは少ないです。フェッチランドやショックランドからのダメージは痛いですが、土地3つ目までは基本必要経費だと思って諦めましょう。

⊡中盤(4~6ターン)
・強いカード
≪血清の幻視≫、≪若き紅蓮術師≫、≪瞬唱の魔導士≫、≪航路の作製≫、≪思考掃き≫、≪選択≫、≪終止≫、≪マナ漏出≫、≪コラガンの命令≫

・意識すること
①リソースを絶やさない
 このデッキは基本的に相手との対話が必要です。よってその手段=手札が切れてしまっては元も子もありません。それを防ぐのが≪血清の幻視≫による不要牌の撤去、強襲達成の≪航路の作製≫、クリーチャー回収の≪コラガンの命令、≫≪瞬唱の魔導士≫+インスタントドロー呪文などです。≪黄金牙、タシグル≫の起動能力も候補には入るのですが、これは少し重いため相手に大きな隙ができた場合のみの使用としたいです。

②相手の妨害を強める
 序盤は土地の余裕もなく、こちらの状況を整えるのが優先となるため妨害は最低限となります。その分を中盤で取り返すため、攻めるのに邪魔になるクリーチャーやこちらを先に削りきってしまうようなクリーチャーを徹底的に除去します。また打消しは相手の除去、ドローに優先して打つことで相手のリソースを減らしつつこちらの攻撃の邪魔をさせないようにします。除去に関しては【致命的な一押し】>【稲妻】>【終止】くらいの優先順位で使います。終止のみがCMC5以上のクリーチャーに対応できるためです。ただし、序盤の項の追記となりますが、《終止》と《稲妻》or《致命的な一押し》を持っていて、かつ次ターンに1マナ+2マナ、もしくは1マナ+3マナの様な2アクションを取りたい場合は終止を先に切ることもあります。≪稲妻≫を本体に打ち込むのは数枚手札にある場合や、除去がほかにありかつ手札が4~5枚以上あるとき、相手のライフが少なく2ターン程度で詰め切れるときにしてください。打消しに関しては当たり前かもしれませんが≪マナ漏出≫が効くうちに優先して使用してください。

③ライフを削る
上記した通り≪稲妻≫はクリーチャー除去に優先して使うためクリーチャーでの攻撃を通してください。ただし、クリーチャーの数は≪若き紅蓮術師≫のトークンを除いて、相手が除去を積んでいなかったり相手の手札が1枚以下にならない限りは2体程度にとどめてください。このデッキのクリーチャーは基本的に1体でライフを削り切れるようなものしか入れていません。さらにクリーチャー数は多くなく、回収も確定でおこなえるのは≪コラガンの命令≫とそのフラッシュバックのみなので、薙ぎ払われて後続が出せないと悲惨です(体験談)。マナがあまり手札にクリーチャーのみの時も打消しや除去を構えているような顔をしていてください(笑)

④5枚まで土地を伸ばす
 これはあまり優先順位は高くありません。引いた土地を置くくらいでいいです。できればフェッチランドは使えるだけ使い切ってしまいましょう。もし使い切った場合土地は6枚まで伸びることになります。ちなみに5枚までという枚数の理由は≪瞬唱の魔導士≫+≪コラガンの命令≫をするためです。


⊡終盤(7ターン~)
①相手のリソースを枯らす
 終盤のこのデッキは自分は≪黄金牙、タシグル≫の起動や≪航路の作製≫のフラッシュバックでリソースを稼ぎ、≪コラガンの命令≫ハンデスモードで相手の手札を減らすということができます。除去も≪瞬唱の魔導士≫で使いまわして盤面も掃除してしまいましょう。相手がドローが得意な色でなければわりと相手のリソースを枯らしてトップ頼みにさせることもできます。そうなれば自分の脅威を次々押し付け、トップも≪コラガンの命令≫のハンデスモードを相手のドロー後に打つことでインスタントでなければ叩き落すことができます。
 また、打消しは終盤≪マナ漏出≫が弱くなります。したがって2枚1セットで使ったり、大きい2アクションを防ぐためのカードと考えてください。一方≪対抗突風≫は非常に強力です。確定カウンターの上2点ルーズもついています。≪瞬唱の魔導士≫で打消しをフラッシュバックする場合はできるだけ≪対抗突風≫で相手の除去やドローを弾くようにしましょう。出てくるクリーチャーは1枚で、しかも出した瞬間に勝負が決まってしまうようなもの(エルドラージ3巨人など)でなければ出た後の除去で十分に対応できます。
 ちらっと出した≪黄金牙、タシグル≫の起動ですが、終盤はほぼ毎ターン使用するようなつもりで構いません。相手の手札が豊富な場合は少し怖いですが、コンボデッキでもない限り相手のエンド時に死ぬことは少ないはずです。戻すカードを選ぶのは相手ですので、事前に探査のコストに使うなり≪瞬唱の魔導士≫で使ってしまうなりしてできるだけ減らし、残った不要牌は戻されてもあまり使わないようにしておきましょう(思考掃きとか結構つい使ってしまいます)。

②相手のライフを削りきる
 コントロールと違ってクロックパーミッションは序盤から削っていきます。よって相手のライフは1桁程度まで減っているはずです。コントロールほど長くはゲームを支配してはいられないので残りはクリーチャーのアタックだけでなく≪稲妻≫≪対抗突風≫≪コラガンの命令≫を≪瞬唱の魔導士≫も合わせて駆使し、相手が体勢を立て直す前に速やかにゲームを終わらせましょう。≪稲妻≫+≪瞬唱の魔導士≫+≪稲妻≫フラッシュバックの8点パックはイゼットカラーのたしなみです。


⊡その他細かいこと
・インスタントドロー、いつ打つか
 基本的にはほかの呪文を構えるため相手のエンド時、もしくは相手の呪文への解答を探すため対応して、ということになります。が、土地を探す場合、自分の手札が2、3枚で土地が4~5枚あり、他にソーサリータイミングですることがないときには自分のメインで打ちます。また、相手のエンドに打つ場合以前の記事でも述べましたが、インスタントタイミングで始まるコンボを相手にしている場合はできるだけ土地2枚を立たせながら打つようにしてください。死にます(キキコードにやられました)

・≪黄金牙、タシグル≫の能力
 2+青青です。黒では打てません。また選ぶのは相手で、戻せるのは土地以外です。

・≪瞬唱の魔導士≫の能力
 フラッシュバックを付与した呪文はすぐに打たなければならないわけではありません。時間差で打つ場合もあります。代表的な例として、《コラガンの命令》にフラッシュバックを与えて《瞬唱の魔道士》でブロック。墓地に落ちた《瞬唱の魔道士》を《コラガンの命令》墓地回収モードを選択して回収する、などがあります。

・≪思考掃き≫について
 相手がマリガンや≪血清の幻視≫などでトップにカードを積んだらチャンスです。相手を対象にして墓地に叩き落してやりましょう。また自分が≪血清の幻視≫でトップに積んだけどそのドローでひいた≪思考掃き≫を使いたい場合にも相手を対象にします。
また、デルバーの誘発で見たカードが不要な場合ドロー前に対象自分で打つのはわりとよくあり、かつ重要です。ターンの始めに1マナ使うのは少し辛いですが、逆にいえば高々1マナです。

・探査のコスト
 土地はできるだけ追放しない。≪思考掃き≫を最優先としてドロー呪文や、≪秘密を掘り下げる者≫、中盤以降は≪致命的な一押し≫や≪マナ漏出≫など打ちづらい呪文など、≪黄金牙、タシグル≫で回収することを考えて追放します。ドロー呪文に関しては《瞬唱の魔道士》でのフラッシュバックのために残すこともあります。

・クリーチャーでのコンバットについて
 クリーチャー数の少ないこのデッキでは除去対応を前提としたアタックやブロックはあまりしたくありません。無茶なアタックブロックは相手のクリーチャーを相打ち前提でも減らしたいときにしましょう。その他は除去やスルーが基本です。ただしメインにライフゲインの無いこのデッキでは火力圏内に入るのは危険なので赤相手ならライフ4程度は保ちたいです。この場合相手のライフが多いときはデルバーを、少ないときはその他の地上クリーチャーをブロッカーとして差し出す方が最終的に勝てる場合が多いです。

・土地の置き方
 フェッチランド、ファストランド、ショックランド、基本土地の優先順位ですが、基本的に
【ファストランド】>【フェッチランド】>【ショックランド】>【基本土地】の順です。序盤での例外は手札がドロー呪文ばかりの時です。この時はフェッチランドを最優先で使います。またフェッチ&ショックインは序盤は基本躊躇なくします。しかしこのデッキはやることもないのに構えてるように見せるためにショックインすることはありません。ライフゲインがなく上記したようにアタックをスルーすることが多いため無駄なライフペイは避けたいからです。似たようなことをしたい場合フェッチランドを置いて、基本土地を持ってきて対応するようにしましょう。また、このデッキに≪山≫はないので≪汚染された三角州≫と≪沸騰する小湖≫が両方ある場合≪小湖≫から使うようにしてください。



 土地16デルバーを使用するに際しての基本的なことは以上となります。記事はわりと思い付きで書いているのでまた思いついたことがあれば追記します() また、書いてあることはあくまで目安で、場合によって変わることは多々あります(少し身もふたもありませんが)。
 前回から随分と間が開いてしまいましたが、次回は今度こそ近いうちに書ける予定です。ほんとです、たぶん・・・・(汗)次回は主なメタ上のデッキに対するときの動きやサイドインについて解説したい思います。ではまた、次回!

P.S 記事に関して意見や違うと思ったことがあればコメントや、Twitterの@melnia_mtgまでリプください!フォローもお待ちしてます、よろしくお願いします~!
 
 どうも、めるにあです。しばらくかけてませんでした(汗) 気が付いたら1月も中盤。嘘だろ・・・・

 今回は、最初はマッチアップごとの解説の予定でしたが、それ構築によるじゃん!ということに気づきまして、やっとこさ自分のレシピを紹介させていただこうと思います。一気に書くと筆者がくたばる時間がかかるので、まずはタイトル通り概要と構築から。

というわけで早速自分のデッキ、名付けて「土地16デルバー」のレシピを。


Main Deck

Sideboard


1 《血の墓所/Blood Crypt》
1 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
1 《島/Island》
4 《汚染された三角州/Polluted Delta》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1 《尖塔断の運河/Spirebluff Canal》
2 《蒸気孔/Steam Vents》
1 《沼/Swamp》
1 《湿った墓/Watery Grave》

16 Lands

4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
3 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
3 《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》

15 Creatures

2 《対抗突風/Countersquall》
3 《致命的な一押し/Fatal Push》
2 《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《マナ漏出/Mana Leak》
4 《選択/Opt》
2 《終止/Terminate》
4 《思考掃き/Thought Scour》
1 《航路の作成/Chart a Course》
4 《血清の幻視/Serum Visions》

29 Spells


60 Mainboard Cards

3 《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》
1 《イゼットの静電術師/Izzet Staticaster》
2 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
1 《払拭/Dispel》
2 《外科的摘出/Surgical Extraction》
1 《力ずく/By Force》
2 《集団的蛮行/Collective Brutality》
1 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
1 《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》

15 Sideboard Cards


 レシピは晴れる屋さんのサイト(http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD00005M/)からの引用(?)です。以前晴れる屋名古屋店の開店記念大会、「超千客万来杯」のモダンの部にて5-1で4位を取り、載せていただくことができました!mtgプレイヤーとして自分のこだわりのあるレシピで勝ち、こうして載せてもらえるのは栄光の極み。mtgを始めてからの1年で最も嬉しかったです。

 構成は基本的には前回までで紹介してきた通常のグリクシスデルバーと似ているのですが、大きな差は名前の通り土地の枚数。平均では19~20枚と紹介しましたが、自分のレシピは16枚まで減らしています。これにより減らした土地の分呪文を増やし、デルバーの変身難易度の低下はもちろん、減らした土地の代わりとなった大量の1マナドローにより不要牌を引きにくかったり墓地を肥やせたりと、使いやすさを強化することに成功しました。このデッキ最大のウリはプレイの安定感。使っていて非常にストレスが少ないです。


ここからはこの構築の特徴をポイントごとに解説していきます。

(1)メインボード

①土地と3種のドロー呪文

 まず、最大の特徴である土地枚数とドロー呪文についてです。この型では土地はマナの出る土地が7、色の安定を支えるフェッチランドが9枚の計16枚、ドロー呪文が≪血清の幻視≫≪選択≫≪思考掃き≫をフル投入で12枚です。

 クロックパーミッションとして構えることも考えるグリクシスデルバーが土地16枚でやっていけるのかというと、できます。少し上にも書きましたが計12枚積まれた1マナドロー、特にデッキトップを操作できる≪選択≫≪血清の幻視≫をガン積みすることにより、たとえ土地1枚キープでもかなり安定して3マナ程度までは伸ばすことができます。

 このことによる最大の利点は、キープ基準の緩和、および先ほども書いたプレイの安定化です。特にグリクシスデルバーのキープ基準には自分も悩まされていて、呪文基準でキープしたら土地が来ない、土地でキープしたら土地しか来ないなんてことがしょっちゅうで嫌になっていたのですが、この型はそういうことはなかなかありません。悪くてドロー呪文の重ね引きです。よって「何もできない」ターンがほぼなくなります。精神衛生上も健全です。 土地なし1マリガンがそこそこあるのはご愛敬。その後ひたすら有効牌引くので全然OKです(?)

プレイの安定化についても、ドロー呪文で必要な呪文を引っ張ってきやすく、状況に応じた動きができるようになっています。使ったドロー呪文も≪若き紅蓮術師≫がいればトークン生成もでき、さらに探査の餌にもなりと無駄がありません。≪選択≫や≪思考掃き≫に関しては、手札で≪瞬唱の魔導士≫がだぶついてしまい、相手ターンの終わりにマナが余った場合フラッシュバックをつけることでアドバンテージを稼ぐこともできます。

 ただし、メリットの多い一方でデメリットもあります。まずは、ドロー呪文を打つタイミングです。ドロー呪文を唱えるには当然マナが必要です。すべて1マナとはいえこちらはあまり土地が並びません。さらに、仮に手札に対応札がなくとも構える姿勢を見せる必要があるときもあります(相手がコンボデッキであるときなど)。適当なタイミングでドロー呪文を打ち、打消しを構えるマナがなくなってインスタントタイミングでコンボを決められて負けてしまった、ということも実際にありました。

 また、序盤2枚以上土地を置くためにはたいていの場合ドロー呪文を打たなければならず、それにより隙が生じたり、本来行いたい動きができなかったりすることがあります。どんなマッチアップにおいても土地2枚までは伸ばさなければいけませんが、3枚目は場合によっては後回しになることもあります。よって、ドロー呪文の扱いとしては、1、2ターン目はほかにしたい動き(デルバーの召喚、マナクリーチャーの除去など)がなければ積極的に打って相手に合わせたハンドを整え、以降は相手の隙をついて打つことで手札を改善していく、といった感じになります。(とはいえどうしようもない手札の場合は仕方なく構える土地が足りなくても打ちます)

 また、マナの出る土地に関してですが、ショックランド4枚、基本土地2枚、ファストランド1枚という配分になっています。重視しているのは「1ターン目に青が出せること」「3ターン目までに各1色が出せること」です。よって青が出ない土地は2/7、土地全体から見る場合1/8となっています。

 ここまで色々と書いてきたのですが土地配分に関してはまだかなり改善の余地があると思っています。その原因は「フェッチランドがすぐ腐る」「土地からのダメージが痛い」ことです。フェッチランドから持ってくることができる土地5枚に対してフェッチランド自体は9枚。当然中盤以降腐ります。腐ったフェッチランドなど紛争達成と墓地肥やしくらいしか用途がありません。また枚数を絞っている分素早く色を揃えなくてはならないこのデッキにフェッチショック(計3点ペイ。実質ボルト自分。)を躊躇している余裕は、少なくとも序盤2ターンにはありません。これでライフを払いすぎて感染の≪貴族の教主≫にライフを削りきられそうになったこともあります。よってここはまだまだ要研究です。現在は≪血染めのぬかるみ≫を≪闇滑りの岸≫に変えています。


②探査クリーチャーの配分、≪若き紅蓮術師≫ (固定枠の説明も少々)
 グリクシスデルバーのクリーチャーは、デルバー、≪瞬唱の魔導士≫はほぼ固定枠で、イレギュラーなものを除けば探査クリーチャーの枚数配分、および≪若き紅蓮術師≫の採用・非採用がポイントとなります。それぞれ順に解説していきます。

 最初に固定枠から説明します。まずデルバーこと≪秘密を掘り下げるもの≫。言うまでもないデッキの主役です。初手に出して変身させ、ぶん殴るのは最高の一言。それ以降でも構えながらわずか1マナで出せる3/2飛行は強いです。このデッキは単純計算1/2で変身するので≪さまようもの≫で終わるのはめったにありません。当然≪血清の幻視≫による変身予約ができるのは忘れずに。押されてる時に引くとキレる

 続いて≪瞬唱の魔導士≫。こいつのおかげで全インスタントソーサリーは倍入ってるようなもの。コントロール気味に動くときもアグレッシブに攻めるときもイケメンです。たまにただの2/1瞬速として出してクロックになることもあります。フラッシュバックつけたらその呪文はターン終了時までいつ使ってもよいというのは大事だけどたまに忘れる。

 次に非固定枠について、、まずは探査クリーチャーについてですが、これは中盤以降のアドバンテージ重視で≪黄金牙、タシグル≫を3枚、≪グルマグのアンコウ≫が1枚となっています。≪黄金牙、タシグル≫は4マナ支払うことで1枚墓地からカードを回収することができます。どのカードを加えるかは相手依存ですが、探査クリーチャーのコストにすることである程度操作できるこの能力は対フェアや対コントロールにおいて非常に有効です。手札でだぶついたとしても4/5のサイズを持つこのクリーチャーを放っておくことなど相手はできません。すぐ死んで2号の出番が来ます。ピン刺しの≪グルマグのアンコウ≫は流石に4積みはきつい≪黄金牙、タシグル≫の4枚目、また横にクロックを追加したいときの要員です。4/5のクリーチャー(大体≪タルモゴイフ≫か≪黄金牙、タシグル≫、≪包囲サイ≫)を一方的に打ち取れるのはえらいです。が、≪タルモゴイフ≫、≪包囲サイ≫は≪致命的な一押し≫で除去できるので実質対グリクシス専用機という感じです。

 また、≪若き紅蓮術師≫に関してですが、このデッキは1マナ呪文を大量に搭載していることから3枚採用しています。2ターン目に置いてうっかり生きて帰ってくればそのままこいつを守り切って勝ち、なんてこともあります。貧弱さではデルバーすら上回りますが、軽くて1枚で勝てるカードは貴重です。また条件の緩いトークン生成は中盤では除去に1:1交換をさせづらく、クロックを残しやすいのもクリーチャーを多く積めないこのデッキでは重要です。

③インスタント・ソーサリーの選択

 このデッキはドロー呪文が12+1枚、打消し、除去が5枚ずつ、ダメージ源も担える除去が6枚の計29枚となっています。

 まず約半分を占めるのがドロー呪文。最初に1マナのドロー呪文について、①でも少し記述しましたがそれぞれについて軽く説明します。
 ≪血清の幻視≫は初手に最もキープしたいドローです。今後のゲームプランを作り、ドローの安定化にも最も貢献します。中盤以降も不要牌をはじき全体通して無駄がないです。次に≪選択≫は初手で構える意味が薄いこのデッキでは基本追加の≪血清の幻視≫です。≪瞬唱の魔導士≫で必要牌を相手ターン終了時に探しに行けるのは≪血清の幻視≫にない強み。中盤以降なら1マナとっておけるのも便利です。最後に≪思考掃き≫は墓地肥やしがメインの仕事です。これのおかげで最速2ターンで探査クリーチャーがおけます。また占術でトップに置かれた相手の有効牌を落としたり、デルバーの変身チェックで見えた要らないカードも落とせます。トロンに対してウルザランドが落ちるのを祈って打つこともごくたまにあります。

 続いてドローの説明での最重要点、このデッキで唯一のピン積みスペルの≪航路の作成≫について。このカードはイクサランで追加されたカードで、攻撃したターンに唱えることにより(以下キーワード能力の強襲と言い換えます)わずか2マナで2ドローできる優秀なソーサリーです。クロックパーミッションであるこのデッキは毎ターン殴るのが基本なので強襲達成は容易、手軽な2ドローとなります。ただ盤面に一切干渉しない2マナなので1枚に抑えてあります。とはいえ、1マナドローとフェッチランドによって高速で山札を掘り進めるこのデッキには1枚で十分です。息切れしそうなときに唱えたり、余裕があれば≪瞬唱の魔導士≫で墓地から再び唱えたりすることで止まることなく行動することができます。特にリソースの不足しがちな対コントロールにおいてこれは重要です。さらに、仮に強襲達成していなくても、序盤は土地探し、中盤以降不要になった土地を入れ替えられるだけでも十分に優秀。これがアンコでいいのかイクサラン⁉と言いたくなる良カードです。

 続いては打消し。非クリーチャー限定の≪対抗突風≫2枚、序~中盤は実質カンスぺの≪マナ漏出≫が3枚となっています。これは、相手にダメージを与えることを重視していることと、≪マナ漏出≫が仕事をしづらくなる終盤は非クリーチャーは≪対抗突風≫、クリーチャーは豊富な除去で対応しやすくなるためです。さらに≪対抗突風≫に関しては序盤はクリーチャーを守り、中~終盤はPWなどの着地後対処しづらい脅威をはじきながら確実に相手のライフを削ってくれるため非常に優秀です。

 よく採用される≪差戻し≫や≪呪文嵌め≫は、≪差戻し≫に関しては有効牌の多さを売りとするこのデッキに、相手のリソースを減らさないカードは入れたくなかったため(打ち消される自分の呪文に打つ、というのも土地的に余裕がない)、≪呪文嵌め≫に関しては≪マナ漏出≫≪対抗突風≫以上の優先度がなく、また序盤の相手クリーチャーに関しては≪致命的な一押し≫で対応できるためこのデッキでは採用していません。

 最後に除去ですが、ダメージ源を兼ねるものを含めば11枚採用しています。再序盤を守る≪致命的な一押し≫は初手に2枚あっても問題ないため3枚。紛争達成で中型も落とせるので非常に優秀。除去できずとも「クリーチャーを対象にとる」ことはできるのも一応覚えておいてください。万能単体除去≪終止≫は試合中1枚は引きたいですが、初手2枚はきついので2枚。使う際はほかの除去で事足りるなら温存してください。火力を兼ねる≪稲妻≫は当然4枚採用。火力兼対アーティファクト兼クリーチャー回収によるリソース回復兼ハンデスと便利な≪コラガンの命令≫は複数引いてもよいのですが、初手2枚は絶対に無理、しかしカードパワーの高さも惜しいため2枚。ハンドレスの相手のドロー後にハンデスモードで打つというテクは必ず役に立ちます。ちなみにこのデッキは≪瞬唱の魔導士≫+≪コラガンの命令≫の計5マナの動きが最も重いです。基本終盤にのみできると覚えておいてください。


(2)サイドボード

 サイドボードは1種類ごとに解説していきます。さらに詳しくは別記事のサイドボード編も合わせて参照してください。

≪大爆発の魔導士≫:3枚

 対土地コンボ。特にトロンメタとなっています。≪溶鉄の雨≫でない理由は≪コラガンの命令≫での再利用(溶鉄の雨の場合5マナ必要。こちらの場合6マナだが2ターンで分割払いできる)と、赤赤が出づらいことです。クリーチャーだからほかのデッキにおいてはクロックも兼ねられたりします。デルバーと相性が悪いのがデメリットですがサイドカードを引けるならまあよし。

≪外科的摘出≫:2枚

 対墓地利用兼≪大爆発の魔導士≫と合わせて対土地コンボも。ちなみに割合は3:7くらいの気分です。基本ライフペイで打ちますが黒で打てるのも大事。対トロンではこれと≪大爆発の魔導士≫を探すのが勝利条件。ドレッジやリビングエンドにはイマイチ効きづらいのが欠点。対トロンではほぼないですが前方確認に使ったりすることもあります。今打たれて困るカードを指定して手札から吹き飛ばせたら超ラッキー。

≪虚無の呪文爆弾≫:1枚

 純粋な対墓地利用(特にドレッジやリビングエンド)。軽くて設置後はマナいらずのインスタントタイミング起爆。黒を払ってキャントリップが付くのもおいしい。本当は複数積みたいのですが≪外科的摘出≫で枠がないので1枚。≪虚空の力線≫も悪くはないのですが4枚積む枠がない。

≪イゼットの静電術師≫:1枚

 対小型決戦兵器。にっくき≪未練ある魂≫やストームの≪巣穴からの総出≫のトークンを薙ぎ払います。その他タフネスの小さいヘイトベアーズや感染なんかにも。ブロッカーにもなれます。瞬速がとにかくえらい。

≪集団的蛮行≫:2枚

 対バーン。バーンはこれさえ引ければ大体なんとかなります。単純に除去を増やしたいときにもサイドインします。-2って意外と範囲広いです。あとこのデッキ唯一のハンデスだったり。対コントロールで抜きたいものあって入れるものなかったときは入れたりします。

≪仕組まれた爆薬≫:1枚
 調節可能なインスタントタイミング全体除去。0指定でトークン吹き飛ばしたり対5c人間やヘイトベアーズで2指定して滅びもどきになったり、3マナPW爆破したりもできます。着地したエンチャントに対処できるのはこのカードのみ。あまりその用途では入れませんが。インスタントタイミング起爆できるのが本当に偉い。2マナというのも打消しと同時構えしやすいよいコスト。

≪最後の望み、リリアナ≫:1枚
 基本は対ウィニー、ほかの除去サイドインと合わせてクリーチャーの数がそこまで多くないデッキに対しては守ることによりフィニッシャーにも。それで勝てた試合も結構あります。-2能力?なにそれ?最初コントロールに対してもいれたくなりましたが奥義以外いらないのでお留守番です。

≪力ずく≫:1枚
 対アーティファクト。基本遅い。正直早く≪破壊放題≫買って入れ替えたいです。地味に高い・・・≪破壊放題≫の場合2枚破壊できるくらいが目標です。

≪軽蔑的な一撃≫:2枚
 対トロン兼対ヴァラクート兼対コントロール兼対キーカードの重いコンボ兼その他いろいろ。色拘束軽いし確定打消しだしで非常に便利。かなりお気に入りのサイドカードです。

≪払拭≫:1枚
 対コントロール兼対クロックパーミッション兼対その他インスタントの多いデッキ。メインには決して入れられませんが効くデッキにはかならず入れたい1枚。土地の伸びにくいこのデッキにとってはなおさら。



 以上が概要、および構築の解説になります。次回の後編では基本的な運用、および主なマッチアップでのサイドチェンジを解説します。次回はできるだけ早めに書きます・・・(お勉強で死にかけ)。ではまた、次回!
 おはようございます、めるにあです。今朝は寒さで三回くらい目覚めて最終的にエアコンに頼りました。カムバック暖冬!ですね。そんなわけで今回は前回に引き続き構築編サイドボードについて書いていこうと思います。

 サイドボードはテンプレと呼べるものはありません。本当に千差万別です。しかし、それで終わりでは記事にならないので、とりあえず何を対策すべきなのかと、そのために何を入れるかを各カードの解説をしながら紹介していきたいと思います。


1.対策すべき仮想敵

(1)デッキへの対策

 さて、グリクシスデルバーはとりあえず何を対策すべきなのか、第一回の相性表を覚えているでしょうか。基本的にはあの中で不利以下で、かつよく使われているデッキとの相性を改善するようなサイドボーディングをすることになってきます。というわけで、最優先で見るべきデッキは以下のようになります。

・バーン
・トロン
・ヴァラクート

以上の3デッキへの対策は捨てるのでなければ必須です。特にバーンの場合サイドボーディングで不利から微々不利くらいまで大きく相性が改善でき、メイン負けてもサイド後2戦とることもできます。トロンとヴァラクートに関しては正直かなり厳しいのですが、もともとグリクシスデルバーというデッキがプレイングで相性を補いやすいデッキなのでこれらへの対策を厚めに入れておくのは必要であると個人的に思っています。

また、モダン環境における交通事故、メイン最強と呼ばれる以下の2デッキも、相性の上ではそこまで悪くないとはいえ、対策しておくのが無難です(後述しますがこれらへの対策カードはそこそこいろんなところに刺さりますしね)

・親和
・ドレッジ

 いわゆる墓地対策、ファクト対策といわれるものですね。また、感染はいいのかという話なのですが、これは上記のデッキや、以下に書く方針のサイドボーディングをしていると勝手に対策カードが入ってくるので特別考えなくてもOKです。そして基本的なデッキの対策は以上になります。続いてデッキごとでなく、戦略へのサイドボーディングを書いていきます。


(2)戦略への対策(アーキタイプへの対策)

 ここでの対策とはどういうものかというと、いわゆる「コントロール」とか、「ウィニー」とか、少し大雑把なものへの対策になってきます。で、対策すべきアーキタイプなのですが、まさに今挙げた二つとなります。
 まずコントロールに対しては基本的にそこまで不利ではありません。が、基本的にどの環境でもよく見るアーキタイプである上に、打消しを少し濃くしたりするだけでかなり相性が良くなるので対策しておいて損はないでしょう。
 また、ウィニーに関してなのですが、グリクシスデルバーというデッキは横に並べるのが苦手です。したがって、まず小型がたくさん並ぶことにより地上生物が殴れなくなり、小型の飛行持ち、特に≪苦花≫のフェアリー・ならず者・トークンや≪未練ある魂≫のスピリット・トークンなんかが並ぶとデルバーまでも止まって誰の攻撃も通らなくなります。特にトークンを挙げたのは1枚のカードから複数出てくるためです。しかしメインから対策するとすれば≪電解≫や、無理矢理≪最後の望み、リリアナ≫を入れるしかなくなり、いずれもあまりメインから使いやすいといえるカードではありません。ゆえにサイドボードからの対策が必要となります。
 他のアーキタイプに関してなのですが、例えば「コンボ」に関してはメインから打消しを持ち殴りきるスピードも遅くはないこのデッキは五分以上を取りやすいですし、ミッドレンジ(ジャンドやアブザン)に対してはそもそも有効なサイドボードがあまりありません。したがって、コントロール、およびウィニーが対策の焦点となります。


 あとは環境ごとに流行っているデッキへの対策を入れたりするのですが、キリがないのでここでは割愛させていただきます。


2.対策カード解説

 1にて対策すべきものを紹介したので、続いてその中身について解説していきます。まず対策すべき仮想敵をまとめます。

・バーン
・トロン
・ヴァラクート
・親和
・ドレッジ
・ウィニー
・コントロール

 それぞれについて順番に有効なサイドカードを解説していきます。複数に対して有効なカードについては、仮想敵ごとに役割や意識することが違う場合のみ追記し、そうでなければ二回目以降は名前のみ書いていきます。また、メインボードの時と違い採用枚数は「採用するとしたら」を前提にしています。

(1)対バーン
 バーンは、ざっくりいえば大量のインスタントソーサリー火力と少しのクリーチャーで相手の顔面のみを狙うデッキです。したがって、火力呪文の打消しとライフゲイン、それらを駆使しながら逆に相手の顔面を先に削りきるか、相手がトップ勝負になるまで消耗させるのがグリクシスデルバーの戦い方になります。ゆえに以下のようなカードが有効になってきます。

≪集団的蛮行≫採用枚数:2~3枚
 無色1+黒1マナで、「クリーチャー一体に-2/-2修正」「2点ドレイン」「インスタントソーサリー限定のピーピングハンデス(手札を見て破壊)」のいずれかから一つを選べ、増呪という能力により唱える際に手札を1枚捨てるごとに選ぶモードを増やせる(同じモードを複数回は選べない)ソーサリーです。バーンキラーといっていい最終兵器であり、これを引ければバーン戦は相当楽になります。というのも、すべてのモードが相手に突き刺さるのです。修正により数少ない相手のクリーチャーを除去し、ハンデスで火力を抜き取り、ドレインによりライフを回復する。これを2枚もしくは1枚+瞬唱を引こうものならそのゲームはもらったようなものです。さらにそこそこ汎用性が高いのもあってほぼ固定で2~3枚採用されます。

≪ゲトの裏切り者、カリタス≫採用枚数:1~2枚
 無色2マナ+黒2マナで3/4の、絆魂(このクリーチャーがダメージを与えるたびその分ライフを回復する)をもったクリーチャーです。他に相手のクリーチャーが死亡するときに追放し、自軍に2/2ゾンビを生成する能力と、それを生贄とすることで自身に+1/+1カウンターを乗せる能力を持っています。かなり重いのが難点ですが、一度出てしまえばバーンはこれを除去するのに二枚の火力を必要とし、顔面に飛ばすべき火力を失うどころかその片方を打ち消されようものなら大損です。かといって残しておけば絆魂によりガンガン回復され自軍のクリーチャーはどんどん相手のゾンビに変えられ、≪カリタス≫に食われて絆魂の回復量が増えていく、とバーンにとっては悪夢のようなカードです。汎用性がいまいちなので多くは採用されないのですが、バーンは多いようなら文句なしで2枚採用していいだけのスペックを持っています。ちなみにグリクシスデルバーも出されると泣きます(≪致命的な一押し≫によりいくらかマシにはなりましたが)

≪払拭≫採用枚数:1~2枚
 青1マナでインスタントであればなんでも確定で打ち消すインスタントです。相手の火力呪文はインスタントが多いのでこれも採用です。≪ボロスの魔除け≫の4点火力にあてられるのが理想ですね。コントロールに対してインできるのもナイスで、ほとんど固定枠です。が、やはり打ち消せる範囲は狭いので枚数は多くの場合1枚です。

≪対抗突風≫採用枚数1~2枚
 能力はメインボード回参照でお願いします。こちらは払拭と違いソーサリーも打ち消せ、相手のライフも削れるのが優秀ですが、青黒の2マナ計なので少し重いです。が、こちらは汎用性も払拭より高いので2枚採用されることも多いです。

≪コジレックの審問≫採用枚数2~3枚
 黒1マナで3マナ以下の土地でないカードをピーピングハンデスできるソーサリーです。メインボードからだと構築を考えないとあまり有効でないハンデスですが、サイドボードとしては採用されることもままあります。対バーンにおいては相手の火力1枚と交換できるので悪くないサイドだと思います。≪思考囲い≫に関しては、4マナ以上のカードはバーンにほぼ採用されない上にライフを支払ってしまうので入りません。そもそもがライフに余裕のあるデッキではないので採用したくないというのもあります。

(2)対トロン
 3種類そろえると莫大な無色マナが出るようになり、それによりデカブツをたたきつけて勝つのがトロンです。正直に言うとトロンとの相性は最悪です。3~4ターンでウルザ土地がそろってしまった場合そこから連打される≪解放されたもの、カーン≫≪精霊龍、ウギン≫≪絶え間ない飢餓、ウラモグ≫≪忘却石≫でこちらの盤面はボロボロになります。よってメインで勝つのはほぼ不可能といっていいでしょう。可能性があるとすればこちらが2ターン以内に高打点を出せる盤面を用意し、相手がウルザトロン成立に5ターンほどかかり、かつ打消しを1~2枚用意できている場合くらいです。詳しくはマッチアップを解説する回で説明します。
 さて、肝心の対策カードなのですが、以下の2点を意識することになります。

・ウルザトロン成立の妨害
・出てくるデカブツの妨害

ということで次のようなカードが対策となります。

≪血染めの月≫採用枚数:2枚

無色2マナ+赤1マナですべての基本でない土地を山に変えるエンチャントです。普段であれば自分にとっても天敵なのですが、こと対土地コンボにおいては相手のほうが圧倒的に被害が大きくなるためサイドインされます。1枚で特殊土地をすべて封殺できるのが魅力です。ただし使う際は先にフェッチランドから≪島≫と≪沼≫を持ってきておくのを忘れないようにしましょう。

≪大爆発の魔導士≫採用枚数:2~3枚
 無色1+赤もしくは黒の好きな組み合わせ2マナで2/2に加え、生贄にすることで基本出ない土地を破壊することのできるクリーチャーです。基本的に≪外科的摘出≫と組み合わせての採用となり、≪大爆発の魔導士≫で破壊したウルザ土地を≪外科的摘出≫で軒並み追放することでトロンを一生そろわないようにできます。これらを最速で行えればかなり勝ちに近づきます。
 他の土地破壊、特によくつかわれる≪溶鉄の雨≫と比較したときのメリットは、
・クリーチャーであるためアタック・ブロックできること
・インスタントタイミングで能力を起動できること
・(青単トロン以外ではあまり意味はないですが)否認など非クリーチャー打消しにひっかからないこと
・≪コラガンの命令≫で回収できること
・色拘束が緩いこと(≪溶鉄の雨≫は無色1+赤2マナ)
です。ですがこと対トロンにおいて二枚の差はあまりありません。たしかに≪溶鉄の雨≫は≪瞬唱の魔導士≫で使いまわせるのは大きなメリットですが、それをするには5マナ必要で、そこまで引き延ばせているのであればおそらく殴りきれるでしょう。≪コラガンの命令≫で回収して別のターンに使うという手段が取れる分≪大爆発の魔導士≫のほうが優れているとすらいえるかもしれません。2点与えられるという点も一回アタックできれば同じですし、そもそもトロン戦において一回きりの2点はそこまで重要ではありません。ゆえにほかのデッキ(バントエルドラージなど)でサイドインするときにブロッカーやアタッカーになれる≪大爆発の魔導士≫のほうが優秀だと思っています。

≪溶鉄の雨≫採用枚数:2~3枚
 上で説明したため省略しますが、≪大爆発の魔導士≫と比較した際の最大のメリットは「とにかく安い」ことです。数十倍以上の差があります。なので組んだばかりであればとりあえずこちらを買っておくのがよいと思います。

≪外科的摘出≫採用枚数:2~3枚
 黒1マナもしくはファイレクシアマナ(ライフ2点で支払える)で、いずれかの墓地からカードを1枚選び、それをその墓地のオーナーの手札、山札、墓地から任意の数追放できるインスタントです。対トロンにおいては≪大爆発の魔導士≫で記述したとおりの働きをします。そのほか墓地に落ちたデカブツを追放するのもよいでしょう(特にほぼ必ず4枚採用される≪解放された者、カーン≫はねらい目です)。小技として、土地破壊を持っていなくても≪思考掃き≫を相手にあててウルザ土地を墓地に落として追放する、ということもできます(基本的には≪思考掃き≫は自分に撃った方がよいですが)。ファイレクシアゆえに≪瞬唱の魔導士≫で土地からマナを出さずに使いまわせるのも覚えておきましょう。

≪塵への崩壊≫採用枚数:2~3枚
 無色3+赤1マナで≪大爆発の魔導士≫+≪外科的摘出≫を撃てるソーサリーです。これだけ書くと強そうですが、計4マナは致命的に重いです。最速トロンに対して先攻ですら間に合いません。ゆえにあまり採用されることはありませんが、≪大爆発の魔導士≫だけでなく≪外科的摘出≫も高いため、組んだばかりであれば入れないよりはよいと思います(≪大爆発≫+≪摘出≫ワンセット5000円くらいに対し≪塵への崩壊≫は80円程度)。

 土地破壊を用いる際の注意点ですが、相手に≪森≫がある場合は特に、特殊土地を封じた後でも順調に土地を伸ばされて≪忘却石≫を置かれて起動されて時間を稼がれ、≪カーン≫や≪ウギン≫を出されてしまうこともあるので、速やかにライフを削りきるのを目指しましょう。


≪軽蔑的な一撃≫採用枚数:2~3枚
 無色1+青1マナで、点数で見たマナコストが4以上の呪文を確定で打ち消すインスタントです。対トロンにおいてはデカブツすべてに刺さるので最も強いインスタントといえるでしょう。このほかヴァラクートやコントロールに対してもサイドインできるので最近はほぼ必ず2~3枚採用されます。
 対トロンで使うときの注意として、このカードはクリーチャーも打ち消せます。よって、ほかに非クリーチャー打消しを持っている場合PW(≪カーン≫、≪ウギン≫)に対しては撃たないようにしましょう。≪ウラモグ≫が着地して泣きます。

≪対抗突風≫採用枚数:1~2枚 
 基本的は説明はバーンの項を参照してください。対トロンにおいてもPWや≪忘却石≫を確定で打ち消せるので強力で、相手がトロン探しに四苦八苦しているならトロンサーチ呪文(≪探検の地図≫や≪森の占術≫、≪古きものの活性≫)にあてても十分な仕事をします。

≪儀礼的拒否≫採用枚数:2~3枚
 青1マナで無色呪文を確定で打ち消せるインスタント。カラデシュで追加された優秀な打消しです。≪致命的な一押し≫といいカラデシュ!すごい!本当にs(ry
 デッキがほぼ無色な対トロンにおいてはかなり万能な打消しとなります。欠色をもつ≪世界を壊すもの≫を打ち消せるのも忘れないように。初手では握れば握るだけ得なので3枚採用も枠があれば普通にありえます。親和に対してサイドインできるのもグッドです。

≪否認≫採用枚数:1~2枚
 無色1+青1マナの、ライフを奪えない≪対抗突風≫です。色拘束が緩いのと、≪対抗突風≫より断然安いのでたまに採用されます。

≪疑念の影≫採用枚数:1~2枚
 青黒好きな組み合わせ2マナで、このターンの山札からのあらゆるサーチを禁じる1ドロー付きインスタントです。≪探検の地図≫や≪森の占術≫など土地サーチを封じることができます。≪ウギンの聖域≫による後続サーチを封じることもできて地味に便利ですが、少しピーキーな性能のため採用されているのを見るのは稀です。1ドローはとても偉く、先置きされた≪地図≫を無効化できるのですが、たいていの場合1枚のサーチを封じるだけなので打ち消しと変わらない場合が多かったりするためです。


その他アーティファクト破壊が採用されることもあります。これに関しては親和の項で併せて説明したいと思います。

 (3)対ヴァラクート
 山が5つ以上ある際に、山を置くたびに≪稲妻≫と同じ効果が誘発するようになる土地、≪溶鉄の先鋒、ヴァラクート≫を用いて、素早く土地加速をして相手を焼き切るのがヴァラクートというデッキです。対トロンの場合と同様に土地コンボはかなり苦手です。メインの段階で≪呪文嵌め≫や≪呪文貫き≫、≪差戻し≫を採用している場合土地加速をはじいて時間を稼いで殴りきることも可能ではありますが基本的には非常に不利です。
 対策も対トロンとほぼ同じで、相手の特殊土地を削ったり(ただしうまい人は≪ヴァラクート≫を先にはおいてくれないのでこれを直接割るのは至難の業です。)、デカブツ(≪風景の変容≫、≪原始のタイタン≪裂け目の突破≫)や土地加速をはじいて時間を稼ぎ、先に削りきるのが優先となります。要するに「土地を伸ばさせない」ことが重要です。したがって、対策カードは以下のようになります。

≪大爆発の魔導士≫
 出してパパっと適当な特殊土地割って、終わりっ!3ターン目にこれを出すために1~2ターン目にはクリーチャーを出しておきましょう。

≪溶鉄の雨≫
 上に同じ。

≪外科的摘出≫
 対トロンと違って一番追放したいものがなかなか落ちてくれません。よって入れない場合もあります。≪思考掃き≫でのラッキーを狙うのは対トロンよりは少し有効となります。

≪血染めの月≫
上記2枚と違ってこれだけは≪ヴァラクート≫を封殺できます。しかし最近は土地加速から≪殺戮の暴君≫を出されて死ぬので土地加速妨害は忘れずに。

≪軽蔑的な一撃≫
先ほども書いた≪裂け目の突破≫≪原始のタイタン≫≪風景の変容≫は通したらかなりの割合で負けです。絶対に弾いてください。また≪約束の刻≫や≪ムウォンヴ―リーの酸苔≫にもあたります。

≪対抗突風≫
軽蔑的な一撃との違いは≪原始のタイタン≫に当たらない代わりにライフを削りつつ軽量土地加速呪文にもあてられるところです。どんどん打ち消しましょう。

≪疑念の影≫
土地サーチの塊みたいなデッキなので対トロンより有効となります。ただ打ち消しでよいというのも変わりません。

(4)対親和
 0マナや1マナ小型アーティファクト、アーティファクトクリーチャーを並べて≪鋼の監視者≫≪エーテリウムの達人≫≪電結の荒廃者≫≪頭蓋囲い≫などでクリーチャーを巨大化、速やかに殴りきるというある意味モダンで最も素直なデッキです。シンプルゆえに強力で対処しづらいのですが、細かい除去や打消し、≪コラガンの命令≫を有するグリクシスデルバーは≪刻まれた勇者≫をはじけなかった場合を除き実はそこまで相性が悪くありません。したがって専用のサイドカードは1~2枚のアーティファクト破壊カードのみとなり、あとはアーティファクトクリーチャーが軒並み小型なため対ウィニーと兼用のカードをサイドインすることになります。対ウィニー兼用カードについては対ウィニーの項で詳しくは記述し、この項では名前のみ記します。

≪破壊放題≫採用枚数:1~2枚
 赤1マナでアーティファクトを1枚破壊するというシンプルなソーサリーです。特殊なのは複製という唱える際に決められたコストを任意の回数支払うことで同じ呪文のコピーをスタックに乗せる能力を持ちます。≪破壊放題≫の複製コストは赤1マナです。よって赤マナの分だけアーティファクトを破壊することができます。コピーの作るという性質上打ち消されにくいのがメリットで、一方赤マナを大量に出せない場合は破壊できる枚数も減ってしまいます。しかしそもそも大量のマナが出ないグリクシスデルバーではあまり差がありません。
 対トロンでは序盤のマナフィルターや≪探検の地図≫、中盤以降の≪ワームとぐろエンジン≫を破壊できるなどその軽さが活かせます。

≪粉砕の嵐≫採用枚数:1~2枚
無色2マナ+赤2マナですべてのアーティファクトを破壊し、再生させないという効果を持つソーサリーです。コストが重く小回りが利かないのが難点ですが、≪溶接の壺≫による再生を許さず、≪破壊放題≫に比べると色拘束が緩いのが魅力です。
 対トロンでは重すぎて話になりません。

≪汚損波≫採用枚数:1~2枚
 赤1マナで自分のコントロールしないアーティファクト1枚を破壊するか、超過コスト無色4マナ+赤1マナを支払うことですべての自分のコントロールしないアーティファクトを破壊するかを選べるソーサリーです。≪粉砕の嵐≫に比べて小回りが利きますが、超過コストは≪粉砕の嵐≫よりも無色1重く、再生も許す分器用貧乏です。最大のメリットは安いことです。
 対トロン戦を優先に考えた場合、全破壊モードで親和も見つつ元のコストの軽さから序盤を妨害できるという点で優秀と考えることもできます。

≪力ずく≫採用枚数:1~2枚
 赤1マナ+無色XマナでX枚のアーティファクトを破壊するソーサリーです。これは≪破壊放題≫に似ているのですが、比較すると破壊したい枚数+1マナ必要な分単純なマナの必要量は1多く、代わりに色拘束は非常に緩いです。≪破壊放題≫とどちらかがいいかは意見が分かれるところですが、フェッチランドからの土地の持ってきかた次第で赤マナの数は調整できる分≪破壊放題≫のほうが少しだけ上だと個人的に思っています。
 対トロン戦においては後攻初手で先手1ターン目におかれた≪探検の地図≫を破壊できない分≪破壊放題≫や≪汚損波≫に劣ります。

≪鞭打つ触手≫採用枚数:1枚
 対ウィニーサイドは対ウィニーの項で説明するといいましたが、このカードのみ少し特殊なので解説します。
 無色1+黒2マナで全体に-2/-2修正を加えます。マイナス修正ゆえに再生を許さないのも特徴ですが、それだけでは3点与え死亡したら追放する≪神々の憤怒≫のほうがよいです。このカードの特筆すべきポイントは欠色能力です。これはこれを持つ呪文を無色として扱うという能力なのですが、これによりプロテクション:有色の呪文(プロテクションは:の後にかかれた条件を満たす呪文からアタック・ブロックされず、ダメージを与えられず、対象にならず、エンチャントされず、装備できないという能力です)をすり抜けられるので≪刻まれた勇者≫を除去できるという点です。そのため親和が多いと予想される場合サイドとして使われることがあります。

≪イゼットの静電術師≫
≪神々の憤怒≫
≪仕組まれた爆薬≫

≪儀礼的拒否≫
 対トロンで説明したのと同じです。

≪コラガンの命令≫採用枚数:1~2枚
 メインからさらに追加用としてサイドに入れられる場合があります。親和にはほぼすべてのモードが有効なので当然サイドインされます。あとは詳しくはメインボードの回を参照してください。

(5)対ドレッジ
 ドレッジというのはドローの代わりにそれを持つ呪文を墓地から回収し、決まった分のカードをデッキトップから墓地に落とすという能力です。これを用いてどんどん墓地を肥やし、墓地から落ちた時に誘発する能力や何らかの条件で何度も墓地から蘇る大量のクリーチャーで殴ったり、墓地を大量に追放することで大量ダメージを与えられる≪燃焼≫で焼き切ったりするデッキです。よって最も有効な対策は墓地の追放となります。しかしグリクシスデルバーは自身も墓地を利用するデッキであるため、相手の墓地のみを追放できるカードが用いられます。また手札を入れ替える呪文、いわゆるルーティングを多用するデッキであるため、それを打ち消せるカードも有効となります。グリクシスデルバーはメインから打消しをそれなりに採用し、殴るスピードも遅くないため墓地へのカードの落ち方次第ではルーティングをはじき切り先に殴り勝つこともできるため、専用サイドは少なめです。また、≪秘蔵の縫合体≫を除き場に出るクリーチャーのほとんどがウィニーのため対ウィニーサイドが入れられる場合もありますが、再展開のスピードの差から≪イゼットの静電術師≫≪神々の憤怒≫を除きあまり有用であるとは言いづらいです。

≪虚無の呪文爆弾≫採用枚数:1~2枚
 無色1マナで、タップして生贄にささげることで対象のプレイヤーの墓地をすべて追放するアーティファクトです。加えて墓地に落ちた時に黒1マナを支払うことことで1ドローもできるため腐りにくく優秀です。マナがなくとも墓地追放はできるため、ドローを惜しんで使いどころを間違えないようにしましょう。追放できるのは一回だけのため、墓地を貯めなおされてしまうのが欠点です。

≪虚空の力戦≫採用枚数:3枚
 無色2+黒2マナで対戦相手の墓地にカードが落ちる際それを追放するようにできるエンチャントです。ただしゲーム開始時に手札にある場合コストを支払わずに唱えることができます。先ほど専用サイドは少なめといったのにもかかわらず3枚なのはこのためです。コストを支払わずにドレッジを完全封殺できるのは大変優秀ですが、複数引くと本当に邪魔です。ドレッジのように墓地さえ封じてしまえばほぼ怖いものがないデッキの場合は最強といっても過言ではありませんが、単純に墓地対策としてみた場合デッキに引きたくないカードをあまり入れたくないグリクシスデルバーでは≪虚無の呪文爆弾≫とは一長一短です。

≪外科的摘出≫
 1枚しか追放できないので特別有効というわけではありませんが、≪恐血鬼≫や≪秘蔵の縫合体≫のように簡単によみがえる厄介なクリーチャーを一気に追放できるのが魅力です。

≪対抗突風≫
 ルーティング呪文、もしくは≪燃焼≫をはじきましょう。

≪イゼットの静電術師≫採用枚数:1枚
 詳しい能力は対ウィニーの項で解説しますが、≪恐血鬼≫を封殺できたり≪ナルコメーバ≫や≪傲慢な新生子≫を破壊できることから有効です。

≪神々の憤怒≫採用枚数:1~2枚
 こちらも詳しい能力は対ウィニーの項で解説しますが、死亡したクリーチャーを追放する能力から、墓地からの復活を阻止できるため有効です。≪イゼットの静電術師≫と違い自陣も巻き込むため使うタイミングには注意しましょう。


(6)対コントロール
 実は対コントロール用のカードはここまでに主なものはほぼ出尽くしてます。つまり追加の打消しです。コントロールとの対戦の要点はいかに致命的な除去をはじき(特に≪至高の評決≫を除く全体除去)、いかに大事な呪文への打消しをはじき、いかに相手の脅威をはじくか、ということになってきます。サイドボーディングというよりプレイングがより大事になってくるマッチアップです。とはいえそれではこの項の意味がなくなってしまうので解説していきます。

≪払拭≫
 対コントロール最終兵器です。採用枚数の2倍の回数(≪瞬唱の魔導士≫をカウント)だけ、青1マナですべての打消しに勝つことができます。よっていかにこのカードをうまく使うかが重要になってきます。絶対に通したい呪文を通すため、もしくは絶対に通したくない呪文を通さないために使ってください。

≪対抗突風≫
 打消しに加えてフィニッシャーとなるPWをはじくこともでき、ライフも削ることのできるこのカードは当然有効です。払拭と比べて重く色拘束が強いので使うタイミングには注意してください。

≪軽蔑的な一撃≫
 ≪謎めいた命令≫や、重めのPW、その他フィニッシャーとなる重量級クリーチャーを確定で打ち消すことができるのでとても有効です。場合によっては≪払拭≫と同じかそれ以上に重要であるといえるでしょう。

≪イゼットの静電術師≫
 青絡みのコントロールの場合たいてい採用される≪瞬唱の魔導士≫や≪ヴェンディリオン三人衆≫、グリクシスコントロールの≪若き紅蓮術師≫などを封殺できるためそこそこ有効です。

(7)対ウィニー
 いよいよ最後の項となります。対ウィニーに関しては全体除去や継続的に除去をできるカードが有効なサイドボードとなります。よって以下のようなカードが採用されます。

≪イゼットの静電術師≫採用枚数:1枚
 無色1マナ+赤青それぞれ1マナで、0/3、瞬速を持つクリーチャーです。重要なのがその能力で、タップすることで対象のクリーチャーとその同盟クリーチャーすべてに対して1点ダメージを与えます。この能力と瞬速により、相手のアタックに合わせて唱え、パワー2以下をブロックしつつタフネス1のクリーチャーを破壊する、ということができます。さらにタフネス3や4のクリーチャーに対して能力を使うことで、それぞれ≪コラガンの命令≫と≪稲妻≫の射程圏内にすることができたりほかのクリーチャーでチャンプブロック(一方的に倒されるとわかっていてブロックすること)し、このクリーチャーを瞬速で出してとどめを刺す、なんてこともできる非常に器用なカードです。使うとわかりますがものすごく強いです。イゼットは最高だってはっきりわかn(ry
 ≪未練ある魂≫もこれ1枚ですっきり!親和の細かいアーティファクトクリーチャーや並んだエルフ、ヘイトベアーズやデスタクの≪スレイベンの守護者、サリア≫をはじめとした厄介なクリーチャーも破壊し、≪極楽鳥≫や≪貴族の教主≫も即全滅!イゼット!すごい!本当にすごi(ry。
 対コントロールや同型において自分の≪瞬唱の魔導士≫を巻き込んでしまったりするのはご愛敬。

≪神々の憤怒≫採用枚数:1~2枚
無色1+赤2マナで全体に3点ダメージと、そのターン巻き込まれたクリーチャーが死亡するなら代わりに追放するという能力をもつソーサリーです。色拘束は重いものの追放効果はとても優秀で、再生を禁じたり、死亡時の能力、特に頑強や不死といった蘇る能力を持ったクリーチャーを封殺したりできます。ただし自軍も探査クリーチャー以外はすべて巻き込まれて死亡するという点には注意してください。

≪鞭打つ触手≫採用枚数:1~2枚
 親和の項で説明したため詳細は省きます。マイナス修正と欠色により様々な耐性を持つクリーチャーを除去できるのが強みで、その代わり≪神々の憤怒≫より範囲が狭いのが欠点です。

≪仕組まれた爆薬≫採用枚数:1~2枚
 無色Xマナで、烈日というコスト支払い時に払ったマナの色の数だけカウンターが乗って場に出る能力を持ち、無色2マナ払い生贄にささげることで乗っているカウンターと同じコストを持つパーマネントをすべて破壊するアーティファクトです。破壊範囲を調節できること、インスタントタイミングで起爆できること、0マナでおくことでトークンを2マナで一掃できること、パーマネント破壊なのでエンチャントやアーティファクト、さらにはPWまでも破壊することができるのが魅力です。グリクシスデルバーにはアーティファクト回収手段がないため≪思考掃き≫などで一度墓地に落ちると使えなくなるのが難点ですが、≪未練ある魂≫≪ワームとぐろエンジン≫などの厄介なトークンや、エンチャント、特に致命的となる≪安らかなる眠り≫、また≪ヴェールのリリアナ≫をはじめとする厄介な3マナPWを除去できるのは強力です。さらに、ヘイトベアーズや5色人間、エルフ、マーフォークなど、クリーチャーのコスト域が固まったデッキに対しても有効です。
 注意点として、これを唱える際は多色土地から出すマナの色をしっかり宣言しましょう。

≪最後の望み、リリアナ≫採用枚数:1~2枚
 無色1+黒2マナで、+1能力で最大1体の対象を選び-2/-1修正、-2能力で自分のデッキトップから2枚墓地に落としたうえで自分の墓地の任意のクリーチャー一体を回収、-7能力で「自ターン終了時に場の2/2ゾンビトークンの数+2体の2/2ゾンビトークンを生成する」能力を持つ紋章を得るという3つの能力を持ったPWです。基本的に+能力を連打してクリーチャーを除去、ないしは弱体化させつつ忠誠度をため、-7能力、通称奥義によって紋章を得ることで大量のゾンビを生成しフィニッシャーとする、というのが使用法となります。
 ウィニーを毎ターン1体除去しつつ勝ち手段にもなる、というのが非常に強力で、デッキによってはこれを全力で守って奥義をうつことを勝利条件としてゲームを進めていくこともあります。ですが、やはりそのコストと色拘束からメインに採用するのは難しいためサイドからの採用となります。このカードが有効にサイドインできるのは基本的に相手のリソース獲得手段は多くないがクリーチャーの殴り合いでは間に合わず、守りに徹した方がよい場合が多くなります(同盟者や5c人間、ヘイトベアーズなど)。白黒トークンやアブザンに対しても≪未練ある魂≫対策で入れるのですが、1ターンに一体しか除去できないためたいていは時間稼ぎにしかならず数で攻められあえなく破壊される場合が多いです。しかし、刺さるデッキに対しては本当に1枚で勝てる良カードです。



 さて、以上でサイドボードの説明はすべてとなります。また思ったより多くなってしまったため自分のレシピの解説は先送りです(いつになるやら)。このカードも有効だよ、こんなのは入らないのという質問があればどんどんコメントや、Twitterのめるにあ(@melnia_coj_mtg)までリプください。見落としている場合や気づいていないことも多々あります(ポンコツ)。
 来週は少し忙しいため次回の更新は少し遅れてしまうと思いますが、次はマッチアップごとの解説を、今回できなかったところやしなかったアーキタイプを重点的にしていきたいと思います。
ではまた次回、おやすみなさい・・・

 こんにちは、めるにあです。今回は前回の予告通りグリクシスデルバーのレシピのうち、メインボードの解説をしていこうと思います。内容としては、最初に大体の枚数配分を例を示して解説し、その後各カードについての解説をしていこうと思います。自分の変なレシピも最後に解説していくのでよければお付き合いください。*筆者が書いている途中に力尽きたため自分のレシピは次回のサイドボード編の最後に併記します、申し訳ありません。


1.レシピ概要解説

 まずは一般的な構築の概要を説明していきます。レシピは晴れる屋さんのデッキ検索のページから、最新で載っていたものをお借りしました。


1 《血の墓所/Blood Crypt》
4 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
2 《島/Island》
1 《山/Mountain》
4 《汚染された三角州/Polluted Delta》
1 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1 《尖塔断の運河/Spirebluff Canal》
2 《蒸気孔/Steam Vents》
2 《沼/Swamp》
2 《湿った墓/Watery Grave》

20 Lands

4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
3 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
2 《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》

14 Creatures

3 《致命的な一押し/Fatal Push》
2 《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《マナ漏出/Mana Leak》
2 《差し戻し/Remand》
2 《呪文貫き/Spell Pierce》
2 《終止/Terminate》
4 《思考掃き/Thought Scour》
4 《血清の幻視/Serum Visions》

26 Spells


60 Mainboard Cards

引用元:http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD07013K/

 高いからか沸騰する小湖と血染めのぬかるみの枚数が逆になっていますが、こんな感じが一般的なグリクシスデルバーのメインボードとなります。

 土地は、フェッチランドが8~9枚(最近は9枚が多いです)、ショックランドが4~5枚、ファストランドが0~2枚、基本土地が4~5枚で計18~20枚というの配分が多いです。三色で、かつ序盤から積極的に動いていかなければならないこのデッキはマナスクよりも色事故が怖く、レシピからもわかる通り青くない土地は全体の四分の一ほどになっています。
 
 各ランドの枚数としては、フェッチランドが青がらみの≪沸騰する小湖≫、≪汚染された三角州≫が4枚ずつにレシピによって赤黒の≪血染めのぬかるみ≫が1枚。ショックランドが赤青の≪蒸気孔≫が2枚、その他の組み合わせの≪湿った墓≫≪血の墓所≫が1枚ずつ、レシピによって≪湿った墓≫がもう1枚。ファストランドとして青がらみの≪尖塔断の運河≫≪闇滑りの岸≫が、どちらか1枚もしくは両方1枚ずつもしくは0枚。基本土地が≪島≫2枚≪沼≫1枚≪山≫1枚、レシピによって沼がもう1枚といった感じです。沼に関しては以前はほぼ1枚だったのですが、最近では≪致命的な一押し≫の存在から少し黒マナを濃くした構築が多いように思います。また、山の枚数が少なめなのはショックランドから赤マナが3つ出るのと、≪血染めの月≫(すべての基本出ない土地を山に変えるエンチャント。天敵。)を置かれても赤は出るから、というのが理由だと自分は考えています。

 続いてクリーチャーなのですが、土地を例えば20枚入れると残りは40枚。このうち24~26枚はインスタント、もしくはソーサリーにしたいです。なぜなら≪秘密を掘り下げるもの≫が変身してくれなければ話にならないから。のちに解説する≪血清の幻視≫で積み込みも可能とはいえその枚数はわずか4枚。構築段階から変身しやすくなければ辛いです。そんなわけで入れられるクリーチャーの枚数はこの場合16枚がほぼ最大です。

 この内訳としては、≪秘密を掘り下げる者≫が4枚、≪瞬唱の魔導士≫が4枚、≪黄金牙、タシグル≫≪グルマグのアンコウ≫の探査生物が3:1or2:2の計4枚。ここまでが固定で、あとの2~4枚は≪若き紅蓮術師≫がもっとも一般的で2~3枚、あとは≪ヴェンディリオン三人衆≫が1~2枚入ることもあります。計4枚入れるときは≪紅蓮術師≫3枚≪ヴェンディリオン≫1枚といった感じです。
 
 固定クリーチャーの枚数の理由としては、≪秘密を掘り下げる者≫は初手にあってほしく、かつ複数あっても嬉しいため4枚。≪瞬唱の魔導士≫は腐ることがあり得ないため4枚。≪黄金牙、タシグル≫は初手にあったら嬉しいですが「伝説のクリーチャーである」という理由から2~3枚。その穴を埋める≪グルマグのアンコウ≫が1~2枚。

 もしその他のクリーチャーをメインボードに入れる場合、CMC3マナのクリーチャーは多くて2枚。2マナのクリーチャーでも(≪瞬唱の魔導士≫除いて)4枚程度。1マナのクリーチャーならインスタント・ソーサリーの枚数と相談してください。

 また、色拘束に関しては、赤や黒のダブル以上のシンボルは入れない方がよいと思います。そんなに自由に色出ないです。3マナクリーチャーの枚数も、クロックパーミッションの性質上できるだけ打消しを構えながら動かなければならないので土地2枚は起こしておきたいのですが、3マナクリーチャーを使うとなると土地が5枚必要になり、毎回そこまで伸ばすのはとてもつらいため最大2枚としています。

 最後にインスタント・ソーサリーですが、手数の多さを武器とするため1マナの呪文がとても多いです。例に出したレシピの場合≪血清の幻視≫4枚、≪思考掃き≫4枚、≪呪文貫き≫2枚、≪致命的な一押し≫3枚、≪稲妻≫4枚の計17枚と、26枚のうち65%もの領域を占めています。探査クリーチャーや≪瞬唱の魔導士≫を用いることからもこのくらいの枚数は必要です。残りのマナ領域としては、3マナが2~4枚、残りが2マナといった感じになります。3マナが最大でも4枚なのはやはり手数を取りたいというのと、クリーチャーの時と同様に3マナの呪文を唱えてしまうと打消しを構えるのが難しくなるためです。

 この内訳ですが、まず1マナのものが≪血清の幻視≫4枚、≪思考掃き≫4枚、≪稲妻≫4枚が固定で、ほぼ固定で≪致命的な一押し≫が3~4枚、あとは≪呪文貫き≫が2枚もしくは≪呪文嵌め≫が2~3枚、たまに≪思考囲い≫や≪コジレックの審問≫が3~4枚入っているときもあります。続いて2マナのものが≪マナ漏出≫が2~3枚、≪差戻し≫が2枚か0枚、≪終止≫が2~3枚、≪対抗突風≫0~2枚あたりが、種類はほぼ固定で、枚数は人によってまちまちに入っています。最後に3マナのものですが、≪コラガンの命令≫が1~2枚のみのものが最も多く、たまに≪電解≫が1枚、ごくごくたまに追加の≪コラガンの命令≫が1~2枚入っていることがあります。

以上がグリクシスデルバーの大体のレシピ解説となります。


2.各カード解説

 土地、クリーチャー、インスタント&ソーサリーの順に、先ほど1で挙げたカードについて説明していきます。土地については各種類ごとにまとめて書いていきます。


(1)土地
・フェッチランド
 ≪沸騰する小湖≫採用枚数:4枚
 ≪汚染された三角州≫採用枚数:4枚
 ≪血染めのぬかるみ≫採用枚数:1枚
 1ライフ払い生贄にすることでデッキからそれぞれの色に応じた基本土地タイプを持つ土地(ショックランド、基本土地など)を持ってこられるトランプでいうジョーカーのような土地です。色が大事なこのデッキでは当然重要で土地のうち約半分を占めます。さらにゲーム中デッキから土地を減らせるというのも重要でできるだけトップをデルバー変身のためのインスタントソーサリーや、単純に有効牌にしておくという点でも役に立ちます。
 枚数配分は上記の通り赤青:青黒:赤黒=4:4:1となっています。このうち赤青の≪沸騰する小湖≫は非常に高価なので最初は赤黒の≪血染めのぬかるみ≫を4枚にするのもよいと思います。この二種類の差は≪島≫を持ってこられるかどうかというところなのですが、使い始めのころはぶっちゃけわかんないです。自分も最近やっと実感してきました(笑) 高くてなかなか組めなくて練習ができない方がよっぽど損なので妥協でもとっとと組んで使い始めましょう。
 ≪島≫を持ってこられることによるメリットとしては、
 ・血染めの月への耐性(早めに確実な青マナを確保できる)
 ・対バーンにおけるライフの節約(後述しますがショックランドはライフ支払いが必要です)
の二点が主なところとなります。大きいには大きいのですが、それ以上に≪小湖≫の値段が大きいです(他2種の約4倍)。

ショックランド
≪蒸気孔≫採用枚数:2枚
≪湿った墓≫採用枚数:1~2枚
≪血の墓所≫採用枚数:0~1枚

 それぞれの色に応じた基本土地タイプを持ち、2点のライフを支払うことでアンタップインできます。ライフさえあればいつでもアンタップインでき、フェッチランドから持ってくることができるのが強みです。しかしライフぺイもなかなか痛いので、枚数は4~5枚程度です。色の配分は赤青:青黒:赤黒=2:1~2:0~1となっています。≪湿った墓≫と≪血の墓所≫の採用枚数については1:1か2:0か2:1のいずれかとなり、どの色マナを必要とするかや、そもそもの土地の枚数の調整で変わったりします。もっとも一般的なのは1:1です。フェッチランドから持ってくるときのテクニックとしてすぐにそのマナが必要でなければ相手のターン終了時にタップインするというのはライフゲインの手段がなくメインでショックイン(ライフペイしてアンタップインすること)を多くするこのデッキではとても重要です。

・ファストランド
≪尖塔断の運河≫採用枚数:0~2枚
≪闇滑りの岸≫採用枚数:0~1枚
 
 これを置く前の自分の土地が2枚以下であればアンタップインするという少し変わった土地です。序盤にアンタップインできることと、ショックランドと比べてライフを払わなくてよいというのが大きな強みです。しかし、基本土地タイプを持たないためフェッチランドから持ってこられないことと、後半土地が並んでいる状態ではタップインとなってしまうことがデメリットとなります。このデッキではフェッチランドから持ってこられないというのが大きな弱みとなるため、採用枚数は控えめです。色の配分は赤青:青黒=0~2:0~1となり、パターンとしては0:1、1:0、1:1と様々で、これに関しては自分もまだ正解がわかりません。序盤ライフ要らずのアンタップインは非常に優秀なのですが、後半土地をひいている場合ではないこのデッキではいれすぎるとデッキ圧縮のためでもあるフェッチランドが腐ってしまう原因にもなります。
 赤黒が採用されないのは序盤に青マナが出せない土地は必要ないためです。初手で血清の幻視や秘密を掘り下げる者があっても唱えられないのは話になりません。これが血の墓所が0枚採用もありうる理由でもあります。

・基本土地
≪島≫2枚
≪山≫0~1枚
≪沼≫1~2枚
 説明するまでもない基本土地。これは基本的には色の配分は青:赤:黒=2:1:1です。このデッキにおける基本土地というのは以下の3点で用いられます。
・ライフが節約できるフェッチランドから持ってくる色土地
・≪血染めの月≫対策
・≪流刑への道≫≪幽霊街≫≪廃墟の地≫などの補填として基本土地を持ってこさせるもの用
 よって≪血染めの月≫置かれた際にほしい色マナの数が配分を考える際の最大のポイントになります。山が0枚採用もありうるのは≪血染めの月≫をおかれればどうせすべての基本出ない土地から赤マナが出るためです。枚数に関しては3点目の補填用というのが焦点になりますが、≪流刑への道≫は瞬唱で使いまわされるし土地破壊土地2種は枚数的にすべてに対して土地を持ってくるのは不可能なのでそこまで重要視していません。ゆえに土地による土地破壊にはとても弱いです。がんばってください(他人事)。かといって枚数たくさん入れるのは有効牌引けなくなるわ初手1色しか出ないわで悲惨なので絶対にやめましょう。使っててぶちぎれることになります。


(2)クリーチャー

≪秘密を掘り下げる者≫採用枚数:4枚
 デッキの主役。3ターン以上連続で裏返らず「なんだこの雑魚」とキレることもままあります。逆に初手デルバーからの次ターン2マナ打消し公開変身はたのしすぎて脳内麻薬すごいことになります。ヘイヘーイ!除去撃って来いよオッラーン!なお重ね打ちされて結局死にます(つらい)。なんだかんだ書きましたが1マナ3/2飛行は優秀です。マイソウルカード!たいていの場合は引いたら即出しましょう。手札にいても邪魔です。打消しを構えられるのが理想。

≪瞬唱の魔導士≫採用枚数:4枚
 超パワーカード。瞬速(インスタントと同様に唱えられる)をもち、登場時に墓地のインスタント・ソーサリー1枚を選びそのターンだけ墓地から唱えられるようにするという(詳しくはフラッシュバックという能力を調べてください)アドの塊。稲妻素撃ちからのこれでもう一回唱えて4マナ6点火力!は強力の一言。このカードのおかげでこのデッキのあらゆるインスタント・ソーサリーは採用枚数+4枚でカウントできます。後述する≪コラガンの命令≫を唱えてこのカードを回収しながらもう1枚アドをとるのは鬼です。
 忘れてはならないのがこのクリーチャーはなぜかパワーも2あること。効果を考えずに相手のターン終了時に出して殴るというのもよくあります。

≪黄金牙、タシグル≫採用枚数:2~3枚
 無色5+黒1マナという重いクリーチャーなのですが、探査という能力により
墓地にあるカード1枚で無色1マナを代用できるため黒1マナで出せるのもザラにあります。そのくせにサイズは4/5としっかり重量級。加えて無色2+青か緑から2マナ支払うことにより墓地から呪文を回収できるという能力もあるため長期戦にも非常に強いという素晴らしいカードです。
 唯一欠点となるのが伝説のクリーチャーであることで、2体以上同時に出すことができません。ゆえに複数引くとちょっと腐ってしまったりもしますが、相手からするとこんなクリーチャー放っておくわけにはいかないのでわりとすぐに再び出せるようになります。が、この点が採用枚数が2枚か3枚で割れる理由です。

≪グルマグのアンコウ≫採用枚数:1~2枚
 無色6+黒1になった≪タシグル≫。代わりにサイズが5/5になり、伝説でなくなりました。墓地を食べる枚数が増えるためタシグルと合わせて4枚になるように採用されます。5/5というサイズは4/5と大差ないように見えますが実は大きく、4/5を一方的に倒せ、5/5と相打ちを取れるのは優秀です。≪タシグル≫はもちろん≪タルモゴイフ≫とか≪タルモゴイフ≫とか、あと≪タルモゴイフ≫とかに有効です。
 ≪タルモゴイフ≫のことで追記なのですが、≪タシグル≫も合わせ探査クリーチャーは自分の墓地を任意に減らすことができます。これにより≪タルモゴイフ≫のサイズを縮めることができるというのは覚えておいてください。加えて探査能力はコスト支払いなので割り込んで墓地を追放される、ということが起きないというのも覚えておくとよいです。

≪若き紅蓮術師≫採用枚数:0or2~4枚
 自分のインスタント・ソーサリーを唱えると1/1の能力を持たないエレメンタル・トークンがでるという能力を持ったクリーチャーです。このデッキのクリーチャーの枚数が少ないという部分をカバーしてくれ、大型の地上クリーチャー(飛行を持たないクリーチャー)へのブロッカーを用意してくれたり、これ1枚とそのトークン軍団だけですごい打点を出してくれたりします。本体が2/1と貧弱ですぐ死んでしまうのが欠点ですが、1度でも能力を誘発させることができれば損にはならない優秀なクリーチャーです。クリーチャーを切り詰めるデッキでは採用されないこともありますが、軽いインスタント・ソーサリーを大量に搭載したこのデッキとはかみ合うため一般的に2~4枚ほど採用されます。枚数は除去されやすいという点から2枚だったり逆に除去されてもおかわりできるように4枚だったりいろいろです。1枚積みはサーチできるわけでもなく、≪コラガンの命令≫が4枚積みならいざ知らず、基本的には任意に回収することはできない上に相手に干渉できるカードでもないのでお勧めしません。

≪ヴェンディリオン三人衆≫採用枚数:0~2枚
 無色1+青2マナと色拘束がきつい代わりにパワー3、瞬速、飛行に加えて相手のハンドを見て気に入らないカードがあればドロー1枚と引き換えにデッキボトム送りにできるという疑似ハンデス能力まで持ったスーパークリーチャーです。相手のドロー後に投げつけることを「ドローステップにえいっ」というのはmtgではあまりにも有名ですね(?)。ゆえにグリクシスデルバーでも採用されることがありますが、その重さと色拘束から枚数は1~2枚と控えめです。≪若き紅蓮術師≫と違って疑似ハンデスで除去をはじけること、飛行と3あるパワーによりこれ1枚で殴り勝てることもあることから1枚採用も視野に入ります。三人はどういう関係?(突然のホモ)

(3)インスタント・ソーサリー

≪血清の幻視≫採用枚数:4枚
 1ドロー後に占術2(デッキトップ2枚を見てトップボトムに好きなようにおける能力)というシンプルながらも強力なソーサリー。デルバーのためにトップをインスタントソーサリーにしたり、単純に次のドローの質を上げたりと序盤から終盤まで腐ることがありません。初手これと青土地1枚あるからキープ、なんてのも普通にあるくらいには頼りになります。
 似たようなカードに最近イクサランにてモダンに帰ってきた≪選択≫がよく比較対象に挙げられ、様々な意見がありますが、少なくともこのデッキにおいては≪血清の幻視≫が圧倒的に優先です。デルバーの変身はいうまでもなく、また土地を安定供給するという点においてはこちらのほうが上であるためです。

≪思考掃き≫採用枚数:4枚
 青1マナどちらかのデッキトップを2枚落とし1ドローできるインスタント。このデッキでは探査のための墓地肥やし要因として用いられます。軽いドローであるのもポイントです。また、墓地がもういらないときやコンボ相手などで相手が占術などでトップに置いたカードを叩き落す、なんてこともできます。
 小技として、デルバーの変身チェックで見たカードがいらない場合ドロー前にこれで落として有効牌をひきにいく、というのは覚えておくと便利です。

≪呪文貫き≫採用枚数:0or2枚
 青1マナでクリーチャーでない呪文に対して2マナ払うことを要求するインスタント。序盤の除去を打ち消したりコンボを妨害したり打消し合戦の締めに使ったり色々で、基本的にあまり強くないのですが軽いことが価値となるこのデッキでは採用されることもあります。
 これに限ったことではなくマナ要求型の打ち消し全般の小技として、わざと相手が払えるのをわかってて撃ち、土地を寝かせることで次のターン安全に動けるようにする、というのは覚えておくとたまに役に立ちます。
 枚数が0or2というのは、序盤に使いたいのにピン積みでは引ける望みが薄く、かといって序盤以外ではとても弱いため積むなら2枚となるためです。

≪呪文嵌め≫採用枚数:0or2~3枚
 青1マナでCMC(点数で見たマナコスト)が2である呪文を確定で打ち消すインスタント。≪呪文貫き≫とどちらかが採用されるのが一般的です。こちらの強みは条件を満たせば青1というとても軽いコストで確定打消しが飛ばせることと、モダン環境において2マナというのは強力なカードが多いということです。弱みは当然ですが2マナ以外の呪文には全く意味がないこと。どちらを採用するかは環境や構築次第だと思います。
 こちらが3枚採用もあるのは前述したとおりモダンには2マナのカードが協力で非常に多く、確定打消しであるため腐ることが少ないからです。

≪稲妻≫採用枚数:4枚
 赤1マナで3点ダメージ。原点にして頂点。赤を使う最大の理由です。クリーチャーやPWの除去に使うもよし。ライフを削るもよし。あとは特に説明することはありません。

≪致命的な一押し≫採用枚数:3~4枚
 黒1マナ2マナ以下のクリーチャー確定除去、さらに自分のパーマネントが場を離れることで満たされる紛争という条件達成時は4マナまで除去可能。霊気紛争で追加された非常に強力で軽い除去です。紛争はおもにフェッチランドにより達成します。本来相手に除去された仕返しというデザインのはずなのになんというマッチポンプ。完全に逆恨みですね。
 モダン環境において4マナまで除去できるのはほぼすべてのクリーチャーに対処できるのと等しいので本当に優秀です。ミラーマッチやグリクシスシャドウにおいて探査クリーチャーを除去できないのは注意しましょう。
 このカードによる最大の恩恵は、≪天界の列柱≫や≪難題の予見者≫といった厄介な4/4クリーチャーを1マナで除去できるようになったことです。今までは≪終止≫や、≪稲妻≫2枚などでの除去しかなかったため非常にありがたい。しかし、紛争が達成できなければ2マナしか除去できないという点から、4枚採用されることは少なく、3枚に抑えて≪終止≫と併用する、というのが多いです。

≪思考囲い≫≪コジレックの審問≫採用枚数:0or3~4枚
 詳細は割愛しますが、ともに黒1マナで打てるハンデスです。軽いため1ターン目のアクションとして採用されることがありますが、後半トップから引くと非常に弱いためお勧めしません。そんなもの引いていられるほどグリクシスデルバーというデッキはリソースが潤沢ではありません。

≪マナ漏出≫採用枚数:2~3枚
 無色1+青1マナであらゆる呪文に3マナ要求で打ち消すインスタントです。グリクシスデルバーにおいて最もよく使われる打消しといっていいと思います。なんにでも打てるというのは非常に優秀で、3マナというのも中盤までは容易に支払えるものではないため、ほぼ確定打消しとして使えます。色拘束が青1というのもとても優秀。打消しがたくさんほしいときは3枚、そうでなければ2枚採用が一般的です。

≪差戻し≫採用枚数:0or2枚
 無色1+青1マナでどんな呪文も確定で打ち消せ、1ドローもついてくるインスタントです。当然それだけなわけはなく代わりに打ち消した呪文は持ち主の手札に戻るため再び唱えられてしまうという欠点があります。しかし1おろーによりアド損しないため、素早く攻め切ることに重点を置いたり今をとりあえずしのぎたいときなどにとても優秀です。また初手でデルバーを出しこのカードを構えることができれば基本的に1アクションしか取れない序盤ではかの≪Time Walk≫のように相手のターンを何もさせずに終わらせることもできます。
 また打ち消されそうになった自分の呪文に向けて撃つことで相手の打消しを空振りさせてアドをとるというテクニックは絶対に覚えておいてください。特にコントロールや同型とのリソース勝負になったときとても重要です。
 0枚採用もありうるのは、ただでさえ不利なバーンに対しては本当に時間稼ぎにしかならないためです。

≪終止≫採用枚数:2~3枚
 赤黒それぞれ1マナでクリーチャー1体を破壊し再生を禁じるインスタントです。再生を禁じる能力が役に立つことは稀ですが、2マナの確定除去というだけで優秀なため≪致命的な一押し≫と合わせて2~3枚採用されます。枚数に関しては構築や好みによります。≪致命的な一押し≫で除去できないクリーチャーが入っているとわかっている場合はできるだけ温存したいですが、≪瞬唱の魔導士≫で使いまわせるためうってしまっても構わない場合も多々あります。(やっぱり瞬唱ってすごいんやなって)

≪対抗突風≫採用枚数:0~2枚
 青黒で、クリーチャーでない呪文を確定で打ち消し、さらにその呪文の持ち主のライフを2失わせるインスタント。色拘束はきついのですが確定で打ち消せることに加え打消し枠でライフを減らすことができるのが最大の魅力です。さらにこれはプレイヤーを対象にとらず、またダメージではないため、≪神聖の力戦≫などで呪禁をもったプレイヤーや、≪崇拝≫などでダメージを受け付けなくなったプレイヤーからもライフを奪うことができます。このことからメインボードからも採用されることがあります。が、やはりクリーチャーを打ち消せないのと色拘束から最大でも2枚程度です。

≪コラガンの命令≫採用枚数:1~4枚
 無色1+赤黒それぞれ1マナの計3マナで、「クリーチャーかプレイヤーに2ダメージ」「アーティファクト1枚破壊」「自分の墓地からクリーチャー1枚回収」「相手に1枚手札を捨てさせる」の4つから2つを選択できるインスタント。このデッキのインスタントソーサリーの中で最も重く、最も強力です。1枚で多くの場合で2アドとれるのはバケモノで、これを≪瞬唱の魔導士≫で使いまわした時の気持ちよさはぜひ味わってほしいレベルです。
 クリーチャー除去やとどめの火力、メインからのファクト対策、追加戦力補充が強力なのは言うまでもなく、最後のハンデスも地味に重要です。何が重要なのというと、「インスタントタイミングで打てるハンデス」であることです。相手がトップ頼りになったとき、ひかれたらまずいインスタントタイミングでは使えないカードがある場合、ドロー後メインフェイズに入る前にこのカードをハンデスモードで唱えることでそれを捨てさせ使わせないことができます。実際にこれで勝ったこともあるため、覚えておいてください。

≪電解≫採用枚数:0~1枚
 無色1+青赤それぞれ1マナの計3マナで、1ドローに加えプレイヤーとクリーチャーを最大2つ選び、2点ダメージを振り分けることのできるインスタント。本記事最後となるカードですが、実は最近採用しているレシピはほぼみません。というのも、このカードの最大の強みは分割火力とドローで最大1:3交換ができることなのですが、いかんせん重く、それなら≪コラガンの命令≫のほうが強力である場合が多いためです。1:3交換も、相手にタフ1のクリーチャーが2体いなくてはならないため、1体破壊+1ドローか本体2点+1ドローの場合が多くなり、それなら≪コラガンの命令≫のほうが手札補充という面でも≪電電解≫のランダムドローに比べ確実にその時ほしいクリーチャーを選んで回収できたり、ほかのモードを選んだりと小回りが利きます。したがって≪電解≫は採用されないか、メインからの≪未練ある魂≫やその他ウィニーの対策を兼ねて1枚採用されるのがせいぜいといったところです。




さて、思ったより長文になってしまい書いている現在時刻午前2時ちょっと前で筆者は頭がふらふらしていますが以上がグリクシスデルバーのレシピ概要と各カード解説となります。次回はサイドボードの解説をしていきたいと思っているので良ければまた読んでください。

それでは、おやすみなさい・・・
初めまして、名古屋で細々mtg をしています、めるにあと申します。名前の由来は昔やっていたデュエル・マスターズ(DM)のクリーチャー、腐敗電脳メルニアというカードから来ています。mtgで似たカードを探すと潮の虚ろの大梟です。DMにおいては相手のライフ(シールド)は基本6であるのと、タップされているクリーチャーをアタックできるというルールから、mtg の潮の虚ろの大梟と違って大変強いカードでした。自分の魂のカードといっても過言ではありません。だから悪意の大梟をモダンにください(違う)

と、好きなカードの話はここまでにして本題を。タイトルの通りmtgのモダン環境のデッキ、グリクシスデルバーについて話していきたいと思います。このデッキばかり使っているとはいえ、初めて1年でまだまだなので的外れなところも多くあると思いますが、読んでいただけると嬉しいです。

今回はまずグリクシスデルバーというデッキの概要と主戦略、大まかな相性、現在のモダンでの立ち位置などを書いていこうと思います。これで興味を持っていただけた方は、次からレシピやカード解説などを書いていこうと思いますのでぜひ読んでみてください。


1.グリクシスデルバーの概要と主戦略
まず、デッキ名にもなっているデルバー、正式名称《秘密を掘り下げるもの/ Delver of Secrets》/《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》とは、変身という特殊な能力を持ったカードで、以下のようなテキストになっています。

Delver of Secrets / 秘密を掘り下げる者 (青)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーの一番上のカードを見る。あなたはそのカードを公開してもよい。これによりインスタント・カードかソーサリー・カードが公開された場合、秘密を掘り下げる者を変身させる。
1/1
Insectile Aberration / 昆虫の逸脱者
〔青〕 クリーチャー — 人間(Human) 昆虫(Insect)
飛行
3/2

簡単に言うと、表面では青1マナの 1/1のクリーチャーで、ターン開始時にデッキの1番上のカードがインスタント、もしくはソーサリーという種類のカードであれば裏面になり、3/2で飛行を持ったクリーチャーとなります。1ターン目から出せる3/2飛行というのはとても強力で、当時のスタンはもちろんモダンや、レガシーですらこのカードの名を冠したデッキが作られています。

デルバーを用いたデッキは基本的に、軽く優秀なクリーチャーと相手の動きを阻害する打ち消しや除去により、相手にさせたいことをさせないようにしながら相手のライフを序盤から終盤まで時計の針が時間を刻むようにして削りきる、いわゆる「クロックパーミッション」と呼ばれるタイプのものになります。赤と青がメインカラーとして用いられるのが一般的ですが、その中で、さらに黒を足した三色、いわゆるグリクシスカラーで組まれたものがグリクシスデルバーというデッキです。

メインカラーの赤青での火力や打ち消し、ドローに加え、グリクシスカラーにしたことによるポイントとしては、黒を足すことで今スタンでも用いられているカラデシュから加わった優秀な軽量除去《致命的な一押し》や、探査という能力によりかなり早い段階で出せる《黄金牙、タシグル》、《グルマグのアンコウ》といったサイズの大きいクリーチャーが入れられ、さらに赤黒の《終止》、《コラガンの命令》、黒青の《対抗突風》といった優秀な多色カードが入れられることから、グリクシスカラーはモダンのデルバーデッキの中でも一般的なデッキとして使われています。これらのカードについては後々解説をしていきたいと思います。

グリクシスデルバーの基本的な試合の流れとしては、
序盤:できるだけ早くデルバー、《若き紅蓮術師》、探査クリーチャーといった軽くて優秀な打点となるクリーチャーを展開、打ち消しにより除去から守りながら相手のライフを削る。このとき相手のデッキの行動もクリーチャー除去や打ち消しで妨害する。
中盤:序盤とほぼ変わらない。長期戦が無理なデッキではないので相手の勢いが激しいなら無理せず守りに入る。
終盤:《瞬唱の魔道士》と《コラガンの命令》、《黄金牙タシグル》の起動能力、《血清の幻視》によるドローの質向上などでリソース戦を制する。

といった感じになります。カードパワーの平均は低くも高くもなく、試合全体にわたって選択肢が多く、難しいデッキですが、その分使いこなせると対応できない状況が少なく、1つやりこむデッキを持ちたい!という方にオススメです。また、様々なデッキ使われるカードでレシピのほとんどが構成されるので、始めたばかりの方がとりあえずパーツ集めがてら作る、というのにも向いたデッキだと思います。


2.大まかな相性
さて、さきほど対応できない状況は少ないと言ったグリクシスデルバーですが、一般的な構築において、現モダンに存在する主なデッキとの相性としては以下のようになっています(筆者の経験と知識に基づいているため間違っている可能性が多分にあります)。

有利 青含まないコンボ系以外 赤緑ポンザ ランタンコントロール

微有利 エルフ マーフォーク 感染 ジャンド系 白黒ハンデス アドグレイス 青赤コントロール グリクシスコントロール

五分 グリクシスシャドウ 5c人間 ヘイトベアーズ デス&タックス 親和 ストーム トリココン

微不利 ドレッジ 青白コントロール エルドラージタックス 青単トロン トリコトラフト 同盟者 アブザン

不利 バーン(ナヤなら微不利) バントエルドラージ 呪禁オーラ ソウルシスターズ(ノリンシスターズの場合かなり不利)

かなり不利 ヴァラクート(構築による大きな差あり) トロン(青単除く)

大体こんな感じです、自分の構築の場合少し特殊なため、一部相性が変わりますが、それはまた後の記事で記述します。また、これ以外にも様々なデッキがモダンにはありますが、筆者の対戦経験が0かつリストから読み取るのが筆者は下手なため、割愛させていただきます。

パッと見てわかるように、かなり相性が全体に散らばっています。実は微有利〜微不利間の差異はかなり少なく、プレイングに大きく左右されます。さらに、不利はともかく有利でも、使い始めたばかりであれば普通に負けてしまうこともあると思います。しかし逆に1でも述べたように、使い込み慣れてきさえすれば、微不利以上のデッキとは全て互角以上に戦えるようになります。自分はまだその領域まではいけていませんが、使い始めた頃に比べてかなり勝てると思うマッチアップが増えてきました。本当に奥が深く、楽しいデッキです。


3.現在のモダンにおけるグリクシスデルバー
2で勘の良い方は察していただけたとは思いますが、はっきりといいます。

現モダンのグリクシスデルバーは環境圏外です(悲しみ)

主な原因としては、
・かなり不利となるトロンヴァラが蔓延っている(失礼)
・それらと互角に渡り合える似たデッキ、グリクシスシャドウが流行っている(このことに関しては後の記事で少し詳しく書きます)
・グリクシスデルバーが有利を取れ、一大勢力であった感染が禁止改定などにより弱体化している
・そもそもパッと使えるデッキでない
あたりがグリクシスデルバーを環境外に追い出しているのかなと個人的に思っています。

しかし!最近はぽつぽつとですが某太陽なお店のサイトにレシピが再び載るようになり、イクサランからの新戦力などもあり追い風が吹いてきていると思います。流行りのデッキである5c人間やトリコトラフトとも相性が悪くなく、その分トロンやヴァラクートが減っているのもプラスです。そんなわけで皆さん、このグリクシスデルバー、ぜひ使ってみてください。そして、週に一度以上レシピが掲載される栄光をグリクシスデルバーに取り戻してください(迫真)


今回の記事はここまでとなります。次回は一般的なレシピ、および自分のレシピの紹介、その違いなどを紹介していこうと思っています。近いうちに書き上げようと思っていますので、よろしくお願いします。ではまた、次回の記事で!